笑顔で子育てできる時間が少しでも多い社会になってほしい
笑顔で子育てできる時間が少しでも多い社会になってほしい
「双子、三つ子…の子育てを支える」という鍵を持つ人
多胎育児サークルにこにこ
藤井友美 さん
2024年12月25日
2度の双子出産で「私はこういう星の下に生まれたんだ」
海田町にある子育て支援拠点「ひまわりプラザ」。絵本やオモチャが常備され、小さいお子さんや保護者が自由にすごせるこの場所で今年新たな活動が始まった。「多胎育児サークルにこにこ」を立ち上げた藤井友美さんはまさに育児の真っ最中。2度の出産が共に男女の二卵性双子という特別な経験が人生を大きく変えた。
「最初の出産が双子とわかった時からすごく不安で。さらに出産時に骨盤の関節を痛め、産後立ち上がることもできない状態になったんです」。
想像もしていなかった双子の出産。想像以上に過酷な育児。もともと理学療法士として働いていた藤井さんは、自らの体験を元に女性の産後をケアする活動を始める。すると再び妊娠。それがまたも双子だった。
「お医者さんも看護師さんも初めてのケースだったようで。『そういう星の下に生まれたんだね』とおっしゃっていました」。
双子を育てる大変さは同じ境遇の人同士が共感しやすい
「多胎育児サークルにこにこ」はその名の通り、双子や三つ子の家族が集うコミュニティ。互いの悩みを共有したり、育児用品や服を交換したり、単におしゃべりを楽しんだりという会を9月、11月に開催した。
「やっぱり双子を育てる大変さは同じ境遇の人同士が共感しやすいと思うんです。実際会った瞬間、すぐ『あー』って分かる感じでした」。
1人に離乳食をあげている時、もう1人にどう接するか。お風呂はどうするか…そんな“双子あるある”を語り合うだけで少し心は軽くなる。会の存在が外出のきっかけにもなる。
「双子に限らず、そもそも育児は大変。でも大変さのなかにつらさと楽しさ、両方あると思うんです。笑顔で子育てできる時間が少しでも多い社会になればいいなと考えています」。
藤井さんのお子さんは今、8歳と1歳が2人ずつ。成長するに連れて育児の風景も変わってきた。
「双子は少し大きくなったら2人で遊び始めるので、その点は助かります。それに同じ顔の2人が笑い合ってる姿は見ててすごくかわいいですよ」。
苦労は倍でも歓びはその何倍にも。仲間がいればきっと苦労も乗り越えられる。
ひろしまの好きなところ「自然も街も近いこと」
海も山も近く、街にもアクセスしやすい環境は子育てする上でも便利。海田町はまさにそうで、産後ヘルパーの利用サービスも充実していて子育てしやすい地域だと思います。
藤井 友美(ふじい ともみ) さん
「双子、三つ子…の子育てを支える」という鍵を持つ人
多胎育児サークルにこにこ
1988年生まれ、理学療法士。1歳9カ月と小2、男女の二卵性双子2組を育てる。2023年、友人と二人で多胎児の親向け子育てサークルを立ち上げることを決意。2024年より「多胎育児サークルにこにこ」活動開始。これまでに2回交流会を実施。