広島空港大橋(ひろしまくうこうおおはし)
諸元
路線 | 主要地方道本郷大和線(広島中央フライトロード) |
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所在地 | 三原市本郷町(沼田川渓谷) |
完成 | 平成23年4月20日(供用開始) |
橋長 | 800.0m |
最大支間長 | 380.0m(アーチ橋では国内最大) |
設計荷重 | B活荷重 |
上部工形式 | 上路式ブレースドリブ固定アーチ橋 |
アーチライズ | 95.0m |
有効幅員 | 8.75m(暫定2車線) |
車道幅員 | 7.0m |
塗装色 | ライトグレー |
管理者 | 広島県 |
愛称 | 広島スカイアーチ |
空への道をつなぐ日本一のスカイアーチ
広島中央フライトロードは,中四国地方の拠点空港である広島空港と,県北部地域や島根県東部地域とのアクセス性を向上させ,広島空港のグローバルゲートウェイ機能の強化や観光振興による周辺地域の活性化に貢献する路線として期待されている。
広島空港大橋は,広島中央フライトロードの中核をなす大規模橋梁であり,アーチ支間はこれまでの記録を一気に75mも上回る380mの日本一大きなアーチ橋である。
架橋位置は,広島空港の北側約2kmの沼田川渓谷であり,周辺には,毛利元就公とも縁のある「女王滝」や「瀑雪の滝」があることでも知られる。
谷の最深部から路面となる位置までの高さは,最大約190mであり,これは中四国地方一の高さを誇る広島市のアーバンビューグランドタワーでさえ,すっぽり入ってまだ余る高さである。
工事は,この急峻な谷を征することから始まり,進入路となる橋や作業足場の設置に続いて,斜面を保護し地形改変を抑えつつ資機材や作業員を効率よく昇降させる「インクライン」と呼ばれる装置を,左右の斜面それぞれに設置した。
下部工は,大小合計12基の橋台・橋脚を設置するものであったが,無数の巨大な岩が行く手を阻む悪条件の中での施工となった。
大量のコンクリート打設では,発熱とそれに伴うひびわれを防ぐため,夏場にはあらかじめ冷やした状態のコンクリートを打設したほか,より堅固な下部構造とするため,流動性の高いコンクリートを使用するなど品質確保に工夫を凝らした。
この結果,最も高い橋脚は大和町側で95.6m,空港側で89.5mとなり,これはそれぞれ国内の橋脚で第2位,第3位となる高さとなった。
アーチ部の架設は,国内最大規模のケーブルクレーンで行い,施工管理の合理化と異常の早期検知のため形状監視システムを構築し,斜吊索の張力や橋脚基部の応力度を常時監視した。
また,アーチ直下に県道やJRが通っているため,ボルト1本の落下でも重大事故につながる恐れがあることから,しゃくとり虫のように移動する自走式移動防護工を我が国で初めて採用し,アーチの下面へ設置して安全確保を図った。
広島空港大橋の完成により,県北部と空港間の所要時間は従来より20分も短縮され,空港へのアクセス性が向上したことはもちろん,日本一のアーチ橋そのものを活用した集客の動きも出始めている。
沿線の棲真寺では,圧倒的なスケールの橋が間近に見える展望台が整備されたほか,地元三原市では,日本一のアーチ橋に誇りと愛着を持って「広島スカイアーチ」の愛称でも親しまれている。
受賞履歴
- 平成23年度 土木学会 田中賞(作品部門)
- 平成23年度 全建賞(道路部門)
パンフレット
位置図
アクセス情報
お車
- 広島空港ターミナル前より,約5km,約11分
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