交通安全や防災をテーマに混ぜてしまうと,子どもの視点は犯罪被害から交通事故や災害被害に向いてしまいます。
犯罪は犯罪者の意志に基づき行われるもの。過失や災害などで発生する交通事故や災害とは異なるものです。
犯罪にテーマを絞ったマップづくりが,子どもの犯罪被害防止能力を育てることにつながります。
地域安全マップは,子どもが自ら作製することが大切です。子どもにフィールドワークを経験させることで,危険な場所を避けたり,注意力を向上させることができます。大人が作製し配布するだけでは,子どもの犯罪被害防止能力は育ちません。
地域安全マップは,「犯罪が起こりやすい場所」を記載するものです。
「不審者が出た場所」や「犯罪が発生した場所」など過去の事実をマップに記載したのでは,本当にその場所が危ない場所なのか,あるいは将来犯罪が置きやすい場所なのかを見極めることができません。
「犯罪が起こりやすい場所」とは,「領域性が低い(入りやすい)場所」と「監視性が低い(見えにくい)場所」の2つのポイントが揃った場所です。
※過去の事実で危険な場所を判断するのではなく,将来犯罪が起こる可能性があるかという視点で判断することが重要です。
「犯罪が起こりやすい場所」だけでなく,領域性や監視性が高い場所,あるいは子ども110番の家など,地域で子どもを守ってくれる安全な場所も調査して記載しましょう。
「安全な場所」を見つけることで,地域に自分たちを守ってくれる大人がいることにも気付き,地域への愛着心も育ちます。
「犯罪が起こりやすい場所」や「安全な場所」は,その理由を考えてコメントを記載しましょう。フィールドワークで体験した「犯罪が起こりやすい場所」や「安全な場所」について,その理由をコメントすることで,これらの場所を見極める力が育ちます。
地域の人の防犯への関心の高さを知るため,積極的にインタビューを行い,その内容をわかりやすく記載しましょう。
・地域安全マップは「犯罪が起こりやすい場所」などが,一目見て分かりやすいように作製しましょう。
・イラストなどを用いて,子どもが興味を引くように作製しましょう。
・地域安全マップのレイアウト,色彩,イラスト,写真の貼り方,コメントの表現などに工夫を凝らしましょう。
人,家,車などが特定されないように配慮して,プライバシーを侵害しないようにしましょう。(家の表札や車のナンバーが写真に写っている場合は,マジックで塗りつぶすなどの配慮が必要です。)
把握した「犯罪が起こりやすい場所」は,地域安全マップに作製するだけではなく,今後の具体的な取り組みにつなげていきましょう。
<取組み例>
・「犯罪が起こりやすい場所」で重点的な防犯パトロール
・草木が茂り,監視性が悪くなっている公園などの改善
・落書き,ゴミ,自転車などが放置してある無関心な場所の清掃 等
「地域安全マップ作製のポイント」をまとめた資料がダウンロードできます。(PDF形式)
*右クリックで「対象をファイルに保存」を選択して下さい。
参考資料:地域安全マップ作製指導マニュアル
東京都緊急治安対策本部(安全・安心まちづくり担当)発行
立正大学文学部社会学科(犯罪社会学)教授:小宮信夫 監修
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