新生児マススクリーニング(先天性代謝異常などの検査)について
目次
- 新生児マススクリーニング検査とは
検査の対象となる疾患
検査の流れ
再検査・精密検査について - 広島県では、新しいマススクリーニング検査が始まりました!
背景
検査が可能な医療機関
検査の流れ - 大切な赤ちゃんに今できることを~新生児マススクリーニング検査
広島大学小児科作成youtube
新生児マススクリーニング検査とは
生まれてきた赤ちゃんには、ある種の酵素が不足する先天性代謝異常や、ホルモン分泌の異常など、健やかな発育に影響する可能性のある生まれつきの病気が隠れていることがあります。
これらの病気に適切な対応をとらないと、心身の成長・発達に遅れが生じたり、病気によっては時に生命の危険を伴う場合もありますが、早期に発見して適切な治療を開始すれば、障害などの発生を未然に防ぐことができます。
子どもさんの健康のため、ぜひ検査をお受けください。
検査の対象となる疾患
アミノ酸代謝異常
フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症
有機酸代謝異常
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型
脂肪代謝異常
中鎖アシルCoa脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、三頭酵素(TFP)FP/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT-1)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-2(CPT-2)欠損症
糖質代謝異常
ガラクトース血症
内分泌疾患
先天性副腎過形成症、先天性甲状腺機能低下症
検査の流れ
母子健康手帳と同時に交付される母子健康手帳別冊のうち、「先天性代謝異常等検査依頼書」を、出産した医療機関に提出してください。
里帰り出産などで、広島県外の医療機関で出産した場合は、その医療機関の所在地の都道府県にお問合せください。
検査方法
出産した医療機関で、生後5~7日の赤ちゃんの足の裏から少量の血液を採取し、採取した血液を専門の検査機関に送り、検査します。
検査費用
無料です。
ただし医療機関で行う採血に係る費用は自己負担です。
(医療機関により異なりますが、3,000~4,000円程度必要です。)
検査結果
検査の結果、精密検査が必要と判断された場合は、検査を実施した医療機関から保護者へ連絡をしますので、速やかに精密検査を受けてください。
精密検査機関
広島大学病院小児科(広島市南区霞一丁目2-3)
※ 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の疑いの場合、ほかにも精密検査が実施できる病院があります。検査を実施した医療機関にお問い合せください。
先天性代謝異常等検査のお知らせ (PDFファイル)(518KB)
再検査、精密検査について
先天性代謝異常検査の再検査、精密検査について保護者の皆様に知っていただきたいことをまとめたリーフレットを作成しました。
再検査や精密検査が必要となった赤ちゃんすべてが病気にかかっているというわけではなく、精密検査の結果、異常なしと判断される場合や、病気はあるけれど直ちに治療を開始する必要はないと判断される場合もあります。
再検査や精密検査について知ることで、不安な気持ちが少しでも軽くなれば幸いです。
先天性代謝異常等の再検査、精密検査について~保護者の皆さんに知っていただきたいこと~ (PDFファイル)(946KB)
(英訳版はこちら)
Re-test after the Test for Inborn Error of Metabolism (PDFファイル)(719KB)
新しい新生児マススクリーニング検査を実施しています
- 重症複合免疫不全症(SCID)
- B細胞欠損症
- 脊髄性筋萎縮症(SMA)
の3疾患について、早期発見・早期治療につなげるため、県及び広島市の新生児マススクリーニング検査の仕組みを活用し、令和4年7月から、広島大学大学院医系科学研究科小児科及び共同研究機関による試験研究として、新たに検査を開始しています。 - また、広島県では、こども家庭庁の「新生児マススクリーニング検査に関する実証事業」に参画しており、実証事業に同意いただける場合は、3疾患の検査料を公費助成しています。
3疾患の概要は、追加検査のご案内 (PDFファイル)(1.07MB)をご覧ください。
背景
重症複合免疫不全症(SCID)及びB細胞欠損症、脊髄性筋萎縮症については、近年、治療薬の開発が進み、早期発見・早期治療によって病気の発症や重篤化を防ぐことが期待されています。
特に、重症複合免疫不全症(SCID)は、全ての病原体に対する免疫を持たず、令和2年10月に定期接種となったロタなどの生ワクチン接種による感染リスクが高いため、新生児期のスクリーニング検査の必要性が高まっており、全国でも、複数の県で検査が開始されています。
検査が可能な医療機関(令和6年6月14日現在)
実際の検査実施体制は医療機関に直接お問合せください。
研究機関
広島大学大学院医系科学研究科 小児科
共同研究施設(50音順)
占部産婦人科
江川レディースクリニック
香月産婦人科
川崎産婦人科
河田産婦人科医院
呉医療センター・中国がんセンター
KEI助産院
小池病院
興生総合病院
佐々木産婦人科
JA尾道総合病院
JA広島総合病院
庄原赤十字病院
白河産婦人科
市立三次中央病院
末光産婦人科
たから助産院
中国中央病院
中国労災病院
津田産婦人科クリニック
土谷総合病院
つぼみ助産院
中川産科婦人科医院
東広島医療センター
広島県立広島病院
広島市立広島市民病院
広島市立安佐市民病院
広島赤十字・原爆病院
広島中央通り 香月産婦人科
福山医療センター
福山市民病院
藤東クリニック
フジハラレディースクリニック
正岡病院
舛本産婦人科医院
松岡病院
ゆい助産院
よしはらクリニック
頼島産婦人科病院
れいこ助産院
検査のながれ ~追加の採血は不要です
検査対象
保護者の同意が得られた新生児
※出産した医療機関が、広島大学病院及び広島大学大学院の試験研究の共同研究施設以外の場合は、出産した医療機関もしくは広島県子供未来応援課までお問合わせください。
対象疾患
重症複合免疫不全症等の3疾患
(疾患の概要は、追加検査のご案内 (PDFファイル)(1.05MB)を参照してください)
検査費用
広島県が実施する実証事業に同意いただける場合は、無料です。
ただし、従来の新生児マススクリーニング検査に伴う採血に係る費用は自己負担です。詳細は各医療機関へお問合せください。
検査の流れ
現行の検査ろ紙を二次利用して、検査機関(広島市医師会臨床検査センター)で検査をします。検査の結果、陽性が判明した場合は、広島大学病院で確定診断および治療が行われます。
拡大マススクリーニング検査について、説明動画が公開されています
広島大学小児科が、新生児マススクリーニング検査に係る説明動画を作成し、Youtubeで公開しています。
検査を受けるための参考にしてください。
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