広島県の大崎上島には、国の「カーボンリサイクル実証研究拠点」があり、CO2有効利用に関する研究開発が進められています。広島県では、国と連携しながらカーボンリサイクル等の研究開発を行う企業や研究機関・研究者の集積を促すことで、中長期的に地域内で多くの環境ビジネスを成功させ、グローバルな課題解決や地域経済の発展を目指します。
CO2を有価物(資源)として捉え、これを分離・回収しコンクリート、化学品、燃料などへ再利用することをいいます。従来どおり化石燃料を利用した場合と比較して大気中へのCO2排出を抑制し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
・カーボンリサイクルについて(経済産業省HP)
・未来ではCO2が役に立つ?!「カーボンリサイクル」でCO2を資源に(経済産業省HP)
・CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装(経済産業省HP)
(画像引用元)経済産業省 カーボンリサイクルロードマップ
経済産業省は2019年9月に、CO2の分離回収が行われている広島県大崎上島を企業や大学等による研究も行える実証研究の拠点として整備すると発表し、2022年9月に「カーボンリサイクル実証研究拠点」が開所しました。
本拠点では、カーボンリサイクルの要素技術開発や実証研究を、ひとつの場所で集中的・横断的に実施することにより、当該分野のイノベーション・実用化を加速させることを目指しています。また、要素技術開発や実証研究の内容や成果を紹介することで、日本の最先端技術を世界中に向けてアピールしています。
(画像引用元)NEDO カーボンリサイクル実証研究拠点HP
「カーボンリサイクル産学官国際会議」では、カーボンニュートラル実現のキーテクノロジーであるカーボンリサイクルについて、各国が将来的な社会実装に向けた技術開発・実証に取り組むことを確認するとともに、各国間の協力関係を強化すべく議論を実施しています。
第5回は広島県で初めて地方開催され、「広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会」を中心とした、本県のカーボンリサイクルの取組を紹介しました。また、次世代教育の観点から、広島県内の学生・生徒が、国内外で活躍するカーボンリサイクルに関する研究者と直接意見交換を行う「学生交流会」も開催いたしました。
・日時:令和5年9月27日(水曜日)14時00分~18時00分
・第5回カーボンリサイクル産学官国際会議開催報告(経済産業省HP)
・第5回カーボンリサイクル産学官国際会議開催報告(広島県・カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会HP)
「Workshop on Carbon Management」では、国際エネルギー機関(IEA)の関係団体が主催し、産学官の関係者がカーボンリサイクルに必要不可欠な技術、政策、資金調達に係る先進事例を紹介しました。3日間のプログラムでは、1・2日目にパネルディスカッションとポスター発表が行われ、その後3日目には大崎上島でのカーボンリサイクル実証研究拠点等の視察が行われました。
広島県からは、「広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会」の活動の後押しによる具体的なマッチング・共創事例や「広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援補助金」によって生み出されたカーボンリサイクル製品等など、これまでの本県の取組の具体的成果を中心に発表を行いました。
・日時:令和7年3月12日(水曜日)~14日(金曜日)
広島県では、カーボン・サーキュラー・エコノミーの実現に向けて、令和4年にカーボンリサイクルを核とした新たな産業集積を目指すための方向性や取組を「推進構想(初版)」として定めました。
今回、国のカーボンリサイクルロードマップの改定や、県のこれまでの取組で見えてきた課題等を踏まえ、令和7年度から概ね3年間の取組方針を推進構想の「第二版」として改定し、この方針に沿って取組を一層進めていきます。
広島県は、 脱炭素社会の実現に資する有望な技術「カーボンリサイクル」の推進に産学官が連携し、一丸となって取り組むため、令和3年5月に「広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会」を設立しました。
カーボンリサイクルの先駆的な研究拠点化と技術の社会実装への取組推進を通じて、CO2を資源捉え、CO2が生物や化学品、燃料等様々なかたちに変化しながら、自然環境や産業活動の中で、大気中のCO2を増加させることなく、持続的に循環する社会経済、「カーボン・サーキュラー・エコノミー」の実現を目指しています。
新規会員を随時募集しております。申し込みはこちらからお願いします。
毎月1回程度、オンラインにて、カーボンリサイクルやカーボンニュートラルに係る動向・情勢の解説や最先端の各技術紹介等を行っています。
会員の機運醸成や理解度向上を図るほか、カーボンリサイクル関連施設への視察等を現地開催し、会員間の交流促進を支援しています。
マッチングイベント - カーボン・サーキュラー・エコノミー協議会
カーボンニュートラル実現にあたっての日本の諸事情や、二酸化炭素と産業を結びつける新しい価値観を知ることで、広島県の環境エネルギー分野に関心を持つきっかけ作りを行い、将来的なカーボンリサイクル分野の認知向上や人材育成を目的に、特別授業やイベントを実施しております。
広島県では、カーボンリサイクル技術の研究開発及び実証へ取り組む者に対し、研究開発・実証に要する経費の補助や、将来的なステップアップを見据えた伴走支援を実施することにより、自主自立の下で実施される研究開発・実証事業を推進し、カーボンリサイクル技術の社会実装を進めることを目的として、令和4年度に県独自の支援制度を創設しました。
HIROSHIMA CARBON CIRCULAR PROJECT (ひろしまカーボンサーキュラープロジェクト) | 広島県
カーボンリサイクル技術の社会実装に向けては、CO2原料の調達、輸送、カーボンリサイクル製品の加工、製造に至るまで、様々な業種間でのサプライチェーンを構築していくことが課題であり、その技術フェーズも様々であることから、各段階のカーボンリサイクル技術に応じて切れ目なく支援できるよう、「基礎研究支援型」「SU等県内実証研修支援型」「サプライチェーン構築支援型」に支援区分の見直しを行いました。
また、NEDOのカーボンリサイクル人材育成事業と連携し、若手研究者を対象としてカーボンリサイクル研究を支援する「若手研究者支援型」を新設しました。
令和7年5月より公募予定です。
カーボンリサイクル関連技術の研究開発及び実証に取り組む者及びカーボンリサイクルに係る課題を抱える県内企業を支援し、県内でのカーボンリサイクルに係る研究・実証事業の数を増加させ、もってカーボンリサイクル関連技術の社会実装を推進します。
・令和4年度:9件
・令和5年度:14件
・令和6年度:16件
採択テーマ・採択者の一覧は、以下のURLからご確認ください。
広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援補助金の採択状況について
補助を受けて、これまでにたくさんの成果が生み出されており、広島県内でもカーボンリサイクル製品の実装が着実に進んでいます。
二酸化炭素が資源に変わる!?カーボンリサイクル技術続々! | 徹底解剖!ひろしまラボ - 広島県
採択した研究者の皆様と、その研究者と連携する企業が一堂に会し、最新のカーボンリサイクル技術を活用した取組内容や、広島県を舞台とする産業化に向けた将来展望について、プレゼンやポスター発表を行う研究発表会を毎年度1回開催しています。
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