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わたしらしい生き方を選択するためのワークショップ キックオフセミナーを開催しました

印刷用ページを表示する掲載日2022年6月29日

概要

男女間の賃金格差や指導的地位に占める女性の割合が伸び悩むなど,男女共同参画の現状は,まだまだ遅れていると言わざるを得ません。
こうした背景の一つにあると思われる,「男性だから」「女性だから」といった性別に関する無意識の思い込みに気付き,「性別に関する固定観念」を解消して,誰もが多様な暮らし方ができる社会の実現に向けて取組を進めています。
今年度は,課題解決に向けた企画・実践のスタートとして,メインスピーカー及びゲストスピーカーを招いたキックオフセミナーをエソール広島で開催しました。

盛りだくさんな内容で,参加者にとって,多くの気づきを得られた有意義な時間となりました。

実施内容

日時

令和4年6月4日(土曜日)13時30分~16時00分

会場

エソール広島(広島市中区大手町1-2-1 おりづるタワー10階)

テーマ

わたしらしい生き方を選択するためのワークショップキックオフセミナー
~女らしさ,男らしさ,アンインストールして考えてみませんか~

参加者

23人(大学生3人,社会人20人)

ファシリテーター

丸山 法子さん(一般社団法人リエゾン地域福祉研究所代表理事)

内容

要旨

メインスピーカーの講演では,自らの育休経験に基づく家事・育児参画の奮闘記や,データを交えた男性の育休取得の現状について話がありました。続いて,3名のゲストスピーカーからは,それぞれの立場で,「ジェンダーロールを押し付けられていると感じた言葉や出来事」などについて話がありました。それらを基に,参加者同士のグループワークで,性別に係る固定観念や解消に向けた意見等を出し合いました。

プログラム

講演「パパの家庭進出がひろしまを変えるのだ!」

保育や子育て関連の仕事をしながら育休を取得した
前田 晃平(まえだ こうへい)さん(認定NPO法人フローレンス代表室長)

<どんな話?>
・育休を取得し,家事・育児に参画してみて,子育ての厳しい現実を痛感したのだ!
・精神的・身体的にも消耗の激しい子育ては,ママだって大変なのだ!(パパは”手伝う”というスタンスでいると,ママの負担が大きく,産後うつになる場合もある。)
・日本のパパの家事・育児への参画時間は,世界的に見ても短いのだ!(その分,労働時間が極端に長いため,日本のパパが家事・育児に消極的とは一概に言えない。)
・適切な家事・育児のあり方は,夫婦ごとに違うのだ!(弛まぬ話合いが大切)

前田さん 講演の様子1

ゲストスピーカーによるトーク

1 「林業女子に聞くお仕事トーク」杉原 遥(すぎはら はるか)さん
 (甲奴郡森林組合フォレストワーカー)

<どんな話?>
「自分の気持ちに正直に人生を選択」
・林業の現場作業員として,チェーンソーを使った木の伐採や搬送,植林等を行っている。
・体を動かすことや自然が好きなこと,仕事の成果が目に見えることなどの,自分の好きや理想を組み合わせた結果,林業の現場で働くことを決めた。
・仕事中は女性だからと線引きされることはなく,何でもさせてもらっている。
・30歳を過ぎたら結婚という考えもあったが,年齢や性別でブレーキをかけず,自分の気持ちに正直に人生を選択する道もあると思う。

<これまでにジェンダーロールを押し付けられていると感じた言葉>
「女だから…,女なのに…」
女の子なのに,なんでスカート履かないの?なんで髪が短いの?と言われることに違和感を感じた。

<ジェンダーロールに関してうれしかったこと>
「見ていてくれる人がいる」
➢一生懸命働いていると,性別に関係なく,すごいものはすごいと褒めてくれる人がいる。

ゲストトーク(杉原さん) お題トーク(杉原さん)

2 「育休パパのお困りトーク」加藤 秀一(かとう しゅういち)さん
 (積水ハウス株式会社広島支店東店店長)

<どんな話?>
「率先して育休を取得」
・男性の育休取得率100%の住宅メーカーで勤務しており,令和元年に初めて育休を取得した。
・日々の業務や,お客様の家の納期等もあり,妻からは「本当に育休を取って大丈夫なの?」と心配されたが,店長という立場で,部下に育休取得を勧めていたこともあり,自分も率先して育休を取得した。
・育休取得にあたり,前もって会社やお客様には育休取得の予定を周知して,トラブルにならないよう気を付けた。
・長期の休みに喜んでいたが,前田さん同様,子供に付きっきりで本当に大変だった。

<これまでにジェンダーロールを押し付けられていると感じた言葉>
「ママじゃないと…」
➢保育園などでも,「ママじゃないとわかりませんよねー」のように,何気なく言われることがあるが,男性は育児のことは分からないという思い込みからくる言葉だと思う。

<ジェンダーロールに関してうれしかったこと>
「妻が嫌味なく父親でもできることをPR」
➢「お母さんじゃないとわからないでしょ?」と言われた際に,「夫に言っても分かるから大丈夫」と言って,父親でもできることをPRしてくれた。
「周りのお母さんのさりげないフォロー」
➢運動会で父親の参加者が自分一人だけだった際に,周囲のお母さん方は特別視することなく,さりげなく声をかけてくれたおかげで,一緒に行事を楽しむことができた。

ゲストトーク(加藤さん) お題トーク(加藤さん)

3 「メディアから見た『男女』の『らしさ』トーク」栾 暁雨(らん しょうう)さん
 (中国新聞社報道センター記者)

<どんな話?>
「性別に関するもやもやを記事に」
・記事を書く際は,性別に関する思い込みを含めた,もやもやを記事にすることを心掛けている。
・これまで感じたもやもやの例としては,女性だけに制服を着せて仕事をさせていたり,保育園からの連絡やPTA役員は女性が担うという固定観念があるということなどが挙げられる。
・日本全体がジェンダーに関して理解が広がった印象を持っていたが,取材等を通して,依然性別に係る固定観念が残っているということに気が付いた。

<これまでにジェンダーロールを押し付けられていると感じた言葉>
「慈悲的性差別」
➢「女性は,いずれ出産育児をするのだから,重要な仕事をさせないであげよう」などという配慮が行き過ぎることで,子供のいない社員や出産育児を終えた社員の負担が大きくなることがある。

<ジェンダーロールに関してうれしかったこと>
➢特別ジェンダーに関して,うれしかったということはないが,逆に女性だからと特別視せず男性職員と同じように扱ってもらえていることは,良いことだと思う。

ゲストトーク(ランさん) お題トーク(ランさん)

グループに分かれて意見交換

<主な発言内容>
1.杉原さんのグループ
・女性が働きやすい環境を男性も考える必要がある。
・力のいる作業の時,男性は手伝った方が良いのか,初めからできる仕事を割り振るのが良いのかが難しい部分だと思う。女性と男性を全てを同じように扱うことが正しいのかが気になる。
・仕事の効率を考えると,適材適所の配置が良いとは思う。苦手な部分は助け合いながらやるのが良い。
・「なんで女性なのに林業なの?」と言われていたこと自体が,固定観念の実情だと思う。

グループワーク(杉原さん)

2.加藤さんのグループ
・子供を見ながらの家事は非常に大変で,特に出産後,女性は身体的にもつらい時期のため,サポートがいないと産後うつにもつながると思う。
・業務内容によっては育休を取りにくいということはあるが,子育ては2~3年の話ではなく何年にもわたって続くため,男性もある程度,家庭にウエイトを置く必要もあると思う。

グループワーク(加藤さん)

3.ランさんのグループ
・昔は洗剤やおむつのCMは女性ばかりがモデルだったが,今は男性ばかり出演しているようで,逆に気を遣いすぎているように思える。
・料理男子という言葉があるが,料理は女性がするものという前提でできた言葉だと思う。イクメンも同様。

グループワーク(ランさん)

参加者の感想​

・講演,ゲストトークの中で自分も気づいていないけど,性別に関する思い込みに基づいた言動を「やってしまっている」と思うことがあり,反省した。
・人により考え方や視点は様々で,仕事や家庭において他人と共働するにあたり,自分の固定観念により過ぎないことが大切だとを改めて認識した。
・育休制度の確立だけでなく,自分自身や周りの人の意識を改める必要があることを知った。
・普段聞くことができない業界の話や,考え方を聞けたので良かった。
・意見交換はたくさんの気づきがあり,有意義な時間だった。

グループワーク全体

エソール広島ホームページへのリンク

http://www.essor.or.jp/blog/houkoku/0604houkoku

 

9月からは,個別のテーマごとに,少人数で意見交換や課題解決策の企画・実践に向けたゼミナール形式のワークショップを開催!

 

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