みんなでまもる、育てる!ひろしまの森づくり
広島県といえば、瀬戸内海の美しい島々や活気ある都市部を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実は県の面積の約72%を森林が占めていることをご存じでしょうか?
100万人以上が暮らす大都市から、緑豊かな中山間地域や、島嶼部に至るまで、私たちは日々、この身近な森から「災害リスクの抑制」や「二酸化炭素の吸収」といった、目に見えない大きな恩恵を受けています。
目次
昔は「はげ山」ばかり?ひろしまの森の時代の変化と課題
実は、広島県の森のほとんどは、人の手によって作られ、守られてきたものです。燃料が石油に代わるまでは、薪や肥料、さらには製塩や製鉄の燃料として大量の木が使われていました。
木炭の製造や製鉄などの産業が振興されるにつれ、山村の経済を強く支えた一方で、一時は「切りすぎ」によるはげ山化が深刻な問題となっていたのです。
戦後、県の南部では「災害を防ぐ」 (治山治水) を目的に、北部では「木材生産」を目的に植林が進み、ようやく豊かな緑が戻ってきました。
しかし現代、新たな問題が起きています。それは「森が茂りすぎた」ことです。
産業の転換や人々のライフスタイルの変化、中山間地域での人口減少問題により、山に人が入らなくなりました。その結果、放置された森林が増えたことで、木の高齢化によるナラ枯れや、シカやイノシシによる獣害の頻発、生活道への樹木の張り出しなど、景観や住環境の悪化といった新たな問題が起こるようになりました。
こうした状況は、単に景観が悪くなるだけではなく、森からの土砂災害のリスクを高める原因にもなります。このままではいけない。そこではじまったのが、県民のみなさんと一緒に森林資源をまもる「ひろしまの森づくり事業」です。
ひろしまの森づくり事業
「放置された森林」によって生まれた課題を解決するために、広島県では2007年度から「ひろしまの森づくり県民税」を活用し、県民のみなさんと一緒に森をまもる活動をしています。
具体的な活動としては、人工林で土砂災害が発生しないための対策や、鳥獣被害を防ぐ里山林の整備、県産木材の利用促進、そして、県民の皆さんに森林・林業へ関心を持っていただくための森林・林業体験活動や広報活動などです。
ここからは、活動の様子をご紹介します。
人工林のお手入れで生活をまもる
人工林は、人が作った森林なので、人が手を加え続けなければいけません。放っておくと、密集した木々で地面に日光が届かない暗い森になってしまいます。このような森では、地面に植物が生えないため、露出した地面が雨水に直接さらされることで、山から土が流れ出してしまいます。
そこで、地面に光を届けるために、木を間引く「間伐」を行っています。こうすることで地面に光が届くようになり、下草が生い茂り、地面を雨水の衝撃から守ってくれるようになります。
動物たちとの「ほどよい距離間」で里山の課題を解決
人が山に入らなくなり、木が茂るようになると、人と野生動物が暮らす境界が曖昧になり、農地への鳥獣被害などが発生しやすくなります。
そこで、森と人里の間に、野生生物の生活空間と人間の暮らしを分ける緩衝地帯である「バッファーゾーン」を設ける取り組みを行っています。これにより、野生鳥獣の隠れ場所が減り、農地などに出没しにくくなります。
また、見通しがよくなることで、クマやイノシシなどと人が互いに早く気付くことができ、「不意の遭遇」による事故を防ぐことにもつながると言われています。
使うことが森づくりの応援に
広島県産の木材を住宅の柱や梁になどに活用することも、立派な森づくりです。
木材が利用されることで、林業の振興につながり、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林の健全なサイクルが回るようになります。
森づくりに興味をもっていただくために
「ひろしまの森づくり事業」では、ここまでご紹介した森づくりの取り組みを、多くの県民の方に興味を持っていただくための様々なイベントを開催しています。
中には子供向けのイベントも開催しており、イメージキャラクターの「モーリー」も定期的にイベントへ出張し、みんなと一緒に会場を盛り上げています。県のホームページや公式SNSでもイベントの告知をしています。ぜひチェックしてみてくださいね。
明日からできる!森づくりの第一歩
ひろしまの森の歴史と、みなさんと一緒に取り組んでいる「ひろしまの森づくり事業」についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
ここまでお読みいただいて、もし「自分にも何かできるかな?」と思ったら、まずは森づくりイベントへ参加ください。
「ひろしまの森」の未来を、私たちの手で。まずは森のことを知る。それが素敵な未来への第一歩です
