知事と同盟メンバーが対談「イクボス推進トーク@廿日市」を開催しました![平成31年1月21日]
イクボス同盟のメンバー企業3社が集まって活発に意見交換する平成30年度版イクボス推進トーク。ラストの舞台は廿日市です。
今回の参加メンバーはセブンイレブンの弁当や総菜を一手に引き受ける株式会社デリカウイングの細川匡代表取締役会長、食品輸送のスペシャリストである株式会社高宮運送から高宮徳和代表取締役、そして今年度のMVB(=Most Valuable Boss。イクボス同盟ひろしま内でもっとも輝いていたメンバー)を受賞した特定非営利活動法人キッズNPOの吉本卓生理事長という廿日市を拠点に活動する3人のボス。前回同様キムラミチタ氏清水浩司氏の進行で、1月21日(月)廿日市市中央市民センター多目的ホールにて「イクボス推進トーク@廿日市」を開催しました(トークの模様は後日FMはつかいちで放送)。
≫過去のイクボス推進トークの様子
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イベントレポート
まず湯崎知事から「広島県におけるイクボスの重要性」についての説明後、各社の取り組みが紹介されました。
最初にマイクを握った細川会長は開口一番「私の中にはイクボスとかイクメンとか働き方改革という発想はありません」と発言。参加者を驚かせます。しかし話をよく聞くと、36年前の社長就任時に会社の意義について考え、そこで出た答えが「会社はそこで働くすべての人をHAPPYにするためのツールだ」。自分がHAPPYになるためには家族をHAPPYにしないといけないし、家族をHAPPYにするためには職場を、職場をHAPPYにするためには取り引き企業も地域も幸せにしないといけない……それはイクボスと同じだったと語ります。
知事もそれを聞いて「やっと時代が追い付いてきたのかもしれませんね」と納得。デリカウイングのスローガン「HAPPY TOGETHER」の連鎖によってこの地域全体のHAPPYの総量が増えているのではないかと指摘します。
高宮代表は30歳の独立から現在に至るまでさまざまな苦労があったといいます。中でも一番の課題は従業員の確保。労働集約型産業の運送業ゆえ、従業員が続かない限り会社の発展はないと頭を悩ませます。そこでとった行動は会社を辞めていくスタッフに退社の理由を聞き、ひとつずつ問題を解決すること。スタッフの生活サイクルに合わせてシフトを組む。子育て中の女性ドライバーのため社内に保育園を開く……など一歩一歩社員が働きやすい環境を整えていきます。
その結果「従業員満足度を上げたことが顧客満足度のアップにつながり、今は営業しなくても売り上げが上がっています」。知事は女性ドライバーの活躍を支援する県の事業「はこびなでしこ」にも触れ、「女性をはじめ,多様な人を受け入れることが新しい風土を作り、会社を強くする場合もある」とエールを送ります。
吉本理事長は従業員が互いに助け合えるチームづくりを心掛けているといいます。そのために行っているひとつが休憩時間の「おやつタイム」。月に一度はお取り寄せのプチぜいたくおやつでみんなの心をひとつにします。また、「働き方が変わることが子供たちのためになる」という考えから地域社会にワークライフバランスの重要性を訴える活動も行い、企業保育創設のサポートも展開。デリカウイング、高宮運送の提携保育園もキッズNPOが手掛けています。
知事は「保育は親の働き方にも関わるけど、子供にとっては人生最初の教育を受ける機会。その質の低下は社会全体の質の低下につながる。そのためには保育士の経験値、余裕が必要ですよね」とコメントします。
そこからはディスカッションタイム。イクボスを推進してよかったこととして細川会長が「パートの方の勧めで息子さんや娘さんが入社してくれた」、高宮代表が「従業員の家族や子供も働きにきてくれる」と共通の喜びを挙げます。吉本理事長は保育業界で導入が遅れているITツールの活用で「空いた時間を子供たちに割けるようになった」と言います。
特に盛り上がったのは知事から「イクボスにはコストもかかる。どういう基準で決めてるんですか?」と質問があったとき。細川会長は「会社は今期で締めるわけじゃない。来期も再来期もある。なので将来的に必要と思ったら目先の損得に囚われず行動に移す」、高宮代表は「将来的にプラスになるかは、そこからの持って行き方次第。とりあえずやってみて、それをどう活かすか考える。やってみることで思わぬプラスが出ることもある」と。
知事は「長期的な視点やトータルな考え方が重要なんですね。設備投資は費用対効果が予測できるけど、働き方改革は効果が不明瞭。でもまずは行動を起こし、それをどう成功に導くか工夫することで強い企業づくりにつながるとわかりました」と感想を述べました。
締めは恒例の「イクボス宣言」。今回は聴講者も一緒に未来への決意を文字にします。「ぶっちぎりのHAPPY TOGETHER」(細川会長)、「未経験ママドライバーの育成」(高宮代表)、「『ここで一生働き続けたい』を実現。イクボス企業を増やしたい」(吉本理事長)。
最後、知事からの「新しい時代、働く人に比重を置いた経営はますます大事なっています。今後もさらに努力を続け、広島県全体がHAPPYになれるといいなと思います!」という力強い言葉で今年度のイクボス推進トークは幕を閉じました。
イベント概要
名称 | イクボス推進トーク@廿日市 |
日時 | 平成31年1月21日(月) 14時00分~15時30分(13時45分開場) |
会場 | 廿日市市中央市民センター 多目的ホール 廿日市市天神11-29 (アクセス)※外部サイトにリンクしています。 |
対象 | 県内企業の方(経営者,管理職,人事労務担当者等) |
参加費 | 無料(申し込み先着順) |
登壇者 | 司会者 清水 浩司氏(フリーライター),キムラミチタ氏(フリーパーソナリティ) パネラー 細川 匡代表取締役会長(デリカウイング株式会社) 高宮 徳和代表取締役(株式会社高宮運送) 吉本 卓生理事長(特定非営利活動法人キッズNPO) コメンテーター 湯崎知事 |
主催 | 広島県(働き方改革推進・働く女性応援課) |
共催 | 廿日市市(しごと共創センター) |
登壇者紹介
イクボス同盟ひろしまメンバー(パネラー)
細川 匡代表取締役会長(デリカウイング株式会社)
高宮 徳和代表取締役(株式会社高宮運送)
吉本 卓生理事長(特定非営利活動法人キッズNPO)
司会者
清水 浩司(しみず こうじ)氏 (フリーライター)
1971年広島県出身。一橋大学社会学部卒業。雑誌編集者を経てフリーランスのライター・編集者として独立。2011年に川崎フーフ名義で発表した書籍『がんフーフー日記』が話題となり,2015年『夫婦フーフー日記』として公開。2011年より故郷・広島に拠点を移し,執筆活動を行う。2018年6月に最新作『愛と勇気を,分けてくれないか』を刊行。昨年度よりイクボス推進トークのファシリテーターを担う。
キムラミチタ(きむらみちた)氏 (フリーパーソナリティ)
1974 年生まれ。廿日市市出身・ラジオDJ,クラブDJ,構成作家など,音楽をライフワークとして様々な顔を持つ。自身の音楽ユニット"忍"ではプレイヤーとしても活動中。映画,アート,マンガ,料理等の造詣も深い。日刊わしらの編集部も務める。一昨年のイクボス推進トーク司会を担当。
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