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広島県の台風の状況

印刷用ページを表示する掲載日2024年10月4日

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panelon Climate Change)第6次評価報告書(2021)によると、地球温暖化が進むと、強い熱帯低気圧の割合は増加が予測されるが(確信度が高い)、世界全体の熱帯低気圧の総数は減少するか変化しないままであると予測される(確信度が中程度)とされており、防災対策を行ううえで大きな関心事となっている。

発生・接近・上陸数

 「気候変動監視レポート2023、気象庁」によると、台風の発生数、接近数(小笠原、南西諸島を含む日本)、上陸数は年々の変動が大きく、1990 年代後半以降はそれ以前に比べて発生数が少ない年が多くなっているものの、1951~2023 年の統計期間では長期変化傾向は見られない。接近数は発生数とほぼ同様の変動を示しており、長期変化傾向は見られなかった。上陸数は、年あたりのサンプル数が数個と少ないため、長期的な変動傾向を述べるのは難しい(図1参照)。

台風の発生数等
注1)    細い実線は年々の値を示す。
注2)    太い実線は5 年移動平均を示す。
注3)    破線は平年値を示す。
(出典:気候変動監視レポート2023、気象庁)
図1 台風の発生数、日本への接近数・上陸数の経年変化
 

台風の強さ

 IPCC第6時評価書第1作業部会報告書において、全世界の熱帯低気圧に占める強い熱帯低気圧(カテゴリー3~5)の発生割合は過去40年間で増加した可能性が高く、北太平洋西部の熱帯低気圧は強度がピークに達する緯度が北に遷移している可能性が非常に高いと報告されている。

* カテゴリ 1 は 33〜42m/秒、カテゴリ 2 は 43〜49m/秒、カテゴリ 3 は 50〜57m/秒、カテゴリ 4 は 58〜69m/秒、カテゴリ 5 は 70m/秒 以上

 

広島県への台風の影響

 1951年から2023年の中国地方(山口県を除く)に接近した台風の推移をみると、全期間平均として3回程度である(図2参照)。近年の広島県内の人的被害(死者・行方不明者)が発生した台風は、令和4年の台風14号であった(表1参照)。

台風接近数の経年変化
注1)  台風の中心が鳥取県、島根県、岡山県、広島県いずれかの気象官署等から300 km以内に入った場合。
注2)  太い実線は5 年移動平均を示す。
(出典:気象庁HP気象統計資料より作成)
図2 中国地方(山口県を除く)への台風接近数の経年変化
 

表1 広島県における死者・行方不明者が発生した過去の台風

広島県台風被害
※令和4年以降は、広島県内の気象官署(広島、呉、福山)及びアメダス観測所、それ以前は気象官署で観測された最大風速
(出典:広島県内における温暖化影響調査、広島地方気象台及び広島県危機管理課資料より作成)

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