多々羅大橋(たたらおおはし)
諸元
路線 | 一般国道317号(西瀬戸自動車道) |
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所在地 | 尾道市瀬戸田町~愛媛県今治市(大三島) |
完成 | 平成11年5月1日(供用開始) |
橋長 | 1480.0m |
最大支間長 | 890.0m |
設計荷重 | B活荷重 |
上部工形式 | 3径間連続鋼箱桁斜張橋 |
塔の高さ | 220.0m |
有効幅員 | 25.0m |
車道幅員 | 14.0m |
歩道幅員 | 5.0m |
桁下高さ(航路) | 26.0m |
管理者 | 本州四国連絡高速道路株式会社 |
我が国の斜張橋技術の集大成
多々羅大橋は,本州四国連絡橋尾道・今治ルート(西瀬戸自動車道)の橋梁群のうち,本州側から4番目の橋であり,広島県と愛媛県の県境を跨ぐ橋である。
中央径間890mは20世紀中に架けられた斜張橋としては世界最大であり,現在でも世界第5位の規模を誇る。
架橋地点は,幅約900mであったことから,これまでの施工実績を踏まえた多々羅大橋の形式として,当初は3径間補剛トラス吊橋で計画されていたが,生口橋の際と同様に,渡橋後の線形が屈曲するため,吊橋のケーブルを支えるアンカレイジ構築のために斜面を大規模掘削する必要があった。
このことは,瀬戸内海の多島美を大きく損なうこととなるため,近年急速に長大化の技術が向上した斜張橋による検討を行なった結果,技術的・経済的にも採用が可能となる見通しとなったため,最終的に斜張橋とすることとなった。
また,生口橋でも課題となったスパン割りのアンバランスについては,側橋梁の端部にPC桁を配置することで荷重バランスを取ることとし,橋梁形式は3径間連続複合箱桁斜張橋と決定した。
塔高は200mを超えるものとなるため,耐風安定性のほか景観性も考慮した様々な検討を行なった結果,独特の逆Y型を採用することとなったが,図らずもこの形がのちに「鳴き龍」と呼ばれる反響現象を起こすこととなり,多々羅大橋の名物のひとつとなっている。
平成11年に供用開始を迎えた斜張橋の多々羅大橋が,昭和54年に完成した吊橋の因島大橋の中央径間を220mも上回ることを考えたとき,この間20年の橋梁技術の進歩の過程を間近で感じることができる「しまなみ海道」は,世界に誇る橋の博物館と言っても過言ではないであろう。
受賞履歴
- 平成10年度田中賞(作品部門)
- 平成10年度全建賞(道路部門)
位置図
アクセス情報
お車
- 西瀬戸自動車道西瀬戸尾道ICより,約30km,約40分