【解説】
鏡浦集落の北東端にある岬の突端から南に続く東海岸に見られる地質現象である。
黒色の泥質岩(でいしつがん)類を主体とする堆積岩類中に,優白質の花崗岩質岩脈が,南北方向にほぼ水平に貫入している。
岩脈の主脈部分は,北端では約2mの幅であるが,多少の膨縮を繰り返しながら,南に約120mにわたって連続している。主脈から分岐した支脈は幅数cmの細脈となっている。露頭の北端から約60m南では,淡緑色のランプロファイヤー岩脈が堆積岩類と花崗岩質岩脈を約1m幅で垂直に切って貫入している。
以上のような岩類から構成されるこの露頭は,広島県南部の地質現象を代表する典型的なものである。干潮時には,海岸に沿って連続する露頭を詳細に観察することができる。
(注1)「花崗岩」とは,石英・長石を主成分とする岩石で,ごま塩状に黒雲母が散在し,全体としては白みがかったものが一般的。通称は御影石と言い,建築材や墓石などの石材として多用される。
(注2)「岩脈」とは,マグマが他の岩石の割れ目に貫入して凝固し,脈状につながっているもの。この露頭の花崗岩質岩脈は,約9000万年~8000万年前の中生代白亜期後期に形成された。
(注3)「泥質岩」とは,岩石や鉱物のかけらが泥・粘土などの粒となり,堆積して固まって岩になったもの。この露頭の泥質岩類からなる堆積岩類は,中生代ジュラ紀(約2億300万年前~約1億3500万年前)に形成された。
(注4)「ランプロファイヤー」は,輝石・角閃石・黒雲母などの有色鉱物の割合が多い,濃色斑状の半深成岩。
名称 | 鏡浦の花崗岩質岩脈 | |
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よみがな | かがみうらのかこうがんしつがんみゃく | |
指定 | 県指定 | |
種別 | 天然記念物 | |
種類 | ||
所在地 | 尾道市因島鏡浦町 | |
員数 | ||
指定年月日 | 平成17年4月18日 | |
構造形式 | ||
法量 | 指定面積1,797平方メートル | |
公開状況 | 干潮時には,海岸に沿って連続する露頭を詳細に観察できる | |
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