廿日市市原地区子ども安全見守り隊は,廿日市市立原小学校区を活動範囲として,児童の登下校の見守りを行っているボランティア団体です。
原地区は,広島県南西部となる廿日市市中心部から若干北側の極楽寺山の麓の地域で,原小学校からは瀬戸内海が見渡せるなど自然環境にめぐまれていますが,近年高齢化及び人口減少化が進む地域です。
この地区において,児童数50名余りの廿日市市立原小学校児童の安全のため,同隊は小学校と連携し,毎日継続して見守り活動を行っています。
活動の開始は平成20年4月からとなります。その前年の平成19年,廿日市市5か年計画の目的でもある「『安全・安心』町づくり」に関して廿日市市の21町内連合会の代表者が集まる機会があり,その席において廿日市市や警察から,小学校児童の登下校時における安全対策について地域で何らかの取組みができないかとの話がありました。当時原地区の町内会連合会長であった平山宣昭さんはこの話を受け,翌平成20年3月,原地区の10地区が集まる町内会連合会の総会において,児童の登下校時の見守り活動について提案をしたことが活動の契機です。
総会で賛同を得た平山さんは活動を開始するにあたり,まずメンバーの募集を行うことにしました。そこでボランティア募集の文書を作成し,児童が居住している町内会を回って募集を行うなどしましたが,当初集まったのは3名という状態でした。しかし平岡さん達は「活動を行っていれば,必ず賛同してくれる人がいるはず」と,まずは3名で児童の登下校の見守りを開始しました。最初は地域住民も「いったい何をしているのか」と不審がることもあったようですが,1週間もしないうちに,「良さそうな活動なので,参加をさせてください」と言われる方が出てきて,その年の夏ころには30名を超えるメンバーが集まり,そのころから現在と同様の活動を継続しています。
構成員は現在原地区の住民30名,年代は60歳代から70歳代が主で,80歳を超える方も活動されています。
※ 廿日市市原地区子ども安全見守り隊は「広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体」の登録団体です。
廿日市市原地区子ども安全見守り隊は,児童の登下校時における毎日の見守りを主活動としています。この見守り活動は,原小学校区を6地区に分け,毎日登校時と下校時に各地区1名ずつ計6名が見守りを行うように,各地区の班長がメンバーの輪番を決めています。登校時においては,各地区の主要交差点等で,登校する児童の見守りや声かけ,交通誘導を行います。下校時については,各地区の分担範囲で下校する児童の付き添いを行っています。下校は基本的に低学年と高学年に別れて行うことから,付き添い下校は分担範囲を2往復することになります。見守り中は統一のチョッキや帽子を着装しており,昨年の冬には自己負担でジャンバーも揃えました。
原小学校区は,地区によっては急な勾配を行き来することになりますが,メンバーの方々は一年中,天候などに関係なく元気に活動しています。代表者の平山さんは「活動を続けることによって運動になりますし,目標ができて元気になったと言われる方も多いです」と話されます。
このように原小学校の児童は,見守り隊など地域の方々に暖かく,きめ細やかに見守られており,見守り隊の活動開始後に児童が被害に遭う犯罪や交通事故は発生していません。
平山さんは,「私が子どものころは,下校時お腹がすいていると,地域の方がおむすびをくれたり干し柿をくれたりしました。他人に助けられながら,地域に大きくしてもらったという思いがあります。その地域に恩返しをする気持ちで,現在の活動を続けています。」と熱く語られました。
代表者の平山宣昭さん |
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平成20年8月「ごくろうさん会」で一堂に会した見守り隊員,学校関係者,駐在所員 |