項目 |
調査・研究内容 |
調査研究機関 |
大気関係 |
光触媒を利用した環境浄化技術の開発 |
被処理物の影響を受けず,効率的な光触媒反応器を設計製作し,アセトアルデヒドなどの大気汚染物質の分解試験を実施しました。その結果,アセトアルデヒドの場合では,初期濃度に依らず,約2時間の光触媒反応によって約50%除去できることを確認しました。更に,大気汚染物質の光触媒反応による分解過程において,有害な重合体(ホスゲン)が生成されないことも確認しました。 |
西部工業技術センター |
水
質関係 |
沿岸域の窒素浄化機能に関する研究 |
広島湾沿岸域の窒素循環における干潟と沿岸海域の底泥の浄化機能を,窒素固定と脱窒速度を測定することにより,定量的に明らかにしました。
その結果,沿岸海域の底泥は干潟の3~15倍高い脱窒速度を示し,その浄化能は,有望な富栄養化対策技術として活用できる可能性があることがわかりました。 |
保健環境センター |
湖沼における藻類の発生予測に関する研究 |
アオコの原因藻類と水質,気象及び水理条件との関係を解明するため,魚切ダム貯水池での詳細な調査及び室内培養実験を行いました。その結果,水温以外に,燐,金属類,藻類組成等がアオコ発生と消滅に関与することが示唆され,発生予測式への反映が可能となりました。 |
農薬や化学肥料に偏らない栽培技術の開発 |
環境保全型農業を中心とした農薬や化学肥料に偏らない栽培法を確立するため,(1)環境にやさしい施設果菜類の病害虫防除技術,(2)耕種的方法を活用した環境にやさしいカンキツ病害虫防除技術,(3)キュウリにおける環境保全型ネコブセンチュウ防除技術等の研究を実施しました。 |
農業技術センター |
畜産環境保全技術の調査研究 |
堆肥の流通促進を目的として,耕種農家のニーズに応じた稲作,施設園芸,果樹及び家庭菜園用等の用途別堆肥生産技術の研究を実施しました。特に,高炉スラグを乳牛ふんの堆肥発酵の副資材とし,水稲用にケイ酸を強化した堆肥生産技術を開発しました。 |
畜産技術センター |
漁場環境改善のための基礎研究 |
漁場環境の改善と幼稚魚の育成の場として重要なアマモ場を回復させることを目的とし,アマモ場造成の基礎研究を実施しました。特に,アマモの安定した種子採取法及び発芽体生育法の確立に取り組みました。 |
水産試験場 |
騒音
・振動関係 |
道路交通騒音の面的把握に関する研究 |
騒音の環境基準の改正に伴い,道路に面する地域の騒音の状況を面的に把握することが必要となっています。今年度は,これまでに整備した面的把握も可能な道路交通騒音推計システムを道路沿道に建物がある場合に適用できるシステムに更新し,簡便に推計ができる機能も持たせました。 |
保健環境センター |
音・電磁波防止対策に関する研究 |
騒音源から発生する騒音や振動データを計測・保存し,振動情報から音情報を推定するとともに,騒音・振動の周波数分析が可能なシステムを構築しました。また,電磁波ノイズと電子基板配線パターンとの関係を調べ,ノイズ低減が可能な配線パターン設計指針をまとめ,データベース化しました。 |
西部工業技術センター |
化学物質関係 |
PRTR(環境汚染物質排出移動登録)対策に係るリスク評価の支援に関する研究 |
人への影響が指摘されている有害化学物質の中で,PRTR対象物質に関するデータベースを作成しました。データベースには,化学物質の毒性,基準値などの各種情報を収集・入力するとともに,一部の化学物質については県内の環境濃度を入力しました。 |
保健環境センター |
ダイオキシン類による地域環境汚染の実態とその原因究明に関する研究 |
原因究明のため,発生源及び環境試料のダイオキシン類の異性体組成の検討とダイオキシン類の迅速分析法の検討を行いました。 迅速分析法として,高圧液体抽出法や充填済みカートリッジカラムによる精製法は,有望な前処理法であることがわかりました。 |
廃棄物
・リサイクル関係 |
廃棄物二次資源の安全性評価に関する研究 |
廃棄物二次資源のうちの溶融スラグについて,国立環境研究所と共同で,重金属類等の溶出試験方法の検討及び調査を実施しました。溶出挙動は元素によって異なっており,また,長時間の振とうを行っても有害な重金属類の溶出量は少ないことがわかりました。 |
酵母による食用廃油からの糖脂質生産技術の開発 |
精製油を原料とした酵母による糖脂質の生産技術を確立しました。この技術を,食品加工業者から回収した食用廃油の分解に適用し,糖脂質の生産が可能であることを確認しました。更に,食用廃油を原料として得られる糖脂質の機能性を調べ,精製油原料の糖脂質に比べ乳化能が優れていることが分かりました。 |
食品工業技術センター |
ポリプロピレンをベースとした廃プラスチックのマテリアルリサイクル技術の開発 |
繊維強化プラスチック(FRP)と再生ポリプロピレン(PP)との複合化によるマテリアルリサイクルを低コストで実現するため,短時間で粗粉砕したFRPの粒度分布と成形性との関係を調べ,粗粉砕FRPの45%及び85%がそれぞれ射出成形及びプレス成形に利用できることを明らかにしました。また,複合材料における両成分間の剥離が起こらず,耐衝撃性も向上できる最適な配合組成を把握できました。 |
西部工業技術センター |
廃鋳型微粉体の動的表面処理プロセスの開発 |
これまで産業廃棄物として埋め立て処分していた鋳造廃鋳型を粉砕微粉化し,プラスチックの充填材として低コストで利用するための技術を開発し,コーンウエイトや方向表示用重り,U字溝,道路の段差解消製品などを試作しました。 |
東部工業技術センター |