骨髄バンク事業について
“命を救えるのは、あなたかもしれない。”
骨髄バンクのドナー登録者数は、全国で約55万人(広島県では10,971人)、骨髄・末梢血幹細胞採取数は累計で28,290例です(移植に至らなかった例を含む)。しかし、移植には白血球の型(HLA型)が合わなければならないなどの条件があり、骨髄バンクを介する移植を希望しながら移植に至っていない患者さんは、全国で1,176人(広島県では14人)います。(令和6年1月末現在)
一人でも多くの患者さんを救うためには、一人でも多くの方にドナー登録に御協力いただく必要があります。
骨髄バンクとは
骨髄・末梢血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの病気によって、正常な造血が行われなくなってしまった患者さんへの有効な治療法ですが、そのために必要な提供者(以下、「ドナー」という。)を登録し、ドナーと患者さんを結びつける事業を骨髄バンク事業といいます。
日本では、骨髄バンク事業が1991年から開始され、これまでに多くの患者さんを救う実績をあげています。2008年には、多くの皆様の善意に支えられ、当初目標の全国30万人のドナー登録者を確保することができました。
しかし、ドナー登録者目標数は達成されたものの、移植を希望する全ての患者さんに移植医療が行われるまでには至っていません。
移植を成功させるためには、ドナーと患者のHLA型(ヒト白血球抗原の型)が適合する必要がありますが、これが一致する確率は、兄弟姉妹間で4分の1、非血縁者間ではわずか数百人から数万人に一人と言われています。
患者さんを救うためには、一人でも多くのドナー登録が必要です。
ドナー登録について
ドナー登録できる方
・骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方(詳しくは、日本骨髄バンクのホームページを参照)
・年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方
・体重が男性45kg以上、女性40kg以上の方
ドナー登録できないケース
・病気療養中または服薬中の方(特に気管支ぜんそく、肝臓病、腎臓病、糖尿病など、慢性疾患の方)
・悪性腫瘍(がん)、膠原病(慢性関節リウマチなど)、自己免疫疾患、先天性心疾患、心筋梗塞、狭心症、脳卒中の病歴がある方
・悪性高熱病の場合は、本人またはご家族に病歴がある方
・最高血圧が151以上または89以下の方、最低血圧が101以上の方
・輸血を受けたことがある方、貧血の方、血液の病気の方
・ウイルス性肝炎、エイズ、梅毒、マラリアなどの感染症の病気の方
・食事や薬で呼吸困難や高度の発疹などの既往がある方
・過度の肥満の方(体重kg÷身長m÷身長mが30以上の方)
登録方法
パンフレット「チャンス」(web版はこちら)や日本骨髄バンクのホームページをご覧になり、十分に理解されてから、「登録申込書」に必要事項を記入のうえ、登録受付窓口で、HLA型を調べるために、腕の静脈から約2mlの採血をします。
登録にかかる時間は15分程度で、費用はかかりません。
広島県のドナー登録受付窓口
施設名 |
所在地,連絡先 |
受付時間 |
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〒730-0031 ソシオスクエア紙屋町4階 082-248-1230 <フリーアクセス>0800-2009-150 |
平日 土日祝日 |
|
〒730-0035 明治安田生命広島本通ビル1・2F 082-248-6034 <フリーダイヤル>0120-634-150 |
平日 土日祝日 |
固定施設のほか、広島県では、ドナー登録会(献血併行型、集団登録会)を年105回開催しました。(令和4年度)
開催日、開催場所などについては、下記お問い合わせ先へご連絡ください。
お問い合わせ先
公益財団法人ひろしまドナーバンク
住所:〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 広仁会館内
Tel:082-256-3523(平日9時00分~17時00分)
提供までの流れ
1 ドナー登録者の白血球の型(HLA型)が患者さんと適合した場合、ドナー候補者の1人として選ばれたことが骨髄バンクから文書でお知らせされます。
2 文書を返信すると、コーディネーターと医師から詳しい説明と健康チェックがあります(確認検査)。
3 ご家族の同意を含めた最終的なご本人の意思が確認されます(最終同意)。
4 安全な採取に備えて詳しい健康診断が行われます(術前検診)。
5 骨髄提供の場合は、骨髄液の採取に伴う貧血を防止するために、事前にドナーご本人の血液(自己血)を採取し、骨髄採取時の輸血用に保存しておきます。
6 提供には入院が必要です。骨髄採取の前日か前々日に入院していただきます(原則、3泊4日の入院になります)。
7 骨髄採取は全身麻酔下で行われます。骨髄液は腸骨(腰の骨)から採取されます。手術室でうつぶせになった状態で、皮膚の上から専用の注射針を数カ所刺して吸引します。採取する量は通常400~1,200mlで、患者さんの体重に応じて採取量が決まります。採取にかかる所要時間は1~3時間です。
末梢血幹細胞採取は、採取前の3~4日間白血球を増やす薬を注射し、4日目または5日目に末梢血に流れ出した造血幹細胞を専用の機器を使って採取します。
広島県の骨髄採取施設
施設名 | 所在地 |
---|---|
広島赤十字・原爆病院 | 〒730-8619 広島市中区千田町1-9-6 |
広島大学病院 | 〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 |
独立行政法人国立病院機構呉医療センター | 〒737-0023 呉市青山町3-1 |
骨髄ドナー助成制度
骨髄移植では、提供が決まると、7日程度の通院や入院が必要となるため、医学的には移植が可能でも、仕事を休むことによる収入減といったドナー側の理由で提供を辞退し移植できないケースがあります。こうした辞退をなくし提供の促進を図るため平成30年4月から骨髄ドナー助成制度を導入しました。
骨髄ドナー助成制度の内容
県は骨髄ドナーの助成事業を行う市町への補助を行っています。
- 補助対象:市町
- 補助対象事業:市町が骨髄ドナーに対して、提供に要した通院又は入院の日数に応じて助成を行う。
- 補助対象経費:「1日につき2万円×日数」(ただし、14万円を上限とする)
※ドナーとなるための有給の休暇制度(いかなる名称であるにもかかわらず、ドナーとなるための有給の休暇制度)を取得して提供した場合は除く。(ただし、市町によってはこうした条件を設けていない場合があります。)
制度導入市町
県では、県内のどこに住んでいても支援を受けられるよう、市町に制度導入に向けた働きかけを行っています。
市町 |
担当課 |
連絡先 |
広島市 |
健康福祉局保健部 医療政策課 |
082-504-2178 |
呉市 |
福祉保健部 保健総務課 | 0823-25-3532 |
竹原市 |
市民福祉部 健康福祉課 |
0846-22-7157 |
三原市 |
保健福祉部 保健福祉課 | 0848-67-6053 |
尾道市 |
福祉保健部 健康推進課 | 0848-24-1961 |
福山市 |
保健福祉局 保健所総務課 | 084-928-1164 |
府中市 |
健康福祉部 健康推進課 | 0847-47-1310 |
三次市 |
福祉保健部 健康推進課 | 0824-62-6257 |
庄原市 |
生活福祉部 保健医療課 | 0824-73-1155 |
東広島市 |
健康福祉部 健康増進課 |
082-420-0936 |
廿日市市 |
福祉保健部 健康推進課 | 0829-20-1610 |
府中町 |
福祉保健部 健康推進課 | 082-286-3257 |
海田町 |
福祉保健部 保健センター | 082-823-4418 |
熊野町 |
健康福祉部 健康推進課 | 082-820-5637 |
世羅町 (世羅町の制度内容はこちら) |
健康保険課 | 0847-25-0134 |
※市町によって制度内容が異なっている場合がありますので詳しい内容は直接各市町担当課にお問い合わせください。
語りべ等派遣事業について
公益財団法人日本骨髄バンクでは、移植によって元気になられた元患者さんや提供経験のあるドナーさん等が「語りべ」となり、全国の学校や企業・団体に出向き、移植や提供に関わる体験談、ドナー登録や骨髄提供方法、骨髄バンクの現状について講演しています。
「語りべ」への謝礼や交通費、資料等については、日本骨髄バンクが負担、準備します。
講演会、勉強会をご希望させる方は、下記お問い合わせ先へご連絡ください。
お問い合わせ先
公益財団法人 日本骨髄バンク 広報渉外部
住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-19 廣瀬第2ビル7階
Tel:03-5280-8111(平日9時00分~17時30分)
Fax:03-5280-0101
Q&A
Q 骨髄・末梢血幹細胞採取のための入院期間はどれくらいですか。
A 入院期間は、骨髄採取では3泊4日が最も多く、末梢血幹細胞採取では1泊2日程度(G-CSFの注射を通院で行う場合)~6泊7日程度(G-CSFの注射を入院で行う場合)と、採取方法や施設によって異なります。
Q ドナー登録や骨髄・末梢血幹細胞の採取のための入院に費用はかかりますか。
A 骨髄・末梢血幹細胞の提供のための検査費用、入院費といった費用などは一切かかりません。 ただし、ドナー登録手続きの際の交通費は自己負担となります。
Q 提供の時、痛みはありますか。
A 骨髄採取は、麻酔から覚めた後、採取個所が痛むことがあります。程度には個人差があり、1~7日間痛みが残ったという例が多いです。
Q ドナーが患者さんと面会することはできますか。
A 骨髄バンクの公平な運営と、相互のプライバシー保護のため、面会は認めていません。ただし、個人が特定されない形であれば、日本骨髄バンクを通じての手紙の交換が可能です。