記者会見などにおける知事の発表や質疑応答をブランド・コミュニケーション戦略チームでとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
会見日:令和2年5月15日(金曜日)
(1)令和2年広島県議会4月臨時会付議事項(2)について
(2)令和2年広島県議会4月臨時会付議事項(2)について
(事務局)
それでは,令和2年5月補正予算案について,知事からの発表を行います。知事,よろしくお願いします。
(知事)
4月補正予算編成後の状況変化等を踏まえた,令和2年4月臨時会付議事項の概要について,ご説明させていただきます。この前回の補正予算後の状況変化を踏まえまして,新型コロナウイルス感染症の拡大によるさまざまな課題に,迅速かつ適切に対応するために,緊急対応策を追加で実施することといたしまして,今般,臨時議会を5月22日に開催して,補正予算案を提案させていただくことといたしました。資料をご覧いただければと思いますけれども,今回の補正予算額は約17億円となっております。〔資料の〕「2(1)会計別の状況」にありますように,今回は全額一般会計の補正となります。今回の補正予算では,「3密を避けた事業継続と雇用維持」といたしまして,外出自粛要請などによる大幅な売り上げ減少など大きな影響を受けている事業者の皆さまに対する緊急支援として,六つの事業を実施することとしております。新型コロナウイルス感染症の影響によって,消費が縮小して販売に苦慮している県産品に対して,消費拡大を図るとともに,事業者の独自ECサイトの開設やビジネス展開にむけた支援を行うことによって,販路拡大を進めるという事業でございます。また,道の駅です。この地域産品について,ECサイトを活用した通信販売の取組を支援してまいります。これは主に,中山間地域の事業者の皆さまへの対策ということになります。加えて,同様に消費が減退して販売に苦慮されている花き,お花です。お花について,家庭やオフィスでの需要を喚起するために,インターネットを活用した会員特典付きの定額購入サービス,また,花の魅力に係る情報発信,こういったものに対する支援を行ってまいります。次に,飲食店の取組に対する支援ですけれども,飲食店〔は,営業時間短縮を〕解除後も,まだまだ厳しい状況が続くのではないかと考えておりますが,意欲的に取り組んでいただいている事業者さまもたくさんございまして,先般補正で組みましたデリバリー対応等の助成金の事前の申出の受付件数が,13日時点で379件となっています。これは,当初の想定を大幅に上回っておりまして,さらに多くの申請が見込まれるので,今般,追加の予算を確保いたしまして,テイクアウトやデリバリーへの新規参入を後押しして参りたいと考えております。また,この度の補正予算の提案とは別途,この予算の中には入っていないのですけれども,別途,営業許可の申請手数料の免除または返還を行います。これは,どういうことかと言いますと,テイクアウトとデリバリーの営業許可と,その場で食事をするいわゆる飲食店,レストラン等の営業許可が,微妙に実は違いまして,この変更に係る営業許可の手数料があるのですが,これを免除いたします。既に,手数料を払っていただいている事業者さまもたくさんいらっしゃるので,これは返還を行うということであります。それから続いて,観光・飲食関連事業者への支援,これも,観光関連の事業者さまも,非常に大きなダメージを受けているところでありますが,今は,なかなかお客さんに来てほしいと言える状態でもありませんので,今後,新型コロナウイルス感染症が収束した後,観光ができるといったような状況になった時というか,そういう時を見据えて,そうはいっても足元の資金が不足していますから,足元の資金を調達する取組の支援をしてまいります。具体的には,先ほどもちょっと触れましたけれども,クラウドファンディングを行ったり,あるいは収束後に使えるようなチケット,こういったものを発行していただくということで,資金調達をすると〔いうことです〕。それを支援する団体があるわけですが,そういった団体に対して必要経費を支援いたします。これは,団体といっても,どちらかというと業界団体あるいはグループで,こういった対応をするところを支援させていただくというようなことであります。そして最後ですけれども〔資料の〕表の最後にありますが,雇用調整助成金であります。雇用調整助成金は,事業主の皆さまにとっては,従業員の雇用を続けることができる。〔それ〕で,雇用を続けるために,雇用を続けるというか,人件費というのが,やはり非常に大きな固定費で,大きな負担になりますので,雇用を続けながら,売り上げが減った状態,これを維持するというのは非常に難しいですが,ただ,従業員の雇用を続けることで,回復の時に,お店の立ち上げも早くなるということがございます。したがって,その固定費を支援する,それから〔回復期における事業の〕立ち上げを早くする〔と〕,こういった意味があります。そして,従業員にとっても生活を守ることができるということであります。そして,事業と雇用が守られるということで,広島県経済全体の回復も早くなるという効果がございます。そういう意味で非常に効果的な制度なのですけれども,この雇用調整助成金〔は〕,今,めまぐるしく制度の拡充であるとか要件緩和,あるいは申請書類の簡素化といったことが行われておりまして,非常に〔申請するのが〕難しいということになっております。そういう状況から,制度の理解も難しいし,そもそも,この制度を「知らない」という事業者さまもたくさんあるので,この活用を促進するために,雇用調整〔助成〕金の申請サポートとして,事業者が雇用調整助成金の申請に要する費用の支援を,1社あたり10万円とするということといたしました。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響につきましては,引き続き,感染拡大などの状況であるとか,あるいは経済面への影響を注視しながら,今後についても,さらなる補正予算を組んでいくということも含めて,時機を逃さず,しっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。
(事務局)
それでは,皆さまからの質問を受け付けたいと思います。
(中国新聞)
中国新聞の畑山です。今回,〔補正予算案として組まれた額は〕約17億円ですけれども,財源は何から当てているという理解でしょうか。〔歳入欄に〕繰入金とありますけれども。
(知事)
今回は基本的に,減債基金〔です〕。財政調整的基金の中に入る減債基金〔で〕,これは〔約〕190億円あるのですけれども。
(事務方)
〔正確には〕193億円です。
(知事)
193億円あるのですけれども,こちらから17億円を当てることとしております。
(中国新聞)
前回の補正〔予算案発表〕の時にも話になりましたけれども,かなり,財政的に厳しい状況の中で,こういった17億円を出してきたと言いますか,そこへの思いというか,そういったお考えの部分〔を伺えますでしょうか〕。
(知事)
とにかく,今,事業者の皆さまの苦境というのは,まさに「待ったなし」だと考えておりまして,我々でできる限りのことをしていかなければいけないと考えております。一方で,もちろん,これから出水期も迎えるなど災害対応ということも考えられることから,その中で,現時点で,できるぎりぎりのところで対応していきたいということで,今般の補正予算案を組んでおります。
(中国新聞)
財源確保については,あらゆる事業の見直しをしていくことも,既に着手してらっしゃるかと思います。それについての,現状の見通しはいかがでしょうか。
(知事)
今,だんだん整理できておりますので,これも遠からず提案していきたいと考えています。
(中国新聞)
額の規模などは,まだ〔示すことができる段階ではないのでしょうか〕。
(知事)
それについては,ちょっとまだ,申し上げられる段階ではありません。
(中国新聞)
前回の補正〔予算〕では,医療提供体制の部分に,かなりお金が割かれていたかと思うのですが,今回,経済面の部分のみとなっていて,この数日間の動きと言いますか,感染拡大防止と社会・経済活動の再開の両立という話の中で,こういう予算〔案〕が出てきたのかなと思うのですけれども,そういう理解をして良いでしょうか。
(知事)
すみません,国の動きがそうなっているから,ということではなくて,我々〔は〕,今,事業者の皆さまに対する支援というのは,先ほども申し上げたように「待ったなし」でやらなければいけないと思っていまして,これについては,何と言いますか,順次,まとまった段階で〔補正予算案を提案する〕と言うとあれ〔正確ではないかもしれない〕ですけれども,もちろん,そういう対応ができる状況にならないとできない対応というのもありますけれども,今,ご提案しているようなものは,今,まさに,できるようなことなので,これは時を待たず,提案させていただくということであります。
(読売新聞)
読売新聞の木村です。先ほど言及〔が〕ありましたけれども,今回は減債基金を取り崩してということでしたが,財政調整基金の方には,手を付けておられないということですか。
(知事)
はい。財政調整基金の方は,4億円引き続き残した形にしております。
(読売新聞)
わかりました。この予算を見る限りは〔該当するものが見当たらないのですが〕,休業要請の協力支援金を,今後,上積みされる考えはないと先日表明されましたが,その方針には変わりはないと考えてよろしいですか。
(知事)
はい。
(読売新聞)
わかりました。ありがとうございます。
(事務局)
その他,〔ご質問は〕ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(NHK)
NHKの岩田と申します。財源についてなのですけれども,以前,知事の方から,職員の特別給付金をどうするというような話もありましたけれども,知事の方で,そういった財源を捻出することで,今後,検討することは何かありますでしょうか。
(知事)
先般から申し上げていることですけれども,事業見直しなども含めて,あらゆる財源確保策については,聖域なく検討していかなければいけないと考えています。
(NHK)
一部報道で,ボーナスのカットとか,知事の給与の返還とか,それを財源に当てるという話もありますが,その点はいかがでしょうか。
(知事)
それについては,私の給与,報酬の減というのを検討しておりまして,これは議会とも合わせる形になっていますけれども,半年間で約35パーセント程度のカットをしたいと考えております。
(NHK)
それについて,あらためて飲食店を始め,いろんな事業者が売り上げに影響があるという中で,どういう思いでそのような選択をされたのでしょうか。
(知事)
何と言いますか,我々自身,事業見直しをしているところでもありますので,我々自身も身を切る覚悟で取り組まなければいけないと考えています。〔それ〕で,こういった給与カットについても,実際には苦しんでおられる飲食であるとか宿泊事業者の皆さまの苦境と比べるような話ではないと思っておりますので,とても,そういうところには及ばないのですけれども,むしろやはり,私としては,いろんな事業を行わないということは,県民の皆さまに,これまでお約束してきたサービスを減らすということになるわけです。もちろん,それは新型コロナウイルス対応ということで,違う形でサービス提供させていただくのですけれども,そういったことに対して,我々自身も力を尽くして,身を切っていくということで,〔私自身の〕報酬のカットも必要だと思っているところです。
(事務局)
その他,〔ご質問は〕よろしいでしょうか。それでは以上を持ちまして,予算案の発表を終了します。ありがとうございました。
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