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地元の子どもには地元産のおいしいものを食べてほしい

地元の子どもには地元産のおいしいものを食べてほしい

「子どもと食」という鍵を持つ人
重原農園

重原盛導 さん

2024年10月25日

メインビジュアル

地元の子どもには地元産のおいしいものを食べてほしい

「重原農園」の重原盛導さんは広島の県北・庄原市西城町で生まれた。実家は兼業農家で、重原さんは長男。銀行員を経て27歳で農家になった。現在は妻と子ども3人とともに西城に住む。

「西城が好きなのでここで暮らすことに迷いはなかったです。農業をやることも自分の意志で決めました」。

重原さんの画像

​迷うことなく農の道に進んだ重原さん。32歳の時にホウレンソウ栽培をスタート。着々と耕作地を拡大し、経営を軌道に乗せていた最中にあらたな課題と出合う。

「子どもたちに地元の食材を食べてほしいという気持ちもあって、給食の野菜の調達について相談を受けるようになりました」。農産物の価格は収穫状況で上下するため、予算をひっ迫することがある。重原さんは過去の食材費を計算して平均価格を割り出し、主要野菜の価格を一定に。広島県産・庄原産の野菜を積極的に納品することを提案した。調べると当時給食の県産食材使用率は約25%。重原さんは地元の農家と県内の仲卸の協力を得て、それを60%まで引き上げることに成功した。

ほうれん草の画像

「地元の子どもの給食になるんだったらとみんな力になってくれて。それで先日初めて県内産フルーツの発注が入ったんです」。

現在は西城町・高野町の小中学校に野菜を配送する他、食育授業の講師や広島市内のショッピングモールで「ちょいベジ収穫体験」という農業に触れるイベントを行っている。

昔は野菜のことばかり考えてたけど、今興味あるのは町の未来

「僕は子どもたちに『農業って楽しいんだな』とか『野菜っていいな』と思ってもらいたくて。それを伝えるのも農業の一部だと思ってます」。

重原さんの画像

重原さんにとって子どもと食をつなぐ活動は、趣味ではなく使命だ。今の西城町が抱えている課題は、すべての中山間地域に当てはまる。

「僕は将来農業をやりたい人が出てくるまでの “つなぎ” でいい。昔はホウレンソウのことばかり考えてたけど、今興味あるのは町の未来です」。

町の基盤に農があり、農の根幹に食がある。郷土愛いっぱいの野菜を食べて子どもたちはすくすく育つ。

ひろしまの好きなところ「熊野の大トチ」

西城町の熊野神社はパワースポットでよく行ってます。近くにあるトチノキは幹の周囲が9メートルもあって国の天然記念物。僕のスマホの待ち受け画面はこの大トチです(笑)。 

大トチの画像

 

重原農園

しげはらのうえん

庄原市西城町大佐803-1

https://www.hiroshima-ouen.com/1958

紹介人物画像

重原 盛導(しげはら せいどう) さん

「子どもと食」という鍵を持つ人
重原農園

庄原市西城町出身。高校・大学と農業を学ぶが、一度は銀行員として就職。2012~2015年の4年間の研修を経て、2016年、認定新規就農者としてほうれん草栽培を開始。「健康的な作物には健康的な土壌が必要」との考えから独自の土壌作りを確立。自身は小2・中2・高1の3児の父で、一通りの子育てを体験し続けている立場。子どもの学校給食の内容にがっかりしたことを機に西城町・高野町の小中学校へ野菜の配送を始めるなど、食育にも興味・関心が高い。広島の企業「FROM EATS」と組んだイオンモール府中での「ちょいベジ収穫体験」、牛田小学校での食育授業講師なども。子育て世代や高齢者がお米を楽に買えるように、自宅へお米を毎月届ける「お米のサブスク広島庄原店」も実施。