神龍橋(しんりゅうばし)
諸元
路線 | 帝釈峡探勝遊歩道 |
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所在地 | 神石郡神石高原町~庄原市東城町(帝釈川ダム) |
完成 | 昭和60年(旧紅葉橋としては昭和5年) |
橋長 | 83.9m |
最大支間長 | 82.9m |
上部工形式 | 曲弦分格トラス橋 |
最大構高 | 12.1m |
有効幅員 | 3.6m |
歩道幅員 | 3.6m |
管理者 | 広島県 |
画期的な移設によって第二の使命を託された橋
広島県北東部の中国山地に位置する帝釈峡は,比婆道後帝釈国定公園の主要景勝地であり,世界三大天然橋のひとつに数えられる「雄橋」など,自然豊かな地形が特徴である。
紅葉橋は,戦前に架けられた道路用のトラス橋としては我が国最大を誇り,帝釈峡中の神龍湖に架かるランドマーク橋として,長年にわたり観光客に親しまれるとともに,交通の要所として帝釈峡の観光を支えてきた。
一方で,昭和5年に完成した古い橋は幅員も狭く,交通環境の変化に十分対応できなくなっていため,新たな橋に架け替えられることとなっていたが,折しも帝釈峡探勝歩道の整備が計画され,旧橋を移設し歩道橋として再利用する案が浮上したのであった。
これに先立ち,旧橋は徹底した健全度調査を行い,併せて移設工法の検討,移設時の橋体の応力照査などを行なった結果,若干の補修・補強によって移設は可能であると判断された。
工事は,移設先が同じ神龍湖の上流約600mの地点であり,構造上も分解・再組立が容易でないことなどから,ユニフロートと呼ばれる小型の鋼製箱型フロート72個を組み合わせた台船に,橋を一括積載して移設する,我が国でも大変珍しい工法により行われた。
移設を機に「神龍橋」と名を改めた紅葉橋は,平成14年に土木学会選奨土木遺産の受賞に続き,平成21年には国の登録有形文化財にも指定され,今もなお現役として第二の人生を送っているのである。
位置図
アクセス情報
お車
- 中国縦貫自動車道東城ICより,約8km,約15分