新年が明け,「チャレンジしよう」「何か変えてみたい」など,新しい気持ちで目標を挙げる方が多いことでしょう。
平成30年度に広島県で担当した研修では,タイムマネジメントを「時間という資源を戦略的に活かし,人生を創る能力」としています。目の前のことに一所懸命に取り組んでいくことも大切ですが,人生100年時代といわれる今,70歳までは,働くことを含め社会とかかわることは想定の範囲です。女性が働くことに関しては子育てと仕事の両立が話題になりやすいのですが,加えて誰にでもある加齢,女性特有の体調変化,介護,病気治療など色々なライフイベントもあります。
息切れせずに長く続けられるよう,要は「時間の使い方の選択」「手抜きやわりきり」も戦略です。日常の行動にあたる「点」と,人生という「線」につながりをもたせ,まずは今年を豊かにするように自分の時間の使い方を考えてみましょう。
≪行動傾向を知り,工夫する≫
仕事や日常で,つい時間が経っている状況を振り返りましょう。集中でき,捗ることはどのようなことですか。リラックスのためなら良いのですが,反対にむやみに時間を使っていることはありませんか?ネットやTVを見続ける,SNSを頻繁に確認,時間や量などの目標を決めずに取り組む,などです。
また,気乗りしない事に取り組む時は,着手するまでに無意識に迂回行動をとることがあります。例えば,「よし,宿題するぞ!」と思っても,机を片付け始め,きれいにした机で他の資料を読むといったことです。私はパソコンに向かって仕事をすることが多いため,息抜きの時つい,ネットで情報を見てしまうのを自覚しています。はたと気づいた時は時刻をすぐに確認し,区切りの時間を決めます。
≪ワーク,ライフ,両立≫
【ワーク】業務の仕方は自分が一番知っているからこそ,自分が管理することです。最近では短時間勤務の方が,正規の時間より早く帰っても業務量を維持する事例も見られ,職場や本人の工夫次第で時間当たりの業務を効率化する余地はありそうです。ここでは「自分の業務時間を5%圧縮する」と考えてみましょう。8時間勤務の場合,〔60分×8時間/日×0.05=〕24分/日です。週5日勤務では2時間/週に相当します。この時間を業務や新しいことの学習,メンバーとの業務連携,重要事項への着手に利用できそうです。
また,圧縮した部分も「この仕事は私がするべき業務か?」「レベルアップするには?」という視点で見て,他者と分担するとか,上司と話し合うことがあるかもしれません。
【ライフ,両立】「私が取り組みたいこと」は,優先して時間確保することです。取りたい休暇は計画的に取得し,数時間の確保でも〇日の夜,と具体的に決めます。有給休暇は貯金のごとく「有事のためにできるだけ使わない」と思いがちですが,年に数回,自分のために時間を使うことは価値ある使い方です。また,こだわりはどうしても手放せないことだけにしましょう。家事を主に担う人は,パートナーの食器の片づけも,洗濯物の干し方も,ごみの捨て方も,あれもそれも気に入らない,と思うかもしれません。でも,「協働」生活ですから,見方を変えていいところがあるはずです。「まあ,いいか」と思えそうな事から試してみませんか。自分がしなくて済む分ありがたいな,と思えれば成功です。子供には手作りで食事をさせたいと料理に時間をかけ,睡眠時間が減って子供に当たり散らしてしまっては元も子もなくなりますので,便利なものは取り入れ,毎日こだわらなくていいのです。家事代行もとても助かります。それでもこだわりたいなら,「自分がする」と「選択」していることを覚悟するのです。
≪「キッチリ」ではなく「目安」≫
決めたからといって,時間通り進めることにこだわることは,時間に縛られることになります。「30分と決めたのに終わらなかった」と思わず,過ぎてもOK。30分でできたことを認め,できる量を知り,自分のデータを蓄積して今後の行動管理に役立てていきましょう。
タイムマネジメントは「時間という資源を戦略的に活用し,人生を創る能力」です。充実し,周りの人達にも豊かさをおすそ分けできる一年となりますことをお祈りしています。
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