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夏秋イチゴの難防除害虫ハダニの密度を天敵ミヤコカブリダニで抑制

印刷用ページを表示する掲載日2019年3月26日

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背景

広島県北部の夏秋イチゴ産地では,高温乾燥条件下でハダニ類が多発しやすく,葉や実を加害し問題となっています(写真1)。生産者は高温条件下で殺ダニ剤散布を繰り返し行っていますが,イチゴは茎葉が繁茂し,農薬の散布ムラが発生しやすく,農薬の散布だけではハダニ類の密度を抑制することが難しくなっています。このため,生産者の身体的な負担を減らす,効果的な防除法の開発が望まれています。そこで,天敵のミヤコカブリダニによるハダニ類密度抑制方法を検討しました。

内容

  ハダニ類の発生初期にイチゴの株元にミヤコカブリダニ剤(商品名:ミヤコバンカー(R))を10a当たり100パック均等に設置します(写真2)。
庄原市の生産者圃場へ2018年5月15日,8月31日の2回,ミヤコバンカー(R)を設置しました(天敵放飼区)。ハダニ類密度(葉当たり個体数)は7月上旬まで増加しましたが,殺ダニ剤2回散布と組み合わせることにより,7月中旬以降,ハダニ類は減少し,慣行防除区(殺ダニ剤8回)よりもハダニ類密度は低く推移しました(図1)。
殺ダニ剤の散布回数は,慣行防除区が8回であったのに対し,天敵放飼区は2回となり,ミヤコカブリダニの放飼によって,殺ダニ剤の散布回数が1/4に抑えられました(図1)。

写真図(イチゴかぶりダニ剤)

留意点

ミヤコバンカー(R)の設置時期が遅れると,ハダニ類の増殖率は高いため,ミヤコカブリダニの捕食が追い付かなくなり,ハダニ密度が高くなりすぎて効果が劣ることがあります。そのため,ハダニの発生初期に設置します。また,設置前にハダニ類が発生している場合は殺ダニ剤での防除後に設置します。

担当

広島県立総合技術研究所農業技術センター 生産環境研究部

お問合せ先

広島県立総合技術研究所農業技術センター 技術支援部
Tel: 082-429-0522 メールでのお問合せはこちら

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