いのち支える広島プラン(第3次広島県自殺対策推進計画)について
広島県では,「広島県自殺対策推進計画~いきる・ささえる広島プラン~(第1次計画)」(平成22(2010)年度~平成27(2015)年度)の終了後,第2次計画として「いのち支える広島プラン(広島県自殺対策推進計画(第2次))」(平成28(2016)年度~令和2(2020)年度)を策定しました。計画期間中に目標値を達成したこと,平成30年7月豪雨災害が発生したことから,平成31(2019)年3月に「第2次計画」を見直し,計画期間を2年間延長しました。「第2次計画(見直し版)」では,令和2(2020)年に,自殺死亡率は14.6となり,第1次計画策定以降,最も少ない401人まで減少しました。
しかしながら,依然として,日本の自殺死亡率は先進国の中で高い水準にあります。また,令和3(2021)年は,新型コロナウイルス感染症の影響で自殺の要因となり得る様々な問題が悪化したことなどにより,県内の特に40歳から59歳までの中高年層の自殺で亡くなった人が増加し,4年ぶりに前年を大きく上回る深刻な状況となりました。
こうした状況を踏まえ,『誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現』を目指し,これまでの取組成果及び課題を把握し,重点的に展開すべき取組を設定し,課題に的確に対応するとともに,継続事業と併せて,自殺対策を総合的・計画的に進めていくため,「いのち支える広島プラン(第3次広島県自殺対策推進計画)」(以下「第3次計画」という。)を策定します。
※第3次計画の内容は,ページ下部の【ダウンロード】からご覧いただくことができます。
第3次計画の概要
1 現状と課題
広島県の自殺で亡くなった人を詳細に分析すると,次のような特徴が表れています。
- 若年層の自殺で亡くなった人の数は,近年,横ばいであり,死因順位では自殺が依然上位となっています。
- 中高年層の自殺で亡くなった人の数は,近年,減少傾向にありましたが,令和3(2021)年に増加に転じています。特に,経済・生活問題,家庭問題,勤務問題による自殺で亡くなった人の数が増加し,負債,生活苦,夫婦関係の不和や職場の人間関係の悩みなどによる自殺が多くなっています。
- 高齢者層の自殺で亡くなった人の数は,近年,やや増加傾向にあり,令和3(2021)年に健康問題による自殺で亡くなった人のうち,48.7%を高齢者層が占めており,うつ病や身体の病気で悩んでいます。
- 自殺で亡くなった人の約2割に未遂の経験があり,自殺未遂者は,再度の自殺を図る可能性が高いと考えられています。
- 全年齢層において,社会全体のつながりが希薄化している中で,新型コロナウイルス感染拡大により人との接触機会が減り,孤独・孤立の問題が一層深刻化しています。
2 目指す姿
第3次計画においても,生きる支援が日本一充実している県に向けて取り組み,「誰も自殺に追い込まれることのない社会(自殺者ゼロ)の実現」を目指します。
3 自殺対策の基本認識
- 自殺は,その多くが追い込まれた末の死である
- 自殺で亡くなる人の数は減少傾向にあるが,非常事態はいまだ続いている
- 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた対策の推進
- 地域レベルの実践的な取組をPDCAサイクルを通じて推進する
4 計画期間
令和5(2023)年4月から令和10(2028)年3月までの5年間
5 計画の基本的な考え方
生きる支援に関する取組を,基本施策・重点施策・生きる支援関連施策に区分
<基本施策>自殺企図に至るまでの段階を,3つのステージに区分し,ステージごとに目指す姿を設定
<重点施策>本県の喫緊の課題となる「対策を優先すべき対象群」への重点的な取組
<生きる支援関連施策の取組>
6 総括目標
令和9(2027)年までに,人口10万人当たりの自殺死亡率を13.2以下にする
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