保健研究部:無承認・無許可医薬品
無承認無許可医薬品に対す取組
「無承認無許可医薬品」の分析に使用しているAgilent Technologies社製6540LC-QTOF/MS
口から摂取される物は,医薬品と食品のどちらかに分けられます。
近年の健康意識の高まりや食生活の多様化により,疾病の予防などの効果をうたった「健康食品」が出現し,医薬品との区別があいまいになっているものも見られます。
また,効果を高めるためか,違法に医薬品成分が添加された「健康食品」がインターネット等で流通し,死亡例,肝障害等の重篤な症状を含む健康被害の原因となったこともあります。
このような「健康食品」が医薬品に該当するかどうかを判断し,必要に応じて指導取締りを行うため,「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の通知が昭和46年6月に国から出されています。
ここでの「医薬品」とは,この通知により医薬品成分とされた成分を含むもの,又は次の3つのうちいずれかに該当しているもののことをいいます。
1 医薬品のような効能効果(ガンが治る等)をうたっているもの
2 アンプル形状など,医薬品にしか見られない形状であるもの
3 医薬品のような用法用量(1日2~3回,1回2~3粒等)が表示されているもの
この通知に基づいて,医薬品に該当すると判断されると「無承認無許可医薬品」として指導取締りの対象となります。
広島県においても,「無承認無許可医薬品」の流通の阻止や健康被害の未然防止を目的に,県薬務課や保健所薬事監視員がインターネットやドラッグストア等で「健康食品」を買い上げ,当センターは検査を担当し,「無承認無許可医薬品」の発見に努めています。また,健康被害の発生時には,その原因究明のための検査も行っています。
過去に実施した検査で,ダイエット効果をうたった「健康食品」から,利尿剤,下剤,向精神薬が,強壮作用をうたった「健康食品」から,ED治療薬,経口血糖降下薬,補精・強壮薬が検出されています。