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応援リレーメッセージ07|就業継続 ~アンコンシャスバイアスへの対応方法~
プロフィール
【パク・スックチャ氏(アパショナータ,Inc. 代表&コンサルタント)】
日本生まれ,韓国籍。米国と日本で米国系企業に勤務後、日本に戻り米国系運輸企業に入社。
同社にて日本・香港・シンガポール・中国など,太平洋地区での人事,スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手がける。
2000年に退社し、日本で最初にワークライフバランスを推進するコンサルタントとして独立。
同時に米国とアジアに精通したグローバルな経験を活かし、ダイバーシティの専門家として活躍。
近年では「無意識の偏見/アンコンシャスバイアス」を日本で広めるべく、執筆、講演等の普及活動及び、組織での意識改革に力を注ぐ。
就業継続 ~アンコンシャスバイアスへの対応方法~
2018年11月に「学ぶ×つながる→活躍」ネットワークカフェで近年注目度が高まってきた「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」の基本についてお話しました。無意識の偏見の例としては「女性は細かいことが得意」「若者は根性がない」「男性は大黒柱」「外国人は明るい」等です。
前回お伝えしたように,人間はみんな偏見を持っているので,咎められることでないのですが,知らず知らずに刷り込まれた偏見により,正しい意思決定が妨げられてしまうことが多々あります。
また,思いこみにより,新しい発想が浮かばなかったり,相手に対してのネガティブな気持ちが日常的なささいな言動となって表れ,相手を傷つけたり,人間関係に支障を及ぼすこともわかっているため,意識的に対応していくことが求められるのです。無意識の偏見を完全に削除することはできませんが,その影響を抑えることは可能です。
個人としてできること:
まずは,自分自身に偏見があることを認めることが第一ステップ。偏見があるかないかではなく,「自分は何に対して持っているのか」を探ります。そして,自身の中にある「無意識」を「意識」すること。つまり,無意識には意識で対応していきます。無意識に対して意識することで,偏見に対しての適切な対応につなげることができるのです。
次にできることとして,人を判断する時は,立ち止まってゆっくり考えること。直感で思ったことに対して,本当にそうなのかを自問します。例えば,初めて会った人の印象について意識して,なぜそのような印象を持ったのかを考えることも良いでしょう。第一印象をそのまま信じるのではなく,その判断基準は事実に基づいた根拠があるのかを確認するようにします。
また,私たちは意識しないと,自分と似たような人たちだけと付き合うようになる傾向があります。そうならないように,積極的に多様な人やグループと接する機会を持ち,違う視点,価値観や文化に触れるように心がけること。普段の活動や興味範囲以外の事などの見識を深めることで偏見を減らすことができます。
そして,自分とは違うタイプの人たちを個人として知り,交流を深めましょう。
「声掛けをする」「ランチに誘う」など,簡単なことで結構ですから,まずは明日から一つの行動を取ってみてはいかがですか。