意見書(地方分権推進につながる歳出・歳入一体改革を求める意見書)平成18年6月定例会
発議第5号
意見書
地方分権推進につながる歳出・歳入一体改革を求める意見書
平成18年度までの三位一体改革では、国から地方への3兆円規模の税源移譲がなされたものの、その内容が国の財政再建につながる改革にしかなっていないことは誠に残念である。今後の歳出・歳入一体改革においては、地方交付税の見直しなどが予定されているが、市町村合併による行政組織の再編統合や人件費の抑制、事務事業の見直しなど、これまで地方において大幅な歳出削減努力を行ってきた経緯を無視し、国・地方を通じた一体的な改革の名のもとに、国の赤字の地方への転嫁が一方的に行われようとしていることは、極めて問題である。現在、地方は未曾有の財政危機に直面しており、今後、地方交付税の大幅な削減が進められれば、地方財政はさらに深刻な事態に陥り、住民生活や地域経済に重大な影響を及ぼすだけでなく、地方自治の運営そのものが立ち行かなくなるのではないかと危惧する。よって、国におかれては、歳出・歳入一体改革に当たり、真の地方自治の確立に向け、地方が責任を持って自立した行財政運営を行うことを可能とするため、次の事項について特段の配慮がなされるよう強く要望する。
- 地方に対する国の関与や国の事業について見直し、国と地方の役割分担を明確にした上で、それに応じた権限と税財源を地方に移譲すべきであること。
- 地方の歳出は国が関与する経費が大半であり、これらに係る具体的な見直しを行わないまま、一方的な地方交付税の削減は決して行わないこと。
- 地方交付税の配分方法の見直しに当たっては、自然・社会条件の異なる各地域の実情に配慮し、各団体の行政需要を適切に反映したものとすること。
- これまでの景気対策、政策減税、財政対策、市町村合併等に関し、国が後年度において対応するとした交付税措置については、確実に履行すること。
- 今後の改革の推進に当たっては、その内容をできるだけ早い段階で明らかにし、住民生活に重大な影響を及ぼさないよう、地方の意見が尊重され、施策などに反映されるための仕組みを構築すること。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年7月3日