意見書(人身売買禁止のための法制化を求める意見書)
発議第25号
意見書
人身売買禁止のための法制化を求める意見書
犯罪組織によって海外から我が国に送り込まれ、売春や強制労働等を強いられている外国人女性やこどもが増加しており、このような搾取を目的として、勧誘・送り出し・受け入れを行う「人身売買(人身取引)」について、我が国の対策のおくれに国際的な批判が高まっている。特に、我が国は、昨年7月には、国連女性差別撤廃委員会から「人身売買に対する包括的戦略の必要性・加害者の処罰強化」が勧告され、本年6月には、米国国務省が「人身売買に関する年次報告書」において、主要8カ国の中ではロシアと我が国を今後1年間に必要な措置をとるかどうか見極める必要がある「第2分類監視対象国」に指定したところである。 政府においては、2000年に採択された国連の「人身売買禁止議定書」の批准に向けて国内法の整備に取り組んでいるが、「人身売買(人身取引)」を規定し、禁止する法律がいまだ制定されていない。よって、国におかれては、「人身売買(人身取引)」を禁止し、被害者を救済するとともに、加害者に対する罰則を強化するなど、次の事項に配慮した法整備を行われるよう強く要望する。
- 人身売買は、人間の尊厳と価値を著しく侵害する行為であり、犯罪であることを法に明記するとともに、被害者の救済・保護・援助について必要な法整備を行うこと。
- 人身売買の実態についての調査研究、学校教育、社会教育、メディア等を通じての人権教育・啓発・情報提供等を積極的に行い、被害の予防を図ること。
- 諸外国と連携を強化し、人身売買防止を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月14日