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ひろしま県議会だより(第75号)

印刷用ページを表示する掲載日2024年4月7日

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ひろしま県議会だより第75号(1面)

2月定例会

巻頭写真は令和5年度広島県高等学校写真展に出展された  県立廿日市西高等学校 銭 修太郎(ぜに しゅうたろう)さんの作品「春ほのぼの」

◆令和6年度広島県当初予算案を可決

◆本会議の質問・答弁、常任委員会の動き(2、3面)

◆予算特別委員会の審査の状況、常任委員会の動きなど(4面)

2月定例会の概要

令和6年度広島県一般会計予算など69議案を可決並びに同意

広島県議会は、2月定例会を2月13日から3月12日まで29日間の会期で開きました。
今回の定例会では、「令和6年度一般会計予算」や「広島県伴走支援型特別資金信用保証料補給基金条例」、「技能実習制度及び特定技能制度の見直しに関する意見書」などの議案が提出されました。
本会議では、当初予算案のほか、県政が直面する諸課題について、3人の議員が各会派を代表して質問を行い、13人の議員が一般質問を行ったほか、令和6年度当初予算について、予算特別委員会を設置し、また、その他の議案について、各常任委員会で審査・調査を行いました。
審議の結果、69議案について原案のとおり可決並びに同意しました。

2月定例会日程(令和6年2月13日~3月12日)

2月13日
本会議
開会、提案理由説明など

2月14日
全員委員会
提案事項の説明など

2月16日~26日
本会議
代表質問、一般質問など

2月27日
​予算特別委員会
運営方針等協議

2月28日~29日
各常任委員会
令和6年度当初予算の調査、付託議案の審査など

3月4日~8日
予算特別委員会
参考人意見聴取、総括審査

3月12日
本会議
委員長報告、議案の採決など、閉会

議決の状況

令和6年度当初予算
可決
一般会計 1件
特別会計 11件
企業会計 3件

令和5年度補正予算
可決
一般会計 1件
特別会計 10件
企業会計 3件

条例案
可決
広島県伴走支援型特別資金信用保証料補給基金条例など  18件

人事案件
同意
広島県教育委員会教育長の任命の同意について 1件

その他の議案
可決
​地方独立行政法人広島県立病院機構の定款の制定についてなど 15件

規則案
可決
広島県議会会議規則の一部を改正する規則 1件

意見書案
可決
技能実習制度及び特定技能制度の見直しに関する意見書など 5件


各議案に対する議員の表決態度(賛否)は、ホームページで公表しています。

広島県議会 検索 → 本会議情報 → 議案等審議結果
 

令和6年度一般会計予算等の概要

物価高騰や人手不足による課題に適切に対応するとともに、新型コロナウイルス感染症による人々の価値観や暮らし方・働き方などの不可逆的な変化とG7サミットで高まった広島のプレゼンスをチャンスと捉え、ひろしまビジョンに掲げるそれぞれの取組を加速させるため、国の補正予算を活用した令和5年度補正予算と一体的に編成。

〈当初予算〉1兆957億円+​〈令和5年度補正予算〉 283億円=​〈総額〉1兆1,240億円(対前年度比 -505億円)

福祉や医療など
2,361億円(21%)

学校教育など
1,993億円(18%)

借入金の返済
1,470億円(13%)

商工業振興など
1,157億円(10%)

道路・河川の整備など
1,135億円(10%)

警察活動など
657億円(6%)

地域振興や防災・危機管理など 
577億円(5%)

農林水産業振興など
331億円(3%)

災害復旧
86億円(1%)

その他
1,473億円(13%)

《主な施策》

◆それぞれの欲張りなライフスタイルの実現 計873億円

◆物価高騰への対応 計145億円

◆人手不足への対応 計103億円

ひろしま県議会だより第75号(2面)

県政に関する質問から(本会議の質問・答弁)

本会議では、6日間にわたって16人の議員が代表・一般質問を行い、県政が直面する課題について、県民の視点に立った議論を展開しました。
質問者の後の「動画」をクリックすると、各議員の全ての質問の動画を視聴できます。

2月16 代表質問(要旨)

自民議連 : 吉井 清介(よしい きよすけ) 議員〈尾道市〉 〔動画
物価高騰・人手不足等への対応


長期化する物価高騰の影響を受け厳しい状況にある事業者等への支援や、人口減少に加え2024年問題等により深刻化する人手不足に全庁を挙げてどう取り組むのか。

物価高騰については、影響の緩和と将来を見据えた構造的な課題に取り組む事業者支援の両面から切れ目のない対策を講じる。人手不足については、部局を横断する新プロジェクト・チームを設置し、県内産業への影響の把握や既存施策の検証などを踏まえ、施策の再構築を進めるとともに、警備業など特定技能の対象拡大を国に要請し、外国人材の受入れを支援する。

その他の質問項目

■人口減少社会に対応した広島県づくり
■本県の財政運営
■新病院の運営に対するガバナンスの確保
■持続可能な地域公共交通の構築
■南海トラフ巨大地震等の大規模災害への備え
■水産資源の回復と後継者の確保・育成
など

 

民主県政会 : 東 保幸(ひがし やすゆき) 議員〈広島市安佐北区〉〔動画

芸備線再構築協議会の発足


可部線一部区間の廃止は、観光地や地域生活の活気を失わせたが、芸備線再構築協議会では、沿線地域の暮らしの維持・活性化に向け、JRの役割と住み続けたいという県民の願いをどう調整するのか、意気込みを伺う。

再構築協議会では、利用者の行動変容を促し、芸備線の利用につながる交通手段の転換や新たな需要創出ができるよう、地域活性化につながる調査や実証事業を提案する。また、国に全国的な鉄道ネットワークの在り方を示すよう働きかけるなど、沿線地域全体の地域公共交通の持続可能性を最大限追求していく。

その他の質問項目

■持続可能な予算編成
■集落実態調査を踏まえた今後の対策
■新病院建設費負担と経営維持
■人手不足及び正規・非正規労働者の実態とその対応
■外国人労働者の受入れ
■不祥事を生まない安全で安心な職場づくり
など

2月19日 代表質問(要旨)

公明党:尾熊 良一(おぐま りょういち) 議員〈福山市〉〔動画

核軍縮の実質的な進展に向けた取組


国際社会の平和と安定が脅かされる中、核軍縮の実質的な進展に向けた取組をどう強化し、核抑止に代わる安全保障政策づくりをどう進めるのか。また、国際紛争や戦争の即時停戦と平和解決に向け、どうメッセージを発信するのか。

核兵器のない平和な世界の実現に向け、防衛・安全保障分野の海外研究機関と連携した安全保障政策の研究や国連の次期開発目標に核兵器廃絶を位置づける働きかけを強化する。また、人々の戦争の悲惨さ等への認識を深めることが平和のメッセージ発信になるため、被爆地訪問の促進等の取組を充実する。

その他の質問項目

■能登半島地震を教訓とした被災者支援
■国や自治体が指定した史跡の安全対策
■ヤングケアラー支援
■運転手不足問題
■本県の産業振興施策
■本県の農業施策
など

 

2月19日 一般質問(要旨)

自民議連:山形 しのぶ (やまがた しのぶ)議員〈広島市安佐北区〉〔動画

ひろしま版ネウボラによる妊娠・出産期の支援


分娩を取り扱う施設の減少により、居住地での出産が困難な地域があり、ひろしま版ネウボラのさらなる充実に向け、妊娠・出産期の経済的負担や精神的不安解消のための支援の充実が必要ではないか。

安心して妊娠・出産できる環境構築のため、県独自の通院にかかる交通費等助成や、産科医療機関のない地域でも健診機関と連携し市町ネウボラが産後ケア等の適切な支援につなげる取組等を実施している。今後、ひろしま版ネウボラを中心とした取組を充実するとともに、出産後の子育てを含めた経済的負担のさらなる軽減を検討する。

その他の質問項目

■能登半島地震被災地への支援
■女性活躍の促進
■子育てに対する社会全体の意識改革
■広島神楽の振興
■部活動の地域連携・地域移行
■公立高校の入学者選抜制度

 

2月20日 一般質問(要旨)

民主県政会:上野 寛治(うえの かんじ) 議員〈広島市安芸区〉〔動画

瀬野川水系で検出されたPFASの発生源


発がん性が指摘されるPFASが暫定指針値を超えて検出されたため、早期の発生源特定に向け、在日米軍に発生源の可能性がある川上弾薬庫を調査するよう、国や周辺自治体と一体となって働きかけを継続する必要があるが、所見を伺う。

県は、事態を重く受け止め、米軍に川上弾薬庫でのPFOS等を含む泡消火剤の使用実態の公表や水質調査の実施を求める要望書を、東広島市と連名で国に提出した。また、知事が防衛大臣に直接電話で要望する予定であり、今後も、発生源特定に向け、広島市や東広島市と連携して取り組む。

その他の質問項目

PFASに係る県民への情報発信や健康調査等の対策
■地震被害想定を見直す仕組みの構築
■津波対策としての放置艇対策
■県立学校の暑さ対策
■流域下水道事業の管理運営の見直し

 

広志会:井原 修(いはら おさむ) 議員〈東広島市〉〔動画

新病院整備に伴う地域医療提供体制の偏在


高度医療・人材育成拠点基本計画により新病院に集約される予定の病院周辺地域では、地域の医療機関との連携が希薄になるなど現在の医療機能が著しく低下することが心配されるが、所見を伺う。

医療機関再編の影響が想定される地域では、地域住民や地区医師会などで構成する地域懇話会の開催や、住民アンケートの実施結果を踏まえ、令和5年9月に県病院の跡地活用の方向性を示しており、今後検討を深めていく。また、その他の医療機関でも機能分化と連携を図り、県民が安心して医療を受けられる体制を整えていく。

その他の質問項目
■新病院周辺の交通渋滞対策
■新病院の医療人材の確保策
■能登半島地震の教訓を踏まえた消防体制の在り方
■水道管の耐震化の推進
■教育長の2期6年の成果と課題
■不登校対策の取組状況
など

 

自民議連:加納 孝彦(かのう たかひこ) 議員〈府中市・神石郡〉〔動画

中山間地域を維持していくための方策


中山間地域の集落維持等は、県民全体が危機感を共有して取り組むべき問題であり、集落支援の専門人材の育成・派遣に着手するべきという広島県集落対策に関する検討会議の提言等を踏まえ、今後、施策をどう進めるのか。

集落等に必要な取組が効果的に展開されるよう、令和6年度は、住民自治組織の合意形成をサポートする中間支援機能の構築等に取り組む。住民、住民自治組織、行政及び関係機関等の力を結集し、これらの対策を、中山間地域振興計画の施策と一体的に進め、中山間地域の目指すべき姿の実現に取り組む。

その他の質問項目

■誰もがスポーツを楽しむことができる広島県の実現
■広島発信のカーボンニュートラルの取組
■DX推進に向けた人材育成
■中山間地域における持続可能な農業
■中山間地域の畜産業の支援
■震災時を踏まえた緊急輸送道路等の強靱化

 

2月21日 一般質問(要旨)

自民議連:玉重 輝吉(たましげ てるよし) 議員〈安芸高田市〉〔動画

低入札価格調査制度の改正


令和5年度の低入札価格調査制度の改正により生じた落札率の低下等への建設事業者の不安や戸惑いの声を真摯に受け止め、入札状況をきめ細かく把握した上で、制度の見直しを行う必要があると考えるが、所見を伺う。

制度改正後の落札率等は改正前とおおむね同水準で、くじ引きも大幅に減少するなど、競争環境改善に一定の効果が現れている。一方で、ダンピング受注が懸念される調査基準価格下限値に近い金額での落札も発生しているため、健全な競争環境の実現に向けた必要な対策について、制度の見直しも含めて検討する。

その他の質問項目

■中小企業における賃上げの実現
■新病院による中山間地域への医師派遣
■建設事業者の入札参加機会の拡大
■信号機のLED化
■ニホンジカ捕獲対策の強化と市街地等での対策
■林業におけるシカ被害対策

 

ひろしま県議会だより第75号(3面)

県政に関する質問から(本会議の質問・答弁)

2月21日 一般質問(要旨)

日本共産党:藤井 敏子(ふじい としこ) 議員〈広島市安佐南区〉〔動画

南海トラフ地震対策と原発からの撤退


伊方原発で事故が発生した場合の影響を考慮し、本県の地域防災計画について、南海トラフ地震等と原発の複合災害を想定したものへ早急な見直しが必要ではないか。また、被爆地広島の知事として、伊方原発の稼働停止と山口県上関への核燃料貯蔵庫建設断念を国等に要望するべきではないか。 

本県は、原子力施設からの距離に応じて定める原子力災害対策重点区域外であることなどから、直ちに計画を見直す必要はないと考えている。原発稼働停止や核燃料貯蔵庫建設については、国が責任を持った判断をするべきだと考えている。

その他の質問項目

PFASによる環境汚染問題
■水源地域保全条例
■学校のトイレへの生理用品の設置
■県立広島病院の跡地利用
■新年度予算編成における若者や子育て世帯への支援
■包括的性教育
など

 

ひとわ:蔵本 健(くらもと けん) 議員〈広島市中区〉〔動画

県産カキの生産体制の維持


漁場環境の悪化がカキの生育に悪影響を及ぼしており、県産カキの安定供給のための生産体制の維持対策と、身入りのよい高品質カキの生産に向けた栄養塩類管理計画の早期策定の見通しを伺う。

カキの生産量は不安定な状況が続いており、現在実施中のデジタル技術を活用した生産管理技術等の実証結果を、生産者の実践につなげ、気象変化や水温上昇に左右されない安定的な生産体制を確立する。また、令和5年度から開始した栄養塩類濃度とカキの成長に関する実証試験の結果を国等と共有し、栄養塩類管理計画の策定を目指す。

その他の質問項目

■大学生の県内企業への就職促進
■高齢者の身元保証における体制整備
■使用目的のない空き家の適切な管理
■障害に関する理解を深めるための基盤づくり
■入学者選抜制度における自己表現の導入
■在留外国人に対する防犯啓発の取組
など

 

2月22日 一般質問(要旨)

自民議連:山木 茂(やまき しげる) 議員〈広島市西区〉〔動画

新サッカースタジアムによる広島都心エリアのにぎわい創出


新スタジアムの集客力を広島都心エリア全体の回遊性向上やにぎわい創出にどうつなげ、県全体の活性化を図るのか、また、広い歩道橋設置による横川駅へのアクセス向上を推進してほしいが、所見を伺う。

スタジアムツアーなどによる広域からの集客や、県内23市町の魅力発信に加え、県庁舎敷地有効活用事業や広島都心会議の取組等を連動させ、エリア全体の回遊性、中枢拠点性を高め、県全体の活性化につなげる。横川駅を含む広域からのアクセス向上については、スタジアム本格稼働後の状況を検証し、必要に応じて検討する。

その他の質問項目

■G7広島サミットの継承
■がん治療に係る最先端医療機器の導入
■広島空港の機能強化
■草津漁港の魅力向上
■武道の振興
■中山間地域における移動手段の確保

 

ひろしま刷新:村上 栄二(むらかみ えいじ) 議員〈福山市〉〔動画

食品衛生法の改正による漬物生産農家への影響


漬物製造が許可制となり、道の駅等で販売を行う農家が製造を継続するには、施設基準を満たすための高額な自宅改修費用が必要となるため、市町と連携した補助制度や国への要望など、漬物生産農家への支援について所見を伺う。

漬物等の地域特産品を県民の宝として受け継ぐため、官民一体で支えることが重要であり、国の事業を活用した効率的で継続的な漬物製造につながる共同利用施設の整備などに、市町等と協力して取り組む。また、生産者のニーズや課題を聞き、国への要望を含め伝統的な食文化を守る施策の充実を図る。

その他の質問項目

■生成AIを活用した相談機能の導入
■特別支援教育に関する専門性の向上
■3Dプリンターで建築する住宅等の将来性
■照明広告の防犯への活用
■高等技術専門校と学校教育の連携
■関空の需要予測等を含めた観光戦略の在り方
など

 

民主県政会:高田 稔(たかた みのる) 議員〈安芸郡〉〔動画

環境・エネルギー分野の産業化に向けた今後の展開


環境・エネルギー分野の産業化に向け本県の競争力を高めるには、拡大が見込まれる事業への集中支援や他県との差別化が必要だが、今後の展開を伺う。

県内企業の海外展開支援等に加え、近年、カーボンリサイクルの研究拠点化や産業集積に注力しており、研究開発等への県独自支援や、企業・研究者の推進協議会での企業間の情報交換・マッチング、産学官国際会議の誘致など、他県にはない取組を進めている。今後は、カーボン・サーキュラー・エコノミー推進構想の改定に向け、社会実装を見据えた支援の在り方等を検討する。

その他の質問項目

■県営林を活用したカーボンクレジット事業の強化
■半導体産業の振興に係るビジョン等の策定
■物流強化に向けたトラック輸送の効率化への対応
■中小企業の生産性改善に向けたDXの推進
■市町との共通化等を見据えた県独自の生成AI環境構築
■ひろしまブランド強化に係る現状の取組と今後の展開
など

 

2月26日 一般質問(要旨)

自民議連:三好 良治(みよし りょうじ) 議員〈福山市〉〔動画

宮澤喜一記念館開設に当たっての県の取組


宮澤喜一記念館の令和6年春の開館に当たり、福山市の有する観光資源と連携させ県内外の多くの観光客や子供たちが訪れるよう、県も後押しをしてほしいが、所見を伺う。

記念館の設置は大変喜ばしく、県内外の多くの方々に訪れてほしいと考えている。鞆未来トンネル開通や世界バラ会議福山大会の開催が予定される福山市と連携し、周辺の観光資源と組み合わせた周遊ルート等の情報発信や学校等に修学旅行や社会科見学先として提案、紹介することなどにより、多くの方が利用することで、県東部の観光客の増加にもつなげる。

その他の質問項目

■日本経済の転換期における知事の思いと県の取組
■公共調達における適正価格の担保
■本県の社会減対策
■手話言語の普及や障害の特性に応じた意思疎通手段に関する条例の制定に向けた検討
■水産業の振興
■教育委員会の在り方に係る基本計画の策定

 

民主県政会:桑木 良典(くわき よしのり) 議員〈三原市・世羅郡〉〔動画

災害時の交通確保に向けた取組


災害時の道路ネットワーク機能の維持等は重要であり、避難や捜索、物資輸送を妨げるおそれがある緊急輸送道路沿いの倒木や落石を伴う崖崩れ、耐震性不足家屋へ、どう対策を講じているのか。

災害時の緊急輸送道路の交通確保に向け、崖崩れ等の対策では、日常の道路巡視等に加え、現地調査等で抽出した要対策箇所に防護ネット等を整備し、耐震性不足家屋へは、一定の建築物の所有者に耐震診断等を義務づけ、補助金活用を促し耐震化を進めている。引き続き、緊急輸送道路機能が最大限発揮できるよう積極的に取り組む。

その他の質問項目

■防災情報システムの整備・運用と県民への情報提供
■建設事業者の人材確保の支援
■2024年問題に対する県民への課題意識の共有
■鳥獣による農業被害対策を実現するための中間支援組織
■女性警察官の採用・登用の推進
■交通死亡事故の減少を図る取組
など

 

自民議連:宮崎 康則(みやざき やすのり) 議員〈広島市佐伯区〉〔動画

高度医療・人材育成拠点への痛みセンターの整備


成人の5人に1人に見られる慢性疼痛は労働生産性の低下を招き、甚大な経済的損失を与えており、新病院に、本県にはない痛みを専門的に取り扱う集学的な体制を整備するべきではないか。

慢性疼痛は国において病態解明等の研究や医療提供体制の構築等が進められ、治療ノウハウの普及や痛みセンターの立上げ支援等が開始されている。本県では新病院において県立広島病院の疼痛緩和医療提供体制を維持しつつ、集学的な医療提供体制の構築については、国の研究成果等や周辺医療機関との役割分担を踏まえ検討を進める。

その他の質問項目

■来年度の県政運営に向けた知事の決意
■女性に見限られない広島県
■一点突破型のUターン政策
■災害関連死対策
■警察における優秀な人材を確保するための方策
■本県の成長産業としての観光振興対策

用語解説

ひろしま版ネウボラ
妊娠・出産から子育て期まで、保健サービスと子育て支援サービスが一体となったワンストップによる切れ目のない支援の仕組み。令和5年度は県内17市町で実施している。

PFAS・PFOS(ピーファス・ピーフォス)
PFASは、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称。中でもPFOSは泡消火剤等幅広い用途で使用されてきたが分解されにくく、人や動物への毒性や蓄積性が明らかになっている。

低入札価格調査制度
工事等の請負契約の入札において、あらかじめ設定した調査基準価格を下回る価格で入札した者があった場合、すぐに落札者を決定せず、適切な履行がなされるかを調査する制度。

カーボン・サーキュラー・エコノミー
CO₂を資源と捉え、CO₂が生物や化学品、燃料など様々な形に変化しながら、自然界や産業活動の中で、大気中のCO₂を増加させることなく、持続的に循環する社会経済。

 

ひろしま県議会だより第75号(4面)

予算特別委員会の審査の状況

付託議案の審査結果
令和6年度一般会計、特別会計、企業会計当初予算
可決

2月13日に設置された予算特別委員会では、3月4日に3人の参考人から意見聴取を行い、3月5日から8日にかけて、総括審査を行いました。
審査の中で委員から次のような意見や提言がありました。

●人口減少が進む中、若年層の社会減少要因調査分析事業の実施に当たり、転出抑制・転入促進両面の対策につながるよう、要因を把握されたい。また、デジタル系企業の誘致等若者に魅力のある仕事の創出や大学生等の県内企業への就職促進等の社会減対策を充実・強化されたい。

●広島都心エリアの魅力向上に当たり、関係者の意見を取り入れ若者に魅力のあるまちづくりを進め、国内外から人を引きつけ、中山間地域への移住などの好循環を生み出し、県全体の発展につなげられたい。

●高度医療・人材育成拠点の設置運営に当たり、新病院の高度医療の効果や医師偏在解決策等の適時適切な発信と、こども病院機能の整備や他の医療機関との連携による断らない救急の実現に取り組まれたい。また、地方独立行政法人化に向け、理事長等の選任を慎重に検討し、健全運営のための議会のチェック機能確保に努める必要がある。加えて、県立広島病院の移転に当たり、地元の不安感を払拭し、夢の持てる跡地活用を検討されたい。

●魅力的で切れ目のない子育て支援体制の構築に向け、AIを活用した子供の予防的支援の全県展開等を図るとともに、人口減少問題の視点からも、各市町の子育て支援策への強力な後押しや市町間格差是正に取り組む必要がある。また、希望出生率の実現に向け、様々な主体と連携した強力なサポート体制の構築や情報発信による孤立化防止に努められたい。

●広島の食のおいしいイメージの国内外への浸透に向け、オール広島で取組を進め、希望が持てる戦略によりブランド力強化を図られたい。

●カキ養殖の維持・発展のため、カキ殻の堆積超過の根本的な解決に向け、一時的な保管場所確保と併せ、カキ殻を活用した製品開発支援や海砂採取跡地への活用法の確立等の中長期的な対策を推進されたい。

●河川や道路における樹木伐採や除草は、地域の水害リスク軽減や通行の安全確保、景観維持のために、地域の実情やニーズを踏まえ、適切な対策の実施と必要な予算確保に取り組まれたい。

●県民が安心して暮らせるまちづくりに向けた都市計画の運用に当たっては、浸水や土砂災害等のリスクの高い区域での宅地等の土地利用抑制を図り、被災状況を踏まえた災害リスクの反映等、適時適切な見直しを行う必要がある。

●広島デジフラ構想は、デジタル技術を活用した県民の安全・安心や利便性、建設分野の生産性及び県民サービスの向上に資するものであり、インフラマネジメント基盤DoboXのオープンデータの拡充による幅広い分野での利活用促進や新たな付加価値創出等の取組を一層加速させる必要がある。

●教職員の不祥事により県の公教育全体への信頼が損われないよう、一人一人の意識改革に加えて、不祥事根絶に向けた風通しのよい職場環境づくりとハラスメント相談体制の充実に取り組まれたい。

●部活動の地域連携・地域移行に当たっては、これまでの成果や課題を検証し、県教育委員会や地域政策局、市町の連携した取組により、子供たちが継続してスポーツに取り組める環境整備に努められたい。

●特定技能外国人労働者の受入れや定着に向け、現場の意見把握や関係団体等との連携を図り、繊維業や自動車関連産業など県経済を牽引する基幹産業を守る視点からも企業への外国人労働者獲得支援に取り組まれたい。

●日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区跡地の利活用策の検討については、防衛省から複合防衛拠点整備の申入れがあったが、地域経済の活性化や雇用創出につながるよう、呉市との連携や日本製鉄への積極的な提案を行われたい。

●道路標示の更新に当たっては、安全かつ快適な交通環境の実現に向け、道路管理者との協議を含め、効果的な対策を講じられたい。


委員名簿(16人)
委員長:下森 宏昭
副委員長:伊藤 真由美
副委員長:的場 豊
委員:中原 好治
委員:狭戸尾 浩
委員:瀧本 実
委員:渡辺 典子
委員:石津 正啓
委員:出原 昌直
委員:鷹廣 純
委員:林 大蔵
委員:坪川 竜大
委員:灰岡 香奈
委員:神田 隆彦
委員:山下 守
委員:砂原 崇弘

常任委員会の動き(2月28日・29日開催)

総務委員会

付託議案の審査結果
補正予算4件、条例案9件
その他の議決案件2件
原案可決

主な質疑事項
◆社会情勢変化に的確に対応するための県条例の適時適切な点検・見直しによる時のアセスメントの実施
◆国と連携した業務改善等による自動車税の課税誤りの再発防止に向けた対応策の検討
◆県民・事業者からの寄付金を原資とした新型コロナウイルス感染症対策基金の廃止に向けたこれまでの活用状況のアピール
◆中山間地域の課題把握や集落と住民の気持ちに寄り添った施策展開による集落対策の推進

生活福祉保健委員会

付託議案の審査結果
補正予算3件、条例案10件
その他の議決案件2件
原案可決

主な質疑事項
◆廃棄物の資源循環に向けた再生利用率向上とリサイクル実践拡大に向けた県民等への働きかけ
◆電子処方箋導入に向けた県民目線の広報等による機運の醸成
◆地方独立行政法人広島県立病院機構の運営における一時借入れに伴うリスク等の考慮と広島がん高精度放射線治療センターの法人への早期統合の検討
◆瀬野川水系河川等における暫定指針値を超える有機フッ素化合物検出の原因究明等に向けた米軍への情報開示要請等の取組

農林水産委員会

付託議案の審査結果
補正予算3件、条例案3件
その他の議決案件1件
原案可決

主な質疑事項
◆農産物輸出促進を図る法改正を見据えた農業者や食品事業者への支援による事業者の収益性の向上と事業実施後の効果検証等継続したフォローアップの実施
◆木材関連事業者の収益性等向上に向けた木材加工流通施設整備支援や路網整備等による県産材の安定的・効率的な供給体制の構築及び県産材利用拡大等に向けた計画的な事業推進
◆水産資源回復のための海底耕うんや栄養塩類対策等の早期本格実施に向けた課題解決の取組

建設委員会

付託議案の審査結果
補正予算4件、条例案5件
その他の議決案件9件
原案可決

主な質疑事項
◆住民の安全・安心確保にとって重要な地域の建設事業者の持続的な事業経営に向けた公共事業予算確保と受注件数等を減らさないための年間を通じた工事量の確保
◆流域治水のさらなる推進に向けたハード対策の着実な実施とあらゆる関係者が協働した被害低減のためのまちづくりや避難行動につなげる情報提供などの取組の加速
◆クルーズ客船のさらなる誘致に向けた積極的な観光PR等と広島港クルーズターミナル周辺整備等による滞在時の満足度向上

文教委員会

付託議案の審査結果
補正予算2件、条例案2件
原案可決

主な質疑事項
◆児童生徒一人一台端末の教育効果の検証と調達に係る入札参加事業者への関連法令遵守の周知
◆「遊び 学び 育つひろしまっ子!」推進プロジェクトに係る幼保小接続期の教育の質的向上と子供に主眼を置いた教育施策の推進及びデジタル機器を用いた教員間の情報共有等による乳幼児期に育みたい5つの力の育成
◆家庭教育支援の充実に向けた市町ニーズを踏まえた地域の人材育成や体制整備の推進

警察・商工労働委員会

付託議案の審査結果
補正予算3件、条例案4件
その他の議決案件1件
原案可決

主な質疑事項
◆時代に沿うものかどうかの視点による継続的な県条例の点検
◆サイバー空間の新手の犯罪への体制整備と悲惨な交通事故の減少に向けた広報啓発活動の徹底
◆伴走支援型特別資金信用保証料補給基金条例制定における国の交付金の有効活用と物価高・人手不足等に係る県内中小企業等への効果的な支援
◆インバウンド対策のためのひろしまブランドショップTAUに来店した外国人旅行客の分析等と本県への誘客の仕掛けの検討

可決された意見書(3月12日議決)

●ライドシェアの全面解禁について慎重な検討を求める意見書

●医薬品や医療機器の安定供給確保を求める意見書

●ブラッドパッチ療法の先進医療体制の充実等を求める意見書

●国土強靱化の充実強化を求める意見書

●技能実習制度及び特定技能制度の見直しに関する意見書

巻頭写真撮影の高校生に感謝状を贈呈

本紙の巻頭写真を撮影した、県立廿日市西高等学校の銭 修太郎さんに、伊藤英治広報委員長が議長からの感謝状を贈呈しました。
その後、写真部の活動や写真撮影時のエピソードなどについて懇談しました。

この広報紙についてのご意見・ご要望をお寄せください。

ひろしま県議会だよりは、6月、9月、12月、2月の各定例会後に発行します。

あて先
〒730-8509 広島市中区基町10-52
広島県議会事務局 政策調査課
TEL 082-513-4743
FAX 082-222-9600
MAIL gikaichousa@pref.hiroshima.lg.jp


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