2 |
環境教育・環境学習の推進 |
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● |
現状と課題 |
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地域社会のあらゆる場において,総合的で実践を伴う環境学習・環境教育が適切かつ活発になされるよう,学校教育や社会教育での取組の充実,そのための指導者の育成,拠点整備などを行う必要があります。平成10年度に学習指導要領が改訂され,体験による問題解決能力の向上を目指した環境教育の充実が図られるようになりました。人間活動と環境との関わりについての総合的な理解と認識の上,環境の保全に配慮した望ましい働きかけのできる能力や思考力,判断力を身につけ,環境への責任ある行動がとれる態度を育成することを目的に,各学校において環境教育が行われています。平成14年度公立小・中学校における教育課程の編成状況等調査によると,環境をテーマとした学習は,約89%の公立小学校と,約62%の公立中学校において実施されています。
県では,県民の自主的な環境保全実践活動に対して,適切な指導,助言を行うことができる「環境保全アドバイザー」等を育成しています。
今後は,環境教育・環境学習に関する情報提供,研修,交流等の機能を備えた拠点施設を整備するとともに,既存施設のネットワーク化を推進するなど,機能強化を図る必要があります。 |
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図表4-1-1環境保全アドバイザー登録者数 |
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資料:県循環型社会推進室 |
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[施策の方向] |
■ |
環境教育・環境学習の機会の充実 |
■ |
環境教育・環境学習のためのプログラムの整備と指導・助言等を行うことができる人材の確保 |
■ |
環境教育・環境学習拠点の整備 |
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(1) |
教育や学習の場ごとの世代に応じた環境教育・環境学習の推進 |
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平成10年度に策定した「広島県環境学習基本方針」に基づき,幼児から高齢者まで,世代に応じた環境教育・環境学習を,家庭,学校,地域社会,職場などの多様な場で総合的に推進します。 |
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平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策 |
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ア |
こどもエコクラブの支援[循環型社会推進室] |
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小・中学生が自主的に環境保全活動を行う「こどもエコクラブ」について,地域環境に関する具体的な取組・活動が展開できるよう,支援情報を提供するとともに,市町村の協力を得てこどもエコクラブ参加メンバーの増大を図ります。 |
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[平成15年度事業実績] |
市町村担当者と連携して情報提供に努め,107団体のこどもエコクラブのメンバー1,772人による活動が行われました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,情報提供に努めます。 |
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イ |
「ひろしま教育の日」の授業の実施[循環型社会推進室] |
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県保健環境センターにおいて,小学校及び中学校を対象に,地球温暖化防止や川の水生生物調査等に関する環境学習を実施します。 |
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[平成15年度事業実績] |
小中学校各1校を対象に,クイズや実験を交えて地球温暖化やごみ問題,川の生き物調査や水の浄化方法等についての環境学習を行いました。 |
[平成16年度事業内容] |
授業応募校の希望に応じた体験型の環境学習を実施します。 |
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ウ |
中国山地やまなみ大学推進事業[地域づくり推進室] |
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豊かな自然,歴史,文化に恵まれた中国山地を県民の生涯学習や環境教育,安らぎの場として活用し,持続可能な活力ある中国山地を実現させるとともに,中山間地域と都市部との交流,共生関係の構築を目指す取組を行います。 |
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[平成15年度事業実績] |
やまなみ大学講座主催者研修会や,児童・生徒を対象とした総合学習楽科の実践を通じ,地元指導者を育成しました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,やまなみ大学において,環境教育プログラムを実践します。 |
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エ |
子どもの体験活動奉仕活動推進事業[生涯学習課] |
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子どもたちに,多彩な地域活動の機会と場を提供し,また,様々な機関との連携のもと,野外体験活動,農業体験活動,環境学習,世代を超えた交流活動など子どもたちにとってより魅力的な体験活動が行われるように,様々な取組を総合的に推進します。 |
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[平成15年度事業実績] |
体験活動やボランティア活動に関する情報を提供する「体験活動ボランティア活動支援センター」の設置推進と情報提供システムを構築するとともに,体験活動のリーダーを養成しました。体験活動,ボランティア活動支援センターを設置した市町村数(平成14年度12→平成15年度27) |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,情報提供システムの構築及びリーダー養成をします。 |
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平成16年度に講じる施策(新規) |
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ア |
環境保全活動・環境教育推進方策策定事業[循環型社会推進室] |
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「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づく国の基本方針を参考に,県の自然的・社会的条件に応じた事業実施計画を策定します。 |
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(2) |
環境教育・環境学習の機会の充実 |
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○ |
環境学習・環境教育に取り組む民間団体や事業者の増加とともに,学習や教育の機会が増加している状況を踏まえ,引き続き自然観察会などのイベントや,環境問題に関する講演会・ワークショップの開催など,様々なタイプの環境学習の機会の一層の充実を図ります。 |
○ |
一人でも多くの県民が参加できるよう,県が実施する環境教育・環境学習に関する情報はもとより,民間事業者やNPO団体等の行事等に関するものも含めて情報提供に努めます。 |
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平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策 |
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ア |
海洋環境こどもクルーズの実施[循環型社会推進室] |
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海洋から環境を見つめなおしてもらうため,第六管区海上保安本部と共催で,小学生を対象に巡視船への体験乗船や水の分析等の環境学習を実施します。 |
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[平成15年度事業実績] |
小学生80名の参加を得て,地球温暖化とエネルギーに関する環境学習,パックテストを利用した水質検査を実施するとともに,巡視艇で広島港内をクルーズし,海洋環境の観測を行いました。 |
[平成16年度事業内容] |
身近な環境問題を盛りこんだクルーズを計画しています。 |
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イ |
環境講演会の開催[循環型社会推進室] |
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ひろしま地球環境フォーラムや環境にやさしいひろしま県民会議と共催し,地球環境等に関する講演会を開催します。 |
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[平成15年度事業実績] |
地球温暖化や環境関連法令に関する講演会(2回)や,エコドライブ,グリーン購入,バイオマス(3回)をテーマとした講演会を開催しました。 |
[平成16年度事業内容] |
関係団体等と連携し,時勢に応じたテーマ,内容の環境講演会を実施します。 |
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ウ |
環境保全セミナーの開催[循環型社会推進室] |
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県地域事務所で,地域住民を対象に,環境に対する関心と理解を深め,環境保全活動への意欲を高めるため,環境保全セミナーを開催します。 |
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[平成15年度事業実績] |
水生生物調査など,小学校児童を対象にした「水辺教室」を開催し,37名の参加を得ました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,環境保全セミナーを計画します。 |
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エ |
水産少年教室の開催[水産振興室] |
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小学校高学年を中心に,稚魚の放流など栽培漁業の体験学習を実施し,漁業への理解を深めるとともに,資源の大切さを啓発します。また,海浜で磯の生物の採取を行い,身近な海域の環境とふれあう機会を持つことによって,海洋環境への理解を深めます。 |
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[平成15年度事業実績] |
大竹市阿多田島小学校ほか20地区で,稚魚の放流など栽培漁業の体験学習を実施し,1,137人の参加を得ました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,大竹市阿多田島小学校ほか22地区で同様の行事を実施し,漁業への理解と環境の大切さを啓発します。 |
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オ |
森林環境教育推進事業[森林保全室] |
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次代を担う子どもたちの身近な森林における森林体験活動等を推進するため,行政・森林所有者・教育関係者等との連携・協力による普及啓発を実施します。 |
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[平成15年度事業実績] |
君田村で,森林セミナーの開催,体験プログラム作成及び指導者養成講座の開催等を実施しました。 |
[平成16年度事業内容] |
高校生を対象とした,森林・林業体験活動の実施を油木町で計画しています。 |
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カ |
環境教育研修会の開催[生涯学習課] |
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県内各地域で環境教育を推進する指導者を対象に研修会を開催し,次代を担う子ども達に,地球環境の大切さや,かけがえのない生命の価値をつかませていく取組を推進します。 |
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[平成15年度事業実績] |
県立少年自然の家,青年の家において,子どもたちの野外活動や自然体験活動を支援する指導者の養成を目的とした研修会を開催し,延べ130名の参加を得ました。 |
[平成16年度事業内容] |
福山少年自然の家では,学校等の自然環境教育の推進のため,森の環境をテーマとした「NEEDSプログラム」を開発・提供します。 |
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キ |
環境ホームページの開設・運営[環境局](再掲) |
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⇒詳細は,こちら |
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平成16年度に講じる施策(新規) |
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ア |
地球温暖化防止に係る環境学習推進事業[環境政策室] |
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学校教育に重点を置いた環境学習を推進するため,学校における教育活動を通して学習教材を開発するとともに,この教材を活用して家庭や地域が一体となって学習するしくみづくりを行います。
また,学校での取組を全県的に広めるため,マスメディアを通した普及啓発を行います。 |
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(3) |
プログラムの整備 |
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家庭,学校,地域社会,職場,環境学習拠点など,それぞれの場に応じた環境教育・環境学習プログラムや副読本の整備を推進します。 |
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平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策 |
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ア |
指導指針の提示[指導第一課] |
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児童生徒に自然に対する豊かな感性や環境に対する関心等を培い,環境や自然と人間とのかかわり,環境問題と社会経済システムの在り方や生活様式とのかかわりについて理解を深め,環境保全や環境の創造を具体的に実践する態度を身に付けるための指導指針を定め,学校における環境教育を推進します。 |
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[平成15年度事業実績] |
「省エネルギー教育推進モデル校((財)省エネルギーセンター)」に広島市立千田小学校,呉市立片山小学校,呉市立港町小学校,東広島市高屋東小学校,東広島市立御薗宇小学校,安浦町立三津口小学校,安浦町立安登小学校,安浦町立内海小学校が,「環境のための地球学習観測プログラムモデル校(文部科学省)」に呉市立港町小学校が指定されました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,「環境のための地球学習観測プログラムモデル校(文部科学省)」に呉市立港町小学校が指定されます。 |
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(4) |
人材の育成 |
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○ |
身近な環境調査やリサイクル活動,講習会,学習会の開催など,県民の自主的な環境保全実践活動に対して,適切な指導,助言を行うことができる「環境保全アドバイザー」等を育成するとともに,実効性ある活動を確保するための研修等を実施します。 |
○ |
地域の自然資源や生物に造詣の深い人や自然公園指導員等の協力を得るなど,環境教育の指導体制を充実します。 |
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平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策 |
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ア |
環境保全アドバイザーの育成[循環型社会推進室] |
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身近な環境調査やリサイクル活動,講習会,学習会の開催など,県民の自主的な環境保全の実践活動に対して,適切な指導,助言を行う環境保全アドバイザーの資質を向上させるため,情報提供するとともに,事後研修を実施します。 |
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[平成15年度事業実績] |
環境講演会や関連の行事について情報を提供するとともに,省資源・省エネルギーに関する事後研修会を実施しました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,関連の情報提供を行うとともに,県民への指導,助言に役立つテーマを取り上げた事後研究会を開催します。 |
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イ |
県立大学・大学院での教育・研究[大学企画管理室] |
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各県立大学で環境教育に関する科目をカリキュラムに取り入れ,また環境関連の研究を実施することにより,県立大学の学生に対する教育・研究による環境問題に関する意識を醸成します。 |
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[平成15年度事業実績] |
広島県立大学で「総合科目8,地学,生物資源学部専門科目の一部」,県立広島女子大学で「環境論,生活環境学科専門科目の一部」,広島県立保健福祉大学で「生活環境科学」といった環境に関する科目を実施しました。また,広島県立大学で「塩素系環境ホルモンの新規分解法」,県立広島女子大学で「環境・生体試料分解システムの開発」,広島県立保健福祉大学で「住環境(介護保険関連)」等の環境関連の研究が実施されました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,環境に関する科目や環境関連の研究の実施により,学生の環境問題に関する意識を醸成します。 |
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ウ |
教員研修の推進[指導第一課] |
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児童生徒の発達段階に応じ,地域の特色を生かした学校独自の学習プログラムを創造することができるよう,様々な研修機会をとらえ,教員の環境に関する専門的な知識や技能の向上を図ります。 |
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[平成15年度事業実績] |
初任者を対象に,環境教育をテーマとした講座を開設し実施しました。また,森林環境教育研修,環境教育担当教員講習会,第6回全国環境学習フェア,環境教育リーダー研修へ参加しました。 |
[平成16年度事業内容] |
引き続き,講座や研修により,教員の環境に関する知識や技能の向上を図ります。 |
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平成16年度に講じる施策(新規) |
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ア |
環の応援団サポーター養成支援事業[循環型社会推進室] |
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廃棄物抑制などの環境教育や環境保全活動の実践を指導できる教育職員を育成するための研修を実施し,学校における環境教育が拡大するよう支援します。 |
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区分 |
概要 |
受講対象者 |
県内の小・中学校で環境教育に意欲のある教育職員
・西部地区,東部地区各15名程度 |
研修期間 |
夏休み期間中の4日間 |
研修内容 |
講義型研修・体験型研修を通じて,環境基礎知識の習得・廃棄物処理の現状把握等をしたうえで,実践型プログラムを策定。 |
授業実践後 |
研修中に策定したプログラムを2学期の授業で実践した後,実践内容について評価・検証を行う。 |
その他 |
授業実践に必要な教材について,受講者一人あたり,5万円を上限に支援する。 |
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(5) |
環境教育・環境学習拠点の整備・充実 |
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○ |
環境教育・環境学習に関する情報提供,研修,交流等の機能を備えた拠点施設を整備するとともに,既存施設のネットワーク化を推進するなど,機能強化を図ります。 |
○ |
雨水利用システム等の環境に配慮した設備を有する公共施設やごみ処理施設等の生活環境施設及び試験研究機関等を環境学習・教育の施設として積極的に活用します。 |
○ |
子どもから大人までが森林などの自然とのふれあいのなかで環境について学ぶことのできる各種の自然体験施設を整備・充実します。 |
○ |
県立の自然公園や野外レクリエーション施設について,環境学習の拠点としての機能を強化します。(再掲) |
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平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策 |
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ア |
自然公園等施設整備事業[自然環境保全室](再掲) |
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→詳細はこちら |
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イ |
びんごエコタウン環境学習機能の整備[循環型社会推進室] |
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関係市町村の協力のもと,びんごエコタウン構想における環境教育・環境学習の拠点としての機能の整備を図ります。 |
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[平成15年度事業実績] |
福山市を中心として,環境学習機能の整備に向けた実施計画を策定しました。 |
[平成16年度事業内容] |
実施計画を推進します。 |
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ウ |
森林環境教育推進事業[森林保全室] |
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次代を担う子どもたちの身近な森林における森林体験活動等を推進するため,活動のフィールドとなる森林や施設の整備等を実施します。 |
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[平成15年度事業実績] |
千代田町外2町村で森林フィールド,管理道路,衛生施設の施設整備等を実施しました。 |
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