日時 令和4年11月8日(火曜日)10時30分~15時30分
場所 庄原市役所5階第1委員会室,国営備北丘陵公園
内容 県外事例の紹介・県内の活動事例の発表と現地視察 24名が参加
県外事例講師:内倉真裕美さん(恵庭花のまち推進会議 会長)
県内取組紹介:佐藤浩子さん (しょうばら花会議・庄原花のまち応援隊)
「しょうばら花会議」を立ち上げ、「庄原花のまち応援隊」でも役員をされている佐藤浩子さんから取組について発表していただきました。
しょうばら花会議:「花が好き 緑が好き そして何より庄原が好き」を合言葉に活動をされています。元々は,青少年の健全な育成のために始まったこの会は,設立から12年が経過し,広島県内では観光名所となっている春と秋の「庄原さとやまオープンガーデン」を主催し,庭花部会(子ども達への寄せ植え教室など)・庭主部会(庭を公開する仕組みづくり等)・旅花部会(先進事例を勉強)などの部会を作って組織的に活動されていました。花を通じて地域コミュニティの輪を広げられており,参加する人が愉快で楽しいことをモットーとしており,今後もますます活躍されそうです。
庄原花のまち応援隊:庄原市中心部の賑わいを取り戻すために,花と緑で盛り上げようと、市内の7団体と有志が組織を結成。小学校・中学校・高校・特別支援学校・大学へ生徒の参加を依頼して,花を寄せ植えしたプランターを作成してもらい,そのプランターを公共施設や個人宅、商店等へ依頼して軒先に置いて管理してもらっていました。年に2回の植替えで,「花でにぎわうまち」を目指して取り組んでいるそうです。今後は,より一層,花でにぎわうまちを体感できる企画に取り組むそうです。
庄原市からは,区画整理事業で整備した備後庄原駅にある駅前公園の植栽について庄原市環境建設部都市整備課久保課長から発表がありました。
「大正ロマン漂う」スタイルでリニューアルされた備後庄原駅を地域で生産される草花を活用して「庄原らしさ」と鮮やかな彩りのレイアウトで駅前公園を植栽し,感動に繋がるストーリーを目指しているそうです。
庄原でも越冬できるビオラやコプロスマを採用したり,植栽では珍しいシクラメンやローダンセマム(庄原で生まれのシクラメンだそうです)を採用するなど,様々な工夫をされているそうです。行政が植えた植栽についても,水やりなどについて地元の協力も得ながら管理されているそうです。
国土交通省中国地方整備局三次河川国道事務所公園課 守川課長から,国営備北丘陵公園について説明がありました。
国営備北丘陵公園は,全国に17箇所ある国営公園のうちの一つで,中国地方では唯一の国営公園です。
中国地方のほぼ中央に位置し,面積約340haで,平成24年4月に全面開園されたそうです。
公園の基本テーマは「ふるさと・遊び」。地域の歴史や伝統文化とのふれあいやレクリエーション活動を通じて,人間性の回復と向上の場となる公園を目指して,「緑豊かな自然へのいざない」「中国地方の歴史や文化とのふれあい」「多様なレクリエーションへの親しみ」「周辺環境とのつながり」を基本理念とされていました。
広島県内からの利用者が7割を占めており,家族連れの利用者が多いようです。
また,平成30年からは社会実験として,賑わいと交流の場を創出し,来園者と地域との交流拡大を図るため,北入口エリア(愛称「里山の駅 庄原ふらり」)を無料化して情報発信・物産販売・地域交流活動を実施されており,これは,地域住民の利用促進や活性化,広域的観光客の誘客,公園全体及び周辺施設との相互連携などの効果を期待しているそうです。
市民活動によるまちづくりが盛んで,「ガーデニングのまち」として全国的にも有名な北海道恵庭市の内倉真裕美さん(恵庭花の街づくり推進協議会 会長 )から恵庭市での取組について講演がありました。
北海道恵庭市は,千歳空港と札幌の間に位置し,人口約7万人 面積約300km2の都市で,広島県廿日市市と同等の人口密度で,面積が廿日市の2/3程度の都市です。今年度,ガーデンツーリズム制度に新設された「探訪部門」に初めて認定された都市です。
内倉さんは,この恵庭市の花のまちづくりの仕掛け人の一人で,8つの花の組織を立ち上げ,花のまちづくりを展開されており,まちづくりに関する数々の賞を受賞され,NPOガーデンアイランド北海道の理事長でもあり,ガーデンツーリズム登録団体の恵庭ガーデンツーリズム協議会の代表事務局も担っておられます。
恵庭市はもともと花苗の生産が盛んで,花いっぱい文化協会の運動で学校での花増活動が盛んな地域だったそうです。約30年前にクライストチャーチ(ニュージーランドにある,ガーデンシティとして有名な都市)の取組に感銘を受けた内倉さんは,その年に花づくり愛好会を設立されたそうです。
その後,全国紙「ミセス」に花の街として紹介されるなどして,ガーデニングの街と呼ばれるようになったそうです。また,恵庭市へも働きかけて,市の総合計画へ「花のまちづくりプラン」を位置付けるなどにも尽力され,個人のオープンガーデンから始まった花のまちづくりは,コミュニティーガーデンへ発展。資金調達のために応募した「恵み野商店街ガーデンギャラリープラン」が緑の環境デザイン賞を受賞し,商店街の花壇修景に成功!現在は,各店舗が店舗前の花壇を管理しつつ,商店街では季節ごとのイベント開催するなど,100年後も今の笑顔が変わらないためにこれからも「代わって」「替わって」「変わり続ける」をモットーに賑わいを継続しているそうです。
また,今年開催された第39回全国都市緑化北海道フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」の開催準備から開催終了まで,市民が恵庭市と一緒にフェアを開催した様子が伺えました。
ガーデンツーリズム探訪部門での認定にあたっては,緑化フェアの会場となった都市公園「花の拠点はなふる」や商店街の「ガーデンギャラリー」,個人庭オープンガーデンや民間の観光農園などをウォーキング・自転車・タクシーでめぐるツアー「花と暮らす恵庭の花めぐり」を造成されるなど尽力されたそうです。
内倉さんのパワーあふれる講演では,花でつながる街づくりを楽しく,力強く展開されている様子が伺えました。
佐藤さんのお庭を見学させていただきました。
花の選定にあたって工夫されている点を教えていただきました。
備北イルミを実施するにあたっての構想や工夫している点など,教えていただきました。
神楽殿では「わら龍」,最後は古代たたら鉄の説明で締めくくりました。