岩鼻架道橋(いわはなかどうきょう)
印刷用ページを表示する掲載日2015年3月11日
諸元
路線 | 山陽新幹線広島車両基地入出庫線 |
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所在地 | 広島市東区矢賀新町 |
完成 | 昭和48年12月 |
橋長 | 46.3m |
最大支間長 | 45.0m |
設計荷重 | N,P-19 |
上部工形式 | 単純PCワーレントラス橋 |
最大構高 | 8.25m |
有効幅員 | 5.78m |
管理者 | 西日本旅客鉄道株式会社 |
PC技術の可能性を拡げる新たなる挑戦
新幹線網の整備が急ピッチで進んだ時代,道路との立体交差や河川の整備に伴い,鉄道橋はスパンを長大化させることが必要となっていた。また,鉄道橋から発する騒音問題や構造物の保守省力化も課題となっており,鋼構造からコンクリート構造へ転換することが求められた時代背景であった。
当時架けられていた鉄道コンクリート橋では,長スパン化すると桁高が高くなり,死荷重が大きくなることで経済性・施工性にも問題があったため,解決策としてコンクリートの軽量化や高強度化,さらには高強度コンクリートを活用したプレキャスト部材による「PCトラス」の可能性についても様々な試験が行われていた。
この第一弾として架けられた岩鼻架道橋は,広島の市街地に架かる橋であることから騒音対策上コンクリート桁とする必要があること,桁下空間の関係から下路形式とする必要があったことなどから,我が国初の高強度コンクリートを活用したPCトラス鉄道橋の誕生となった。
この橋は,建設から数十年経過した現在の水準でも高品質のもので耐久性にも優れ,列車走行音についても澄んだ音質に感じられるなど,期待された効果を発現しており,コンクリート構造物の新たな領域を開拓するものとなった。
受賞履歴
- 昭和49年度 土木学会 田中賞(作品部門)
位置図
アクセス情報
バス
- JR広島駅新幹線口(若草町)より,広島バスにて小河原車庫行き「矢賀入口」バス停下車,徒歩約200m
お車
- 山陽自動車道広島東ICより,広島高速1号線経由,間所ランプより,約3km,約8分