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”瀬戸内さかな”は種類が豊富。身が締まってて美味しいです

“瀬戸内さかな”は種類が豊富。
身が締まってて美味しいです

ハジマリノテラス 代表

坪木則幸 さん

2023年9月25日

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自分の力で自由にやってみたい――50歳目前からの再出発

「瀬戸内の魚の魅力はまず種類が豊富なこと。やっぱり身が締まってて美味しいですよ。

小イワシとか小魚が有名だけど、小さいゆえに味が繊細で日本料理に合うんです」。

広島市内で海鮮居酒屋『番屋 七宝丸』など3店舗を経営する坪木則幸さんは地元で獲れる「瀬戸内さかな」についてそう語ります。

江田島の海と小型船

江田島出身で百年以上続く老舗旅館「坪希」の5代目の坪木さんが、家業から退いたのは48歳の時でした。「僕は代々受け継いできたものを背負う器じゃなかったんです。

長男として30年間頑張ったけど人生は一度きり、ここからは自分の力で自由にやってみたいと思ったんです」。

大きく手を広げ熱く語る坪木さん

50歳目前でゼロからの再出発。そのとき坪木さんが、唯一の武器だと思ったのが瀬戸内さかなでした。旅館では厨房に立ち、漁師仲間も多い。

居酒屋をみごと成功させた坪木さんは今年新たな挑戦に踏み出しました。土産物屋にカフェを併設した『ハジマリノテラス』をオープンしたのです。「店名は店が陸路で江田島に入ってすぐの位置にあること、事業として水産加工という新たな分野に乗り出したこと、あと『ここからいろんなことが始まればいいね』って気持ちで」。

『ハジマリノテラス』では島の情報を発信する他、急速冷凍技術を使って水産加工品を製造します。生シラス、カワハギの姿造り、下処理済みのチダイなど、ここでも売りになるのは故郷の海が育んだ瀬戸内さかな。

「秋はタイ、サワラ、タチウオ。ここはオコゼやコチみたいな魚がいる一方、タイやハマチもいてタコも美味しい。江戸前みたいなものですよ」。

生しらすとイクラの海鮮丼

外から来た若者と古い地元民を融合させるのが僕の役割​​

​​​​『ハジマリノテラス』を皮切りに、島の活性化にも意欲を燃やします。

「いま島は外から来た人が古民家を改装したりカフェを始めたり新しい動きが起こってて。地域が盛り上がるには、そうした若者と古い地元民が手を取り合うことが不可欠。それを融合させるのが僕の役割かな」多様性に満ちた瀬戸内さかなの、そして広島の魅力を引き出すには多様な人々の協力が必要。まだまだ江田島は宝の山。日焼けした顔で笑う坪木さんは、56歳にしてなおハジマリの場所にいます。

ウッドデッキの中央で笑顔の坪木さん

 

紹介人物画像

坪木 則幸(つぼき のりゆき) さん

ハジマリノテラス 代表

江田島出身で百年以上続く老舗旅館「坪希」の5代目を30年務めたが,50歳目前にして,一度きりの人生,自分の力で自由に生きたいと再出発。現在広島市内で海鮮居酒屋「番屋 七宝丸」など3店舗を経営する傍ら、構想から2年以上を費やしてオープンさせた「ハジマリノテラス」。青い空、青い海が素晴らしい江田島を感じてほしいとの想いからテラスには屋根を設置せず,瀬戸内海を一望できる開放感あふれる場所。海鮮は朝漁師さんから直接受け取った江田島産のものを、そのまま急速冷凍した加工品を併設の工房で販売している。島の名所やおすすめショップ、開催中のイベントの紹介など、島全体の活性化に意欲を燃やしている。