意見書(児童虐待防止対策の強化を求める意見書)平成22年9月定例会
発議第11号
意見書
児童虐待防止対策の強化を求める意見書
児童虐待相談件数は全国的に増加傾向にあり、広島県においても、昨年度、過去最高の1,633件を記録したところである。さらに近年、児童虐待により幼い命が奪われる事件が全国で続発しており、本県においても、本年8月に2歳の女児が両親から暴行を受けて死亡するという痛ましい事件が発生した。本県においては、児童虐待及びその疑いについて通報や相談があった場合、48時間以内に児童相談所や市町の職員等が直接目視により児童の安全確認を実施し、さらに、児童の安全が長時間確認できず、呼びかけに応じない場合には、保護者の出頭要求や家屋への立入調査を実施することとしている。しかしながら、現行の児童虐待防止法は、強制的な立入調査に裁判官の許可状が必要であるため、事案の把握に時間がかかり、その間に虐待が重度化するおそれがある。また、虐待の早期発見はもとより、育児能力に不安がある親など、児童を虐待する要因を持つ家庭を早目に把握することが虐待防止に有効であることから、地域に密着した相談支援機能の充実が一層求められる。よって、国においては、児童虐待防止対策を推進するため、次の事項が実現されるよう強く要望する。
- 保護者が児童相談所による安全確認を拒否した場合にも、市町及び警察の連携のもとに、事案を早期に解決できる仕組みを検討すること。
- 身近な相談や通告の窓口である市町の児童相談職員の増員と組織強化を図るよう、配置基準を設けるとともに、増員に係る交付税措置を講じること。
- 社会的支援が届きにくい乳幼児期の虐待を防止するため、周産期から乳幼児期を通じた医療、保健、福祉の効果的な予防・支援システムの制度化を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月6日