イクボス同盟ひろしま”広島部会” 情報交換会(第2回ミーティング)を開催しました![令和4年1月26日]
イクボス同盟ひろしま 広島部会では,「つながり・学び合い・活動するひろしまイクボスの会」をテーマに活動していますが,この度,部会メンバーによる「情報交換会(第2回ミーティング)」をオンラインで開催しました。
令和3年度イクボス事業の締めくくりとなる今回のミーティングでは,1月13日に開催した「男性育休推進セミナー」の振り返りと,第1回ミーティングで各社からあがった課題への取り組みを発表し,情報交換を行いました。
活動レポート
「広島部会 情報交換会(第2回ミーティング)」参加者
■株式会社広島銀行 木下 様 《部会リーダー》
■キリンビバレッジ株式会社 金山 様
■株式会社日本政策金融公庫 山重 様
■国立大学法人広島大学 林 様
■瀬戸内コンサルティング株式会社 津森 様
1.「1/13(木)男性育休推進セミナー」の振り返り
部会リーダー 木下さん
男性育休推進セミナーには78名の参加がありました。セミナー後のアンケートでは,90%の方が「大変良かった」「良かった」との回答をいただき,特に“育休を取得された男性社員の方からの実体験に基づく話を聞けて良かった”という感想が多数寄せられました。その他,“法改正の内容についてよく学べた”という声などもありました。また,今後の課題としては,“風土づくり”や“意識改革”という共通の回答が多かったです。
【部会メンバーの意見】
➢ とても楽しいセミナーでした。育休を取得する本人やその上司への働きかけとして,「制度が変わりましたが,育休を取りますか?」から,今後は「(育休を)取りますよね」という“取って当たり前”のスタンスで接していけばいいのかなと思うようになりました。
➢ (男性育休への)意識改革はとても難しいと思います。でも,子どもが生まれた男性社員は口を揃えて「子どもの成長を見られるのがうれしい」と話します。その感覚はリーダー達も経験しているはずなので,若手の気持ちを汲み取って尊重してあげるべきだと思います。
今回のセミナーでは,本社を通してキリンホールディングスの育休取得者にインタビューという形で協力してもらいましたが,当社ではもちろん,本社の人事部でも非常に評判がよかったです。
➢ 講師の安藤さんの話の進め方・口調が印象的でした。上司の参加が叶わなかったのが残念です。弊社でも,今年度から育休取得者のコメントを社内で動画配信を始めましたが,どうしても内容が業務よりになって,堅苦しい感じです。育休中の生活などを話してもらった方が,これから育休を取得する方に響くのではないかと思いました。
2.第1回ミーティングであがった課題への取り組み・情報交換
《テーマ1》ベテランのモチベーションアップ
部会リーダー 木下さん
広島銀行では,50歳手前でライフプランセミナーを開催し,今後のキャラプランについて考える機会を提供しています。また昨年7月には,シニアの処遇を上げる制度改定を行いました。定年は60歳ですが,シニアコンサルタントまたはシニア職員として再雇用し,一定の条件を満たせば65歳以降も働ける仕組みがあります。
これまで60歳を過ぎると給与が上がりませんでしたが,シニアコンサルタントの導入で,評価に応じた賞与が支給されるようになりました。継続して同じ仕事をしたい方や,少しペースを落として働くことを希望する方などいろいろなので,「シニアになったらこの仕事」という括りをやめて,適材適所への配置を意識しています。
【部会メンバーの意見】
➢ 若い世代のスキルアップ意欲に比べて,ベテラン世代は,淡々と今の仕事をしながら,キャリアを生かしてゴールまで走りたいという人が多い。その意識を否定せず,必要な場面で協力を仰ぐ機会を作ることが大事かなと思っています。また本社では,30歳から10年ごとにライフプランセミナーを実施(コロナ禍で現在は50歳のみ)しています。
➢ 広島大学では事務職員の定年は60歳ですが,国家公務員の規則に合わせて,これから段階的に65歳まで引き上げられる予定です。
➢ 当社のライフプラン研修は全員受講の制度が整っています。定年に関しては,65歳まで延長という方向で議論中です。現在,希望者が再雇用で65歳まで働いていますが,「個人のキャリアを考慮する」というところまでは手が回っていません。
《テーマ2》オンラインでのコミュニケーション・デジタル苦手意識の払拭
【部会メンバーの意見】
➢ 当行では2年前に全職員のパソコンをタブレット型端末に変えて,Office365の活用を推進してきました。しかし,未だにオンライン会議などに苦手意識を持つ方が多いのが現状です。
必要なスキルになっていくので,当たり前のこととして誰もが使いこなしてほしいと思っています。
➢ 私は新卒採用をメインで担っていますが,採用面接をオンラインに変えたのはコロナ禍前で,面接官の皆さんに理解してもらいながら進める中で効果的だったと感じるのは,ログインなどの事前準備をマニュアル化して配布すること,初めは同席して画面を見ながらサポートすることなどです。
また,オンライン会議では大きく頷く,相手の意見を否定しない,などのルールがありますよね。これらを皆さんにしっかり説明しました。
➢ 報告・連絡はオンラインが便利です。議論は対面がいいという声がありますが,基本的にはオンラインの準備が徹底されているか否かだと思います。資料の配布,テーマの事前告知などで,オンライン会議はスムーズに進みます。
首都圏から異動してきたオンラインスキルの高いメンバーからは,若手ではなくリーダーが率先して新しい仕組みを使いこなすべき,それができないと全体に広がらないと言われました。
➢ オンライン会議などへの参加は日常的ですが,主催者として一から設定したことがないので胸が痛い思いで聞いていました。自分だけで準備するのはまだまだ不安です。
《テーマ3》危機管理(BCP)
【部会メンバーの意見】
➢ 当行でコロナ陽性者が出た時,初めは本部から応援に行っていました。しかし,それでは機能しなくなってきたため,地域ごとに必ず営業する店舗を決めて,その他は臨時休業と定めました。これで今,何とか運営できています。緊急時の大きな方針を決めておく大事さを実感しているところです。
私自身のことですが,東日本大震災の時に東京でライフラインが止まる経験をしました。その時,一気にリモートワークが進みました。また,子育て中にはパートさんを雇う許可をもらって,代替要員として動いてもらいました。おかげでチーム運営の体制を維持できました。
➢ 何が起こっても事業が回る体制作り,限られた人数で何をするかを整理しておけば,どんな環境でもお客様は満足してくれます。緊急時は思考が停止しますから,平時から準備しておくことが大事ですね。
➢ 昨年3ヶ月かけて,豪雨災害が毎年起こるという前提で対応を検討しました。物流会社も交えて,災害時にどんな順番で誰が何をするか,お客様にどうやって商品を届けるかなどを議論しました。電源が無くなった場合を考えて,発電機なども購入しました。まさに平時だからこそ,冷静にゆっくり話し合えたと感じています。
《テーマ4》女性のキャリアアップ・アンコンシャスバイアスの解消
【部会メンバーの意見】
➢ 昨年,サステナブル委員会を立ち上げ,女性活躍推進の本質的な課題を議論しています。その中のテーマとして,中核的な職務を担う女性が少ないことを取り上げ,短期的・長期的な解決策を検討しました。
短期的解決策としては「経験は無くてもできる」という前提で,女性をマネジメント職に配置し,長期的解決策としては,男性の後任は男性,女性の後任は女性という構造を崩すよう働きかけを行っています。また,男女の割合が明らかに異なる職務については,女性割合を示すことも検討中です。
アンコンシャスバイアスの解消に向けては,「なりキリン」をお手本に,子どもが生まれた男性職員は1ヶ月前後の育休,もしくは5日以上+1ヶ月以上の短時間勤務の取得を推進していく予定です。男性の時短勤務は少ないので,これが根付くと夕方の会議が減るなど,いろんなことが改善されると思います。
➢ 女性リーダー=本社内勤業務という事が多く,個人的には現場に女性リーダーを置きたいです。しかし,個々のライフプランや転勤の問題などもあり,なかなか前に進めていません。
社内だけで考えるのではなく,他社の対策をもっと知りたいですし,何より男性の意識改革が大事だと考えます。若いメンバー中心に変えていく必要性を感じています。
➢ 大学教員の役員に向けて,アンコンシャスバイアス関連DVDを研修として視聴してもらいましたが,来年度はこれを事務職員にも展開していきたいです。もともと男女差のない職場ですが,事務職員に関しては20~30代の女性が多いので,今後はもっと女性活躍の場が広がると思っています。
➢ 女性管理職のネットワーク構築のために,毎年「女性管理職交流会」を開催してきましたが,今年度は対象を下げて,管理職のひとつ手前の職員にも同じような交流の場を設けました。
アンコンシャスバイアスの解消に関しては,ダイバーシティ担当者などを対象に,セミナーで関連動画を視聴してもらいました。繰り返しの訴えかけが必要だと感じています。
➢ 防災・減災の情報交流会を広島で年12回開催しており,もともと私がすべてを担当していましたが,昨年,半分を受け持ってくれる女性幹事を抜擢し,企画から運営まで丸ごとお任せしています。