同盟メンバー及び松本氏,知事が対談「イクボス推進セミナー@広島」を開催しました![令和元年11月20日]
広島県では「イクボス同盟ひろしま」の活動の一環として「イクボス推進セミナー」を開催しました。
カルビーの代表取締役会長兼CEOを務められた松本晃氏を招き,「イクボス」の必要性等について講演を実施しました。また,講演後はイクボス同盟メンバー及び松本氏,湯崎知事が登壇し,パネルディスカッションを行いました。
≫過去のイクボス推進トークの様子
(平成30年度までは,「イクボス推進トーク」として,「イクボス同盟ひろしま」のメンバーが代表を務める企業や地域を湯崎知事自ら訪問し,経営者や管理職の方々とディスカッションを実施)
イベントレポート
基調講演 「今を生き抜く経営戦略はイクボスから」
―なぜ働き方改革が必要なのか。
戦後の高度経済成長を経て平成の30年間で、国内の成長産業は工業からIT分野に移行しました。少子高齢化など、社会構造も大きく変化。日本人は、人生80年時代から100年時代となり、以前は40年と言っていた働く期間は60年まで延びました。経済成長期のように、残業が当たり前の働き方を続けることは根本的に不可能なのです。
―松本氏が実践した改革とは。
カルビーではまず権限、個室、社用車、接待費をなくしました。「お疲れ様です」のあいさつをやめ、「おはようございます」「こんにちは」に変更、呼び方も「さん」付けに。古い仕組みと悪しき文化を変え、次に成果に結びつく環境と制度を整えました。社内に秘密をつくらず、徹底して権限を委譲、そしてコストを削減。人材教育に力を注ぎ、給与体系はシンプルに、オフィスも変えました。大切なのは、経営者自らが率先することです。
―経営とは。
全てのステークホルダー(利害関係者)を喜ばせること。その順番が大事で、まず顧客や取引先、その次は従業員とその家族、地域などのコミュニティー、そして株主です。
―「イクボス」の使命とは。
部下の幸せに責任を持つこと。部下が求めることは、生活の豊かさ、わくわくする仕事、成長、効率よく働くことなどさまざまです。それを実現するために、「イクボス」として、経営者や上司は、部下の生活は幸せか、仕事はうまくいっているのかに責任を持たなければいけません。
―働き方改革で注意すべきことは。
働き方改革は、ダイバーシティー経営と一体で、同時に進めるべきです。私は会社を4つの地域に分け、その一つに初の女性トップを登用。女性活躍の手本になってほしいと思い、当時小学生2人の母親だった彼女に命じたのは「4時になったら帰れ!」でした。人生100年時代には、勉強を楽しいと思える「学び方改革」、人生を充実させる「余暇改革」も同時に取り組む必要があります。
パネルディスカッション
『経営戦略としてのイクボス~「働きやすさ」+「働きがい」→「組織の成長」~』
〈パネリスト〉
・元カルビー株式会社代表取締役会長兼CEO 松本 晃 氏
・旭調温工業株式会社代表取締役 粟屋 充博 氏
・マイライフ株式会社人事部部長 長友 康至 氏
・広島県 湯崎 英彦知事
―改革に取り組んだ背景と内容は。
<粟屋氏>
空調や冷凍冷蔵設備の設計・施工など手掛けています。3~4年前から採用難に。規模は小さいですが、若者に当社の魅力を伝えたいと、就業規則の改正、産休後の短時間勤務などを継続して導入。若手社員が中心の「会社と自分の 10 年後を考える会議」をきっかけに、本社事務所を来年 10 月に働きやすいオフィスに大幅リニューアルします。
<長友氏>
呉市本社で保険薬局「オール薬局」を展開。離職者が増えたことから2013 年に、働く仲間を大切にする企業理念に改定。社内アンケートの結果を基に長期休暇、介護休暇、健康診断などの福利厚生を充実させ、従業員の満足度を向上。働きやすい会社だと口コミで広がり、2015 年から新卒採用が安定し、離職率も低下しています。
―改革を進める2社にアドバイスを。
<松本氏>
当たり前のことを、当たり前に実行すること。カルビーは広島生まれですが、単身赴任者が多い。家族は一緒にいるのが当たり前で、転勤を拒否できる制度にしました。家族と一緒にいるために結婚したのに、日本の企業の多くは単身赴任、転勤を強要する変な文化をつくりました。もう一つは、決定の仕方を予め決めておくことです。トップか多数決で決めるかです。結果、意思決定が明確になり、改革がスムーズに進みます。
―イクボス推進への意気込みをイクボス推進への意気込みを
<湯崎知事>
経営を分かりやすくシンプルにし、従業員がお客さまに次ぐ大切なステークホルダーであることを実践してほしい。経営者だけではなく、現場のリーダーなど、部下の幸せに責任を持つイクボスを増やしていただきたい!
イベント概要
名称 | イクボス推進セミナー |
日時 | 令和元年11月20日(水) 14時00分~16時00分(13時30分開場) |
会場 | 広島市総合福祉センター BIG FRONT ひろしま5F 広島市南区松原町5-1 (アクセス)※外部サイトにリンクしています。 |
対象 | 県内企業の方(経営者,管理職,人事労務担当者等) |
参加費 | 無料 |
内容 | プログラム 14:00~ 講演 「今を生き抜く経営戦略はイクボスから」 【講師】松本 晃 氏 15:00~ パネルディスカッション 『経営戦略としてのイクボス ~「働きやすさ」+「働きがい」→「組織の成長」~』 16:00 終了 |
主催 | 広島県(働き方改革推進・働く女性応援課) |
共催 | 広島市 |
登壇者紹介
講演者(兼パネラー)
松本 晃 氏
1972年京都大学大学院農学研究科修士課程修了後,伊藤忠商事株式会社入社。1993年にジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル株式会社(現ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)へ入社。同社代表取締役社長,同社最高顧問を務め2009年3月に退任。2009年6月よりカルビー株式会社代表取締役会長兼CEOに就任。2018年6月に同社退任後,RIZAPグループ株式会社代表取締役に就任し,2019年1月同社取締役構造改革担当,2019年6月同社特別顧問(現任)。2019年6月ラディクールジャパン株式会社を設立し,代表取締役会長CEO(現任)。現在に至る。
イクボス同盟ひろしまメンバー(パネラー)
粟屋 充博 代表取締役(旭調温工業株式会社)
長友 康至 人事部部長(マイライフ株式会社)
司会者
川島 宏治(かわしま こうじ)氏 (ちゅピCOMひろしま副社長,アナウンサー)
1953年広島県出身。明治大学政治経済学部を卒業。1977年にRCCに入社。スポーツアナウンサーとして活躍し、1984年・1991年に広島東洋カープがセントラル・リーグで優勝した試合の実況を務める。1994年、テレビの情報番組「なんでもワイド」のキャスターに転身しその後も夕方の情報番組の司会者として活躍。 2002年アナウンス室長、2005年報道制作局長、2006年執行役員、2007年取締役を経て、2011年にはRCCフロンティア代表取締役社長を経てRCCを退職後、現職。2017年から日本ケーブルテレビ連盟中国支部 支部長。
平成29年度のイクボス推進トークの様子はこちらから
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平成28年度のイクボス推進トークの様子はこちらから
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