1 帰宅困難者とは
大規模な地震などの発生によって公共交通機関が運行を停止した場合に、自宅までの距離が遠く、徒歩による帰宅が困難になった人を「帰宅困難者」といいます。
2 「むやみに移動を開始しない」という基本原則
大規模な地震などの災害が発生した直後に、多くの人が一斉に帰宅しようとすると、路上や駅周辺では大混雑が発生し、集団転倒などに巻き込まれる可能性があるとともに、沿道建物からの落下物等により負傷する恐れがあるなど、大変危険な状態になります。
また、大量の徒歩帰宅者が一斉帰宅を開始した場合、歩行者が道路上にあふれ、緊急車両の通行の妨げになる可能性があり、救助活動や消火活動などに支障をきたすことが心配されます。
まずは、むやみに移動を開始しないで、安全な場所にとどまることが大切です。
3 企業の皆様へのお願い
災害発生時に従業員等が事業所や施設内に待機することを想定した取り決めを定めるなど、平常時から、従業員等の行動ルールを定めておくことが大切です。
また、一定期間従業員等が滞在できるよう、食料や飲料水、非常用トイレ、仮眠のための場所や毛布などを備えることや、さらには、顧客や施設利用者などの来訪者に対しても自社従業員等と同様に、一時滞在できるよう検討しておくことも大切です。
4 帰宅困難者等への支援
(1) 災害時帰宅支援ステーションの活用
広島県では大地震等の災害発生時における徒歩帰宅者を支援するため、コンビニエンスストアやファストフード店などのフランチャイズチェーン各社や広島県石油商業組合などと徒歩帰宅者支援の協定を締結し、この協定の対象となる店舗を「災害時帰宅支援ステーション」と呼んでいます。
「災害時帰宅支援ステーション」では、災害の発生に伴う公共交通機関の運行停止によって、徒歩で自宅等に帰る「徒歩帰宅者」に対し、店舗の状況に応じて、「水道水」・「トイレ」・「道路情報」などのサービスが提供されます。
「災害時帰宅支援ステーション」にはステッカーが各店舗に掲載されていますので、日ごろからの確認をお願いします。
(2) 一時滞在施設の指定
民間事業者の御協力により、帰宅困難者の一時的な滞在が可能な施設を、各市町が「一時滞在施設」として指定しています。
施設リストや支援内容については、各市町のホームページでご確認ください。
(各市町のリンク先)