支える人、育む地域があってこそ。スポーツの力で町に元気を
支える人、育む地域があってこそ。スポーツの力で町に元気を
「支える」という鍵を持つ人
三次スポーツコミッション
猪川夏帆 さん
2024年7月25日
三次に女子野球チームを作る!元選手が奔走する新たな挑戦
社会人女子硬式野球チームを発足させる。そんな計画が今、三次で進む。今年4月に設立した官民連携組織「三次スポーツコミッション」で奔走しているのは地域おこし協力隊1年目の猪川夏帆さん。昨年まで女子チーム「はつかいちサンブレイズ」で活躍していた元選手だ。
福岡出身。小2で始めた野球は、仲間が増えていくのが楽しかった。中学時代は隣の市の硬式チームで紅一点、監督に分け隔てなく育てられた。女子硬式野球部1期生として北九州の高校へ。球場整備が済んでいないほやほやの環境で、真っ黒になって白球を追った。
広島との縁が生まれたのは、高校時代。コーチが西区の「MSH医療専門学校」女子野球部と付き合いがあり、体験入学で試合に出させてもらった。高校野球と違い、純粋に楽しめる環境が気に入った。「このまま続けたら区切りがつけられなくなる」と、いったん野球を離れる決意をしたが、サンブレイズから声をかけられ、「延長戦」へ。地域社会に支えられたチームでの2年間で野球観が変わった。
作りたいのは「スポーツを通じた人と人との関わり」を生む舞台
団地内の球場には老若男女、住民たちが応援に駆けつけてくれた。地域を清掃したり、1軒1軒回って挨拶したり。人と喋るのが苦手な自分から少し脱皮できた。「支えてくれる方々の存在が大きかった。注目されながら野球をすることが今までなかったから」。
退団後、野球から離れて工場でのアルバイト生活をしたことで、野球が好きだという気持ちも、裏方が好きだという自分の性格も再認識した。そんな頃、恩師に声をかけられて三次市の挑戦に参画することに。「野球だけでなく、サッカーやバスケにも関われる」。
「1期生」は経験済みだが、ゼロから新チームを作るのも胸が高鳴る。「スポーツを通じて人々の関わりを生み出す」。それを演出する「舞台」として、三次の名が知られるようになること。それが、猪川さんが掲げる当面の目標だ。
ひろしまの好きなところ「仲の良さ」
広島カープの試合を見に行ったとき、みんな仲が良いと思った。ホームラン出たら、見ず知らずの前の人が後ろ向いて「イエーイ」みたいな。なんかフレンドリーだなって。
サンブレイズでは投手。だが「荷が重く、元々の野手の方が好き。チームを引っ張るよりついていくタイプかな」。
三次スポーツコミッション
みよしスポーツコミッション
猪川 夏帆(いかわ なつほ) さん
「支える」という鍵を持つ人
三次スポーツコミッション
1999年福岡生まれ。⻄区天満町の「MSH 医療専門学校」在学時は野球部に所属。卒業後、2022年4月~2023年12月、廿日市市の女子硬式野球チーム「はつかいちサンブレイズ」にてピッチャーとして活躍。退団後、三次市地域おこし協力隊に応募し、2024年4月~2027年3月の任期で活動中。2024年4月に発足した三次スポーツコミッションにも参加している。