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ブドウの光反射マルチ栽培導入の際の注意点【研究成果情報3】

印刷用ページを表示する掲載日2017年6月13日

背景

ブドウの着色および果実品質向上のためには,着房数を通常より少なくするなどの対応策が必要で,収量を減らさざるをえない状況となっています。
そこで,生産者の収益性の改善を図るために,地表面に光反射シートを敷いて棚下を明るくし,品質および収量を改善する光反射マルチ栽培の技術を開発してきました。
ここでは,この技術の現場適用性を高めるために取り組んだ現地実証試験から得られた成果をもとに,現地実態に合わせた技術導入の際の注意点を明らかにしました。

内容

光反射マルチは通路部を中心に敷設し,降雨が入るようにするため,うね部(樹冠面積の10%)を開放するか,雨水が浸透する防草シートを敷設します(図1)。

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◆ピオーネ
光反射マルチ栽培では,生育が3~5日程度前進化します。
そのため,ジベレリンの処理時期を開花期の前進化に合わせて,慣行よりも3~5日程度早くする必要があります。
果粒肥大が進む傾向があるので,収量設定には注意し,慣行の1.3倍,2t/10aを限度とします。

◆シャインマスカット
摘心や摘粒の遅れが果実肥大に影響し易い品種です。
そのため,生育が前進化しやすい光反射マルチ栽培では,摘心や摘粒が遅れて果粒の肥大不良につながらないように,慣行よりも早期に実施する必要があります。

平年より発芽が早くなる気象条件の場合には,発芽の早い光反射マルチ栽培の樹では晩霜の被害を受けたり,新梢が突風にあおられて欠け,結果枝が不足した事例があります(図2)。
そのため,光反射マルチ栽培では,新梢の誘引が遅れないようにするとともに,芽かきを遅らせ,誘引を丁寧に実施する必要があります。

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留意点

うね部に光反射マルチを設置しない場合でも,うね部へのかん水設備は必要です。
本技術の概要を示したスタートガイドは,果樹研究部で配布しています。

お問合せ

試験担当: 広島県立総合技術研究所農業施術センター 果樹研究部
お問合せ: TEL: 0846-45-5471 メールでのお問合せはこちら (技術支援部)

本研究は,平成28年度研究成果移転促進事業により実施しました。

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