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令和元年広島県議会9月定例会(令和元年9月18日)

印刷用ページを表示する掲載日2019年9月18日

知事説明要旨

9月定例県議会の開会に当たり、ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして、本県を取り巻く情勢及び本年度主要施策の取組状況について、御報告いたします。

 

1, 本県を取り巻く情勢と認識

まず、経済・雇用の情勢について御報告いたします。

県内の景気は、生産・輸出につきましては、堅調に推移しており、個人消費や宿泊につきましては、持ち直しの動きを見せていることから、全体として緩やかに拡大しております。

一方、米中の貿易摩擦や日韓関係の状況などの外部環境が、県経済に与える影響を注意深く見守っていきたいと考えております。

次に、海外との交流の取組について御報告いたします。

本年7月下旬に、県議会団や広島グアナファト親善協会の皆様とともに、メキシコを訪問いたしました。

県人会主催の交流会に参加し、交流を深めるとともに、友好提携5周年を迎えるグアナファト州では、ジェトロ等が主催のビジネスセミナーで、私自ら広島の魅力や投資環境をアピールしたほか、昨年就任されたロドリゲス州知事との会談やスポーツ分野の交流に関する覚書の締結などを行いました。

さらに、県議会団の皆様と日本からの移住120周年を迎えるペルーを訪問し、県人会主催の記念行事や平和記念式典などに参加し、交流を深めてまいりました。

引き続き、友好提携先であるメキシコ・グアナファト州との幅広い交流を推進していくとともに、各国の発展に多大な貢献をされておられる県人会とのつながりを大切にし、青少年交流などを中心として、在外ネットワークの維持・強化を図ってまいります。

 

2, 令和元年度主要施策の概要

続きまして、本年度の主要施策の取組状況を御説明いたします。

 

【創造的復興による新たな広島県づくり】

まず、「創造的復興による新たな広島県づくり」に向けた取組でございます。

(安心を共に支え合う暮らしの創生)

はじめに、「安心を共に支え合う暮らしの創生」についてでございます。

被災者の皆様の生活再建への支援につきましては、地域支え合いセンターにおいて、支援対象である5,229世帯全ての戸別訪問を行い、面談による状況調査が終了した4,979世帯で個別支援計画を作成いたしました。

これに基づき、見守り活動や相談支援を実施しておりますほか、仮設住宅での住民サロンの開催や防災マップの作成を通じた話し合いの場づくりなど、地域コミュニティづくりへの支援にも取り組んでおります。

さらに、本年7月から8月にかけて、被災者の皆様の健康調査を実施したところ、雨が降ると怖い、不安で夜も眠れないなど、現在も多くの方が心に課題を抱えていることが判明したところであり、現在、詳細を分析中でございます。

引き続き心のケアに取り組むとともに、この結果を踏まえ、支援が必要な方につきましては、お一人おひとりに寄り添った効果的な支援ができるよう、地域支え合いセンターや市町精神保健部門などの関係部署と連携した支援施策を検討してまいります。

 

(未来に挑戦する産業基盤の創生)

次に、「未来に挑戦する産業基盤の創生」についてでございます。

被災企業の速やかな再生といたしましては、被害状況を踏まえ、グループ補助金や持続化補助金等の各種支援制度を設け、制度の活用を希望する約2,900の企業や団体が手続きを進めております。

これまでに約1,800者に対して支援を行っており、この制度を活用された中小企業等におきましては、事業の継続や雇用の維持に成果が現れております。

残りの約1,100者に対しましても、引き続き、漏れなく制度を活用していただけるよう手続きの完了を支援し、被災企業の復旧・復興を推進してまいります。

農地・農業用施設の復旧につきましては、予定している4,924箇所のうち、先月末時点で1,097箇所の工事に着手しており、このうち221箇所の工事が完了しているところでございます。

引き続き、農業生産基盤の早期の復旧に向け、市町による工事が計画的に進むよう、進捗状況の共有、課題解決に向けた技術的な助言や調整、研修会の開催などの支援を行ってまいります。

また、意欲ある担い手へ農地を集積し、規模拡大や収益性の高い園芸作物の導入などの取組も推進することにより、経営基盤の強化を図ってまいります。

 

(将来に向けた強靭なインフラの創生)

次に、「将来に向けた強靭なインフラの創生」についてでございます。

公共土木施設につきましては、早期の復旧・復興を目指して各種事業に取り組んでおります。

まず、災害復旧事業では、先月末時点で全2,550箇所のうち、1,475箇所の工事を発注しており、このうち255箇所の工事が完了しているところでございます。

また、未発注の箇所につきましても、計画的に執行し、本年度中に全体の約7割にあたる箇所の工事を発注する予定としており、本年度末には、全体の約5割にあたる箇所の工事の完了を目指して取り組んでまいります。

改良復旧事業では、沼田川や三篠川におきまして、流下能力を向上させるための工事等を進めるとともに、主要地方道呉環状線におきまして、今月、護岸工事を発注するなど、取組を進めております。

さらに、昨年の7月豪雨以降、河川等における堆積土の除去を集中的に実施してまいりましたが、その後の降雨等により堆積した土砂を緊急的に除去することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

砂防ダムや治山ダム等の緊急整備では、先月末時点で本県が整備する170箇所のうち、66箇所の工事に着手するなど、今年度中の完成を目標に事業を進めてまいりましたが、工事の遅れが生じていることから、完成時期の見直しを行うことといたしました。

この遅れの主な理由といたしましては、測量調査設計段階における人手不足や入札の不調・不落などがあり、これまでも、県外業者の活用や発注方法の工夫など様々な対策を実施してまいりましたが、結果として、事業に遅れが生じており、県民の皆様に対しまして、大変申し訳なく思っております。

今後の見通しといたしましては、170箇所の全てを来年度中に完成させることとし、そのうち、約6割の箇所については、来年の出水期までに、完成することとしております。

工事の完成が来年の出水期以降となる箇所につきましても、工期短縮につながるような工法を活用するなど、できるだけ整備の進捗を図れるよう様々な工夫を実施することで、少しでも安全度が上がるよう取り組んでまいります。

災害復旧工事等の不調・不落対策につきましては、これまで実施している、近接する複数の工事の一括発注や、技術者の兼務制限の緩和などに加えて、作業効率の低下が見込まれる工事において工事費を割り増す復興係数・復興歩掛を今月4日から導入したところでございます。

さらに、昨年度から実施している、建設技術者等の雇用助成事業について、適用期間の延長と助成対象の拡充を実施することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

また、工事の進捗状況につきましては、住民の皆様の不安解消につながるよう情報発信を進めており、県のホームページに工事箇所ごとの発注予定等の情報を毎月掲載するとともに、ツイッターなどで工事の完了箇所や道路規制の状況を発信しております。

そのほか、インターネットを利用されていない方も含めて住民の皆様に地域の復旧状況等の情報が行き届くよう、地域の実情に応じて、リーフレットの配布や公共施設での掲示などを行っております。

今後も広報番組や広報紙などを活用しながら、被災された方々や地域住民の皆様にとって、今後の見通しが立つように、市町と連携しながら、きめ細かい情報提供を行ってまいります。

ため池の廃止事業につきましては、年100か所程度、令和3年度末までに計300か所の廃止を目標に進めてまいりましたが、権利者の同意取得に時間を要しておりますことから、今年度末で39か所の工事完了見込みにとどまっており、極めて厳しい状況でございます。

このため、市町の担当者向けの質疑応答集の充実など、権利者の同意取得手続きの事務の効率化を図りながら、その簡素化を国に要望することも検討するとともに、今後想定される入札の不調・不落に対しても、災害復旧工事等と同様の包括的な対策を講じてまいります。

あわせて、ため池の水位を低下させる措置や、住民の皆様の迅速な避難行動につなげていくためのため池マップの公開など、昨年度策定しました「ため池の整備・廃止・管理等に関する方針」に基づき、ため池の総合的な安全対策を推進してまいります。

引き続き、被災された住民の皆様の一日も早い日常の回復が図られるよう、公共土木施設等の早期復旧に全力で取り組むとともに、再度災害防止の観点から、県土の強靭化に計画的に取り組んでまいります。

 

(新たな防災対策を支える人の創生)

次に「新たな防災対策を支える人の創生」についてでございます。

自主防災組織の機能強化につきましては、昨年の豪雨災害において人的被害のあった11市町の11組織をモデルとして選定し、市町と連携して避難の呼びかけ体制の構築を支援しており、モデル組織では他の組織と比較して避難勧告発令時に避難される方が2倍となるなどの効果が出てきております。

今後、できるだけ早期にモデル事業の成果を他の市町や自主防災組織へ波及させるため、モデル数を22市町22組織に拡充するとともに、体制構築のノウハウや実例を取りまとめたマニュアルを作成・配布し、防災リーダーや自主防災組織の役員等を対象とした研修会を実施することとしております。

また、県防災情報メールにつきまして、県内在住の外国人が活用できるよう10か国語でのメール配信に拡充するほか、5段階の警戒レベルに対応した防災気象情報の配信等のシステム再構築を実施することとし、これらに必要な経費を9月補正予算に計上しております。

 

【欲張りなライフスタイルの実現】

次に、「欲張りなライフスタイルの実現」に向けた取組でございます。

はじめに、「すべての子供が夢を育むことのできる社会づくり」についてでございます。

本県では、これまで、平成27年に策定した「ひろしまファミリー夢プラン」に基づき、子供・子育て支援施策を総合的に推進してまいりましたが、このプランの計画期間が今年度で終了するため、新たなプランの策定作業を進めております。

この間、社会情勢の変化に伴って、家族形態の多様化の進展、それらを背景とした待機児童の発生、児童虐待の通告・相談件数の増加など、子供たちが生まれ育つ環境によって、様々なリスクが顕在化しております。

次期プランにおいては、このようなリスクに的確に対応していけるよう、県議会の皆様の御意見も伺いながら、来年3月の策定を目指して検討を進めてまいります。

朝ごはん推進モデル事業につきましては、現在、廿日市市と府中町の小学校で実施しており、「遅刻が減った」、「より授業に集中するようになった」など参加している子供たちによい変化が見え始めているほか、朝食を提供しておられるボランティアの皆様を通じて、地域と子供たちのつながりも強まってきております。

こうした状況も踏まえ、現在、県内で3か所目となるモデル事業の実施に向けた準備を進めているところでございます。

今後は、あらゆる面からの成果検証を行い、子供たちの能力と可能性を高める上で基礎となる生活習慣を身に付けるための最適な方法を検討してまいります。

ひろしま版ネウボラの構築につきましては、6市町でモデル事業に取り組んでおり、子育てに関する不安や課題の早期発見・早期支援に成果が表れてきております。

また、熊野町と府中市では、本年7月以降、民間事業者と連携した子供の見守り支援や地域包括ケアと子育て支援の連携など、新たな取組が始められたところであります。

一方で、医療機関等との連携体制の構築や、専門職員の確保などの課題もあることから、今後の全県展開に向けて、これらの課題や成果を検証しながら、ひろしま版ネウボラのあるべき機能や体制など基本型を整理してまいります。

学びのセーフティネット構築事業につきましては、不登校を未然に防止するため、モデル校29校において、子供たちに学級に対する満足度や学校生活への意欲などを把握するアンケートを実施し、その分析結果を踏まえ、一人ひとりの状況に応じた個別面談などの支援を行っております。

また、高等学校への入学時には、制服や学用品などの多額の負担が必要となることから、経済的に困難な状況にある生徒の修学を支援するため、来年度入学生から、新たに県立高校の入学料を免除する制度を創設するとともに、高等学校等への入学準備金の貸付制度を設けることとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

次に、「社会で活躍する人材の育成」についてでございます。

県立広島大学の改革につきましては、令和3年4月の新大学の開学を目指し、新大学設置準備センターを中心として、教員候補者の選考や海外提携校の開拓、連携企業・団体の確保など、準備を進めているところであり、来月の文部科学省への設置認可申請に向けて、着実に取り組んでまいります。

次に、「第4次産業革命を好機とした生産性革命」についてでございます。

AI、IoT等のデジタル技術を活用した実証実験「ひろしまサンドボックス」につきましては、これまでの取組により、「ひろしまサンドボックス推進協議会」に県内外から700者を超える方々に参加いただいております。

地元金融機関と連携した首都圏スタートアップ企業とのマッチング及び協業の支援や、大手通信事業者のリソースを活用した実証実験の実施及び事業化の支援など、パートナー企業と共に創造しながら、会員の新たなチャレンジへのサポートを進めており、引き続き、県内外の多様な企業や人材の集積を図ってまいります。

また、県内企業のイノベーション創出の取組を支援するため、先月下旬に、AI、IoTの先進地域である米国カリフォルニア州シリコンバレーで開催された米日カウンシル知事会議に参加し、県内企業の皆様と現地企業等を訪問いたしました。

シリコンバレーでは、本県の優れたビジネス環境や県内企業の高い技術力と創造性をアピールし、米国でのビジネス展開への支援要請や、県内企業と現地企業とのビジネスマッチングを実施したところでございます。

今後は、具体的な成果に向けて、ジェトロ等の関係機関と連携したフォローアップやサポートなどの支援を進めてまいります。

さらに、第4次産業革命が進展する中、本年7月には、デジタル技術の活用によって、人々の生活のより良い方向への変化を目指すデジタルトランスフォーメーションを、一体的かつ総合的に推進するため、山田副知事を本部長とする推進本部を設置いたしました。

推進本部では、県民の暮らしや産業、地域社会など、様々な場面におけるデジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、市町との連携も図りながら、実効性のある施策を検討してまいります。

次に、「世界と直結するビジネス支援」についてでございます。

広島空港の国際定期路線につきましては、タイのLCCであるノックエアにより、新たにバンコク線が12月18日から週3便で就航予定であり、これにより、広島空港における国際線ネットワークは7路線・週31便となります。

バンコクには、県内企業が多く進出し、訪日需要も高まっていることから、新たな交流促進につながり、中四国地方の拠点性を高めるものと期待しており、新規路線の定着を図るための立ち上がり支援として、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

次に、「担い手が生活設計を描ける農林水産業の確立」についてでございます。

企業による農業参入の推進につきましては、昨年度から、県内企業に対して、先進技術や実績のある農業企業等と連携した参入を支援しており、大崎上島町でのレモン栽培の開始や具体的な計画の策定など新たな参入の動きにつながっております。

今年度も農業参入に関心のある県内企業向けのセミナーを開催することとしており、今月11日に2回目のセミナーを開催いたしました。

また、農業者の経営力向上を支援するため、県立広島大学と連携し、経営学の基本と先進事例から実践的な経営スキルを学ぶことができる「アグリ・フードマネジメント講座」を来月8日に開講いたします。

こうした取組を進めることにより、経営力の高い担い手が生産の大部分を占める力強い生産構造への転換を図ってまいります。

次に「中山間地域の地域力強化」についてでございます。

地域づくりをリードする人材のプラットフォームとして設置しております「ひろしま里山・チーム500」には、現在300名を超える方々が登録され、鹿肉を利用したペットフードの商品化や、遊休施設を再生したカフェの開業など、地域の課題解決につながる活動を積極的に実践しておられます。

こうした活動の継続と発展を後押しするため、第5期目を迎える「ひろしま『ひと・夢』未来塾」において、新たに起業を支援するための専門コースを設け、先月3日に開講いたしました。

また、地域の課題解決に意欲や関心を持つ層の拡大を目的とした里山ココロザシ・カフェにつきましては、今年度はこれまでに、世羅町と東広島市で、私自身が直接地域づくりに関心の高い方々と意見交換を行ったところであり、来月以降も県内4か所で開催いたします。

今後とも、中山間地域の課題解決に向けて、意欲や関心を持つ層がさらに拡大し、地域づくり活動の実践者の裾野が拡大するよう積極的に取り組んでまいります。

次に、「都市圏の活力強化」についてでございます。

広島地域におけるMICE誘致の拡大に向けた検討では、海外事例を中心とした大規模展示会やイベント等の開催需要をはじめ、大規模展示場の基礎的なデータや運営手法の諸課題などに係る調査を行っております。

今後、調査結果を早急に取りまとめ、これを基に、実現可能性について、関係者と議論・検討してまいります。

サッカースタジアムにつきましては、7月19日に「サッカースタジアム建設推進会議」が設置され、基本計画の策定に向けて、現在、作業部会において本格的な検討を行っているところでございます。

今後は、幅広く一般の方からも意見を集める機会を設けるなど、年間を通じて賑わいが生まれ、県民の皆様に楽しんでいただける施設となるよう、引き続き、事業主体である広島市と連携して取り組んでまいります。

次に「スポーツを核とした地域づくり」についてでございます。

東京オリンピック・パラリンピックの開催まで1年を切り、全国的に大会への期待が高まる中、来年5月、三次市を出発地として県内で実施される聖火リレーのランナーを県実行委員会において募集したところ、本県にゆかりのある1,600人以上の方々からの応募をいただき、あらためて、県民の皆様の関心の高まりを実感いたしました。

引き続き、「広島らしい聖火リレー」の実現に向けて、市町や大会組織委員会等とも連携しながら、ランナーや詳細ルートの選定などに取り組んでまいります。

また、東京オリンピックに向け、広島市・福山市・廿日市市など5市において、9競技のメキシコ選手団の事前合宿を受け入れ、県民の皆様との交流を盛んに行 なっております。

こうした中、本年7月にメキシコ・グアナファト州とスポーツ分野の交流に関する覚書を締結しており、事前合宿により始まったスポーツ分野での交流を、オリンピック終了後も継続して進めてまいります。

次に、「国際平和拠点ひろしまの形成」についてでございます。

ローマ法王が被爆地広島を訪問されることが先日発表されました。

これまで様々な機会を通じて法王の広島訪問を要請してきたところであり、こうした「ひろしま」の思いが通じたものと考えております。

法王には、世界中の人々に、核兵器のない平和な世界の実現に向けた希望を与える力強いメッセージを発信していただきたいと考えております。

本年7月末から9日間の日程で、国際的NGO「ICAN」と連携して、核兵器国5か国を含む11か国の次代を担う若者15名を対象に、「核兵器と安全保障を学ぶ広島-ICANアカデミー」を開講し、世界に具体的に貢献できる人材の養成に取り組んだところでございます。

また、東アジアの核軍縮・軍備管理に焦点を当てた多国間協議であるひろしまラウンドテーブルを開催し、東アジアの非核化と核依存からの脱却について議論していただき、緊急アピールと議長声明を取りまとめ、今月3日には、私から外務省に、直接要望いたしました。

併せて、核抑止に替わる新たな安全保障アプローチづくりに向け、世界のトップレベルの研究機関との共同研究の充実を目指した「核軍縮研究国際ネットワーク会議」を開催いたしました。

こうした事業を着実に実施し、被爆地である広島が、国際平和拠点として核兵器のない平和な国際社会の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。

 

3, 当面する県政の諸課題への対応

次に、当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

まず、広島高速5号線についてでございます。

昨年10月から行っておりますシールドトンネル工事の増額協議につきましては、現在も広島高速道路公社と施工業者において協議を進めているところでございます。

引き続き、広島市、公社と連携し、適切かつ丁寧な対応を図りながら、着実な事業推進に取り組んでまいります。

次に、県有地信託事業の債務承継についてでございます。

県有地信託事業につきましては、エストパルク及び広島クリスタルプラザの2箇所で事業を行ってまいりましたが、令和3年5月末及び令和4年4月末にそれぞれ信託期間満了となります。

両信託事業においては、いずれも多額の借入金債務が残っていることから、県がこれを承継して弁済する必要がございます。

このため信託財産を売却することにより、県民の皆様の負担の縮減を図り、当該事業を清算するために必要な債務負担の経費を9月補正予算に計上しております。

 

4, 令和元年度補正予算案等の概要

次に、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。

まず、一般会計補正予算案につきましては、6月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ、必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として、編成しております。

具体的な補正の内容でございますが、創造的復興による新たな広島県づくりや、「欲張りなライフスタイル」の実現に向けた取組などに、時機を逃さず対応するための経費について、予算を計上しております。

これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は、145億8,187万円の増額となり、本年度予算の累計額は、1兆699億7,686万円となります。

次に、予算以外の議案といたしましては、「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係条例の整備に関する条例」などの条例案11件、人事案件といたしましては、「広島県教育委員会委員の任命の同意について」など3件、その他の議案では、「工事請負契約の締結について」など4件を提出しております。

また、報告事項として、専決処分報告などを提出しております。

どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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