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緑井学区防犯組合下校サポート隊(緑井学区防犯組合) 

印刷用ページを表示する掲載日2024年7月26日

団体の概要

緑井学区防犯組合下校サポート隊活動の様子写真

緑井小学校校門前で活動するサポート隊のみなさん

 緑井学区防犯組合下校サポート隊は,大きく市街化が進み人口が急増する広島市立緑井小学校区において,安佐南防犯組合連合会傘下の緑井学区防犯組合を中心に,小学校児童の下校時の見守りなどを行っている団体です。

 緑井小学校区は,昭和35年ころまでは人口約2,800人の農村地帯でしたが,昭和50年代以降,緑井駅前再開発事業等により市街化が進み,住宅・大型商業施設,銀行等が進出して人口も急増しています。JR可部線,アストラムライン,山陽道,54号線と交通の便もよく,現在では広島市の北の玄関とも言うべき町並みを備えてきています。

 同小学校区は以前から,児童の登校時に広島市の交通安全運動推進隊員やPTAの方々などによる交通安全指導と見守りが行われていましたが,下校時は見守り活動などなく不安の声が上がっていました。そうした中,平成15年12月,緑井学区防犯組合員の吉野宣生さんに,PTAから「児童の下校時における安全対策」について相談があったことが,現在の活動の契機となります。

 この相談を受け,吉野さんら緑井学区防犯組合員で下校時の安全対策を検討した結果,当時の防犯組合員29名で下校時の見守り活動を行うこととし,翌16年2月から活動を開始しました。

 当時この様な活動に取り組むボランティア団体は全国的にもまだ少なく,試行錯誤を重ねての活動開始でした。また,広島市安佐南区では平成16年,17年度の2年間,「『減らそう犯罪』住民・行政・警察協働モデル事業」において,安全・安心なまちづくりに向けて様々な取組みを行いましたが,同隊の活動はこの取組みより以前からの活動となります。

 平成17年には,児童の見守り活動を行う団体としての名称として,同団体を「緑井学区防犯組合下校サポート隊」と定めており,現在では隊員63名の方が活動を行っています。

 サポート隊の構成員は緑井学区防犯組合員で,同組合員は地域安全推進員でもあり,年代は50歳代から70歳代までの方々です。

 同隊の活動は現在広く評価されることとなり,平成20年11月25日には「平成20年度学校安全ボランティア活動奨励賞」として文部科学大臣表彰を受賞しています。

※ 緑井学区防犯組合下校サポート隊は「広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体」の登録団体です。

 

 

活動状況

 

活動状況イラスト

 緑井学区防犯組合では,63名の地域安全推進員の内5名が地域安全推進指導員であり,この指導員を副班長として5地区に体制を整え,副班長がそれぞれの地区の地域安全推進員の役割分担などを決めて活動を行っています。

 また「緑井駅前サロン」を活動拠点として,各種活動を行っています。この「緑井駅前サロン」は「子どもから大人まで気軽に立ち寄れ会話が弾むサロン」として,NPO法人佐東地区まちづくり協議会が管理しているもので,防犯活動拠点のほか,電動スクーターの貸し出し,まちの情報ステーション,談話・カフェテラスなどに利用されており,運営は地域ボランティアの方々によって行われています。

 児童の下校時サポートは,毎週水曜日の下校時に,事前に定めた分担に基づいて活動しています。これは,指定通学路の主要交差点など8か所に,隊員をそれぞれ2~3名配置し,下校する児童へ声かけと同時に見守りを行うもので,毎回20名前後の隊員が活動します。

 隊員は見守り活動の際,下校する子どもたち一人ひとりに「こんにちは」「おかえりなさい」などと声をかけ,これに子どもたちも「ただいま」などと返事をします。サポート隊の吉野宣生さんは,「活動を開始した当初,子どもたちが返事をすることはほとんどありませんでしたが,今では『緑井の小学生で,あいさつができない子はいない』と言われるほど,あいさつが飛び交う元気な町になった」と話されています。

 平成18年9月には,隊員の個人車両4台について青色回転灯装着車の認定を受け,通常の子どもの下校サポートのほか,約1時間程度の青色回転灯装着車による地区パトロールを行っています。車両の運転については12名の隊員が講習を受講しており,各地区において週2・3回パトロールしています。

 また,緑井学区防犯組合では地区における万引き防止活動にも力を入れています。平成17年4月から開始したこの活動は,毎月第2・第4土曜日の午後4時から1時間程度,大型スーパーを中心に万引きをしないように呼びかけたり,パトロールを行っており,毎回小・中のPTAから2~3名ずつ,各地区の地域安全推進員1名ずつの10名前後が参加しています。 

 

万引き防止活動の様子写真

 万引き防止活動中のみなさん

 その他同隊では広島市の提唱する8・3運動を毎日推進しています。これは子どもの安全を守るために,登校時間帯の午前8時前後と下校時間帯の午後3時以降に,散歩や買い物,玄関前の掃除など毎日の日課を合わせ,ついでに子どもたちを見かけた時には,その様子を見守るというものです。

 これらサポート隊の活動により,「緑井地区は地域住民と不審者の違いが雰囲気で見分けられる町となった」と吉野さんは話されていました。

 

キャッチフレーズ

 緑井学区防犯組合下校サポート隊副班長で,地域安全推進指導員の吉野宣生さんから以下のことについて,お伺いしました。 

活動を始めるまでとその後の苦労

  •   活動開始の平成16年当初は,全国的にも子どもの見守り活動が今ほど活発でなく,隊員の同意を得るためいろいろと話し合った。
  •   地域住民の認知が得られるまで,地道に活動を継続した。

苦労の解決方法 

  •  各班のリーダー自ら率先して取り組むことによって,活動が定着した
  •  活動開始後,全国的に子どもが被害者となる悲惨な事件が頻発し,各地で子どもの見守り活動が始まった。そのことにより地域住民にも見守り活動への認識が高まり,住民から隊員に感謝や慰労の声がかかるようになった。活動はそれなりに苦労があるが,こうした住民の理解が隊員の士気を高め,様々な苦労の一番の解決方法となっている。

取組の工夫・配慮事項

  •  活動を長く続けるには,隊員一人ひとりの負担を軽くすることが第一であり,発足時29名の隊員を少しずつ増やして現在は63名で活動している。

活動を通じてよかったこと・活動の効果

  •  子どもたちと日常のあいさつが気軽に交わせるようになり,地域住民の防犯に対する認識が深まった。このことにより街全体が明るくなった。

今後の取組上の課題

  •  「子ども見守り」に対する地域住民の協力もあり,特に課題はない。敢えて挙げれば「隊員の後継者の育成」「女性隊員の参加要請」「活動資金の調達」である。

今後の展望等

  •  地域を挙げての「子どもの安心安全は地域で守る」のスローガンは定着した感があるが,更にこれを充実したものにする為の広報活動に工夫をこらし,力を入れたい。

 

吉野宣生さん写真 吉野宣生さんのコメント

隊の立ち上げから尽力された吉野宣生さんは,付近外出の際はいつも緑色のジャンバーと腕章を着装しています。また「緑井駅前サロン」の統括運営管理長でもあります

 

緑井小学校前での活動の様子写真 主要交差点での活動の様子写真

 緑井小学校前における活動状況

主要交差点における活動状況

 

活動拠点・緑井駅前サロン写真 広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体登録票写真

 活動拠点の緑井駅前サロン

緑井駅前サロンに掲示されている「広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体登録票」

 

毎年緑井小学校6年生が書いたお礼の手紙写真 平成20年度学校安全ボランティア活動奨励賞の賞状写真

毎年緑井小学校の6年生が卒業する際,サポート隊へお礼の手紙を書いて渡しています

受賞した「平成20年度学校安全ボランティア活動奨励賞」の賞状

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