記者会見などにおける知事の発表や質疑応答をブランド・コミュニケーション戦略チームでとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。
会見日:令和2年8月4日(火曜日)
(1)新型コロナウイルス抗体保有率調査について
(2)被爆75周年に向けた海外著名人からのメッセージについて
(3)新型コロナウイルス抗体保有率調査について
(4)被爆75周年に向けた海外著名人からのメッセージについて
(5)旧広島陸軍被服支廠について
(6)旧広島陸軍被服支廠について
(7)黒い雨訴訟の判決について
(8)旧広島陸軍被服支廠について
(9)黒い雨訴訟の判決について
(10)お盆期間中の帰省等について
(幹事社:HTV)
幹事社の広島テレビです。これから知事定例会見をはじめます。よろしくお願いします。終了時刻は11時00分を予定しています。ご協力よろしくお願いいたします。まず,知事から冒頭発言が1件ありますので,よろしくお願いいたします。
私から,今日,発表項目1点と,その前に冒頭発言を1点させていただきたいと思います。新型コロナウイルス抗体保有率調査についてであります。県では,この度,新型コロナウイルス感染症の市中の感染実態などを把握して,今後の感染拡大防止対策を検討するために,県独自の抗体保有率調査を広島大学に委託して実施いたします。この抗体検査は,県内延べ約1万人,広島市,東広島市,福山市,三次市,北広島町にお住まいの方を対象に実施いたします。住民基本台帳から無作為に抽出された方に,ご協力依頼のお手紙が自宅に届くことになります。対象となられた方には,8月から9月にかけて1回,10月から12月にかけて1回,12月から2月にかけて1回,計3回,無料の血液検査とアンケート調査のご協力をお願いすることとしております。検査の実施に当たりましては,受付人数の制限や体温チェック,消毒,会場の換気はもちろんですけれども,対応するスタッフの体調管理も徹底するなど,感染防止にはしっかりと取り組みますので,安心して調査にご協力をいただきたいと思っております。なお,抗体検査は,過去,感染していたかどうかを調べるものでありまして,今回の検査で陽性でありましても,自宅待機などをお願いするものではありません。当然ですけれども,収集しましたデータの個人情報管理なども徹底してまいりますので,本県における疫学調査のために,抗体調査のご協力の案内が届いた皆さまには,ぜひ,調査にご協力をお願いしたいと思っております。繰り返しになりますけども,これは県内全体で,どれくらい過去〔に〕感染した方がいらっしゃるのか,ということを統計的に把握していくためのものでありまして,個別の感染,特にその時点で感染しているかどうかという,いわゆるPCR検査等とは違いますので,そこを良くご理解いただいて,そして,これはまさに統計調査なので,皆さまがご協力いただけないと,的確な調査結果にならないので,ぜひご協力をお願いしたいと思っております。
それから,今日の発表項目でございます。被爆75周年に向けた,海外の著名人からのメッセージについてであります。県では,被爆75周年の今年,核兵器廃絶に向けた国際的な機運を高めて,賛同者を拡大するために,海外の影響力のある方々に被爆100年を展望し,これからの広島に求める役割・期待することについてメッセージを募ったところであります。この度,バラク・オバマ前米国大統領,それからローマ教皇フランシスコ台下からメッセージをお寄せいただきました。〔メッセージを示して〕こちら,これがオバマ前大統領のメッセージでございます。オバマ前大統領からは,「原爆投下の日の記憶を持つ被爆者の方々と挨拶を交わしたことを忘れることはないでしょう。彼らはいつも私たちに訴えかけてきます。科学の進歩が破壊するためではなく,何かを築いていくために利用される平和な世界を希求することを決してあきらめてはならないのだ。」というメッセージをいただいております。〔メッセージを示して〕それからローマ教皇のメッセージでございます。こちらです。ローマ教皇からは,「平和と繁栄を築くためには,すべての人々が兵器を,中でも最も強力で破壊的な兵器である核兵器を放棄しなければならないことは,かつてないほど明らかです。核兵器には,都市や国をことごとく損ない,破壊する力があるのです。」という力強いメッセージをいただきました。両氏以外にも,前国連事務総長のバン・キムン氏や,ICAN事務局長のベアトリス・フィン氏など,多くの方々からメッセージをお寄せいただきました。これらのメッセージの全文は,「国際平和拠点ひろしまウェブサイト」に掲載しておりますので,ぜひ,ご覧いただければと思います。県では,メッセージをお寄せいただきました皆さまの,核兵器廃絶の実現に向けた強い思いをしっかりと受け止めて,また,8月6日に開催いたします,国際平和のための対話イベントであります「UN75 in Hiroshima」や,「広島-ICANアカデミー」などを通じまして,国内外のより多くの皆さまに,核兵器や平和について関心を高めて行動に繋げていただけるように取り組んでまいりたいと考えております。私からは以上です。
(幹事社:HTV)
それでは,知事の冒頭発言,そして発表内容に関して,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いいたします。なお,手話通訳者が通訳しやすいよう質問ははっきりとお願いいたします。まずは冒頭発言に関して,質問がある方は挙手をしてください。
(朝日新聞)
朝日新聞の北村です。よろしくお願いします。抗体保有率の検査について,このタイミングでやられる理由について簡潔に伺えるでしょうか。
(答)
3回に分けて行うわけですけれども,この期間〔7月から〕の感染の拡大が,潜在的にというか,先行してあったかどうかということも含めて,今の感染状況を把握したいというところであります。
(朝日新聞)
今も,現時点でだいぶ全国,広島県内含めて,この間〔7月からの〕,いわゆる第二波という形になるかどうか分からないですけれども,感染が拡大している〔状況を踏まえて〕ということ〔ですか〕。
(答)
それは違います。元々,〔調査を〕企画していたもので,準備してきたところ,その間に感染状況が,また拡大してきたということなので,感染状況の拡大にあわせてこれを企画したということではありません。
(朝日新聞)
分かりました。
(日経新聞)
日経新聞の田口です。抗体検査〔を〕3回にわけて〔実施する〕ということですが,結果の公表については,いつ頃,どういった形で〔実施するのでしょうか〕。
(答)
結果の公表は,〔事務方に向かって〕どうでしょうか。すみません,まだ未定ということであります。
(幹事社:HTV)
その他,〔質問は〕ございますでしょうか。〔他に質問がないようですので,〕それでは続きまして,発表内容について質問のある社は,挙手をお願いします。
(NHK)
NHKの五十嵐です。あらためてお伺いしたいのですが,被爆75年というこの節目で,アメリカの前の大統領から力強いメッセージを送られたということなのですが,国際的なインパクトと言いますか,知事はどのように受け止めていますでしょうか。
(答)
まずもって,今回,ご紹介したお二人ですけれども,オバマ前大統領それからローマ教皇,お二人共,広島訪問の記憶が鮮明にやはり残っているということで,非常に強い印象を受けておられるということだと思います。実際に被爆地を訪問して,被爆者の方々と出会ったということに感銘を受けているということが,すごく印象的にあると思います。やはりそれぐらい〔被爆地〕訪問というのは,インパクトがあることと思いますので,今はコロナ〔の影響〕でなかなか〔訪問していただくのは〕難しい状況ではありますけれども,これが収束をすれば,各界のリーダーをはじめとして,多くの世界中の皆さまに被爆地を訪れていただいて,被爆の実相に触れて,理解を深めていただきたい。そして核兵器のない平和な世界の実現に向けた決意を新たにしていただきたいとあらためて思ったところであります。
(幹事社:HTV)
その他〔に質問は〕いかがでしょうか。〔他に質問がないようですので,〕それでは続きまして,幹事社質問に移らせていただきたいと思います。広島県は3棟所有する「旧広島陸軍被服支廠」について,来年度の予算編成を目途に保存・利活用に関する結論を出すとの方針ですが,現在の検討状況についてお伺いいたします。また,7月31日に国会議員からの申し入れも行われたところでありますが,こうしたことも踏まえ保存・利活用について,どのようにお考えか教えていただければと思います。
(答)
まず,〔利活用の方向性の〕検討については,いろいろな分野の皆さまからご意見を伺う必要があると考えてきたところですけれども,残念ながら,コロナのために外出自粛などもありまして,〔それ〕で,中々ご意見を伺うことができない状況が続いてきたところであります。〔それ〕で,6月から,移動の自粛も解除いたしましたので,そこから意見交換を始めているところでありまして,いただいたご意見,これまでにいただいたご意見も踏まえながら,具体的な検討の進め方を,今まさに議論しているところです。〔それ〕で,自民党の〔原子爆弾被爆者救済並びに核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を〕推進〔する〕議員連盟の皆さまにも〔現地に〕足を運びいただきましたけれども,決議という形で〔文書を〕いただいた〔のですが,文書の〕内容はこれまで,我々が考えていることと同じ,あまり大きな差異はないところだと思いますけれども,そういったことも参考にさせていただきながら,国あるいは,広島市にも責任ある立場として参画いただいて,幅広い観点から検討していく必要があると引き続き思っているところであります。〔それ〕で,安全対策というのが,一方でありまして,利用・保存もあるのですけれども,安全対策,これについてやはり喫緊の課題であると思っておりますので,早急に,これは方針を示していきたいということで,令和3年度の当初予算〔編成時期〕までに,そこを一つの目途として検討を進めていきたいと申し上げておりましたけれども,そこについては,変えずに〔検討を〕進めていければと考えているところです。
(幹事社:HTV)
それでは,この件について,質問がある社は〔挙手を〕よろしくお願いします。
(中国新聞)
中国新聞です。7月31日の〔推進議員連盟からの〕申入れの後に,〔推進〕議〔員〕連〔盟〕の先生方が記者会見されまして,議連側から財源の問題を持ちかけてはいないということですが,知事の方からは,国としても,財源の話など財政支援などを考えてほしいというような趣旨の発言はあったとおっしゃっていたのです。その辺り,知事がどういうことをまず言われたのかということを確認させていただきたいのが一つと,やはり非常に保存・活用には,お金がかかってくることなので,あらためて国なり市なりに求めることがあればお願いします。
(答)
私からは,財源の問題はもちろんですけれども,やはり国も所有者であるということがありますので,主体的に参画をお願いしたいということと,それから財源について,これまでの財源支援の枠組みがあります。被爆建物に対しての補修に対する補助だとか,あるいは文化財の枠組み,こういったものでありますが,これはもうご承知のとおり,今の枠組み自体ではとても〔金額が〕小さいので,この被服支廠については,ちょっとスケールがあっていない状況があるということで,そういう意味で,こういった枠組みを使うのであれば,やっぱり特別な支援ということも含めて国の支援のあり方というのを検討していただきたいということをお願いしたところであります。
(中国新聞)
それに対しての〔推進議員連盟からの〕返答というのはどのようなものでしたか。
(答)
具体的なご返答があったわけではありませんけれども,クラウドファンディングであるとか,ユネスコ〔など国際機関の基金の活用〕のお話はされていました。具体的な内容というよりは,そういうものもあります,というようなお話でございました。
(中国新聞)
広島市長の2月〔の会見のとき〕に,〔市長は〕県の持っている3棟を全て保存を〔してもらいたい〕というようなことを言われましたが,広島市の方については,事務的な協議とかが進んでいるのかどうかということも含めて予算なり,予算というか何らかの費用負担なり,知事の方からお考えがあればお願いします。
(答)
現時点で,今,耐震というか安全確保の具体的な方策だとか,さらに耐震についても,いろいろ調査しているところなので,そういう状況ですから,何か具体的に,市にこういうお願いをしたいというところまでは,まだ至ってないというところです。
(中国新聞)
あと,今後の方向性なのですけれども,先ほどいろいろな分野の方の意見を聞いているということでしたけれども,当初予算では,国・県・市と3者で今後の方向性について検討していこうという予算も入っていたと思うのですけれども,コロナで,なかなか進んでいないというのもあるのでしょうけれども,どういった方に意見を聞いて,これからどういう方向性というか,方向性を出すためにどういう議論をしていきたいとお考えでしょうか。
(答)
まず,安全対策ということが非常に重要なので,壁面の補強調査であるとか,設計業務をやっていますけれども,そういう安全面についてのご意見,それから建物の価値の話がありますので,そういったことについてのご意見などを,今,お伺いしているところでありまして,〔それ〕で,市と国を含めた議論というのは,やはりそういったもののある程度の基礎の〔共通〕認識をベースに進めないといけないと思いますので,そういう意味での基礎材料集めと言いますか,考える上での材料というか,そういったものをまとめようとしているところです。
(中国新聞)
安全対策というのは,当分,倒れないようにするということだと思うのですけれども,早急にと,先ほどおっしゃられたのですが,そこは県の〔所有する〕3棟とも,できるだけ早急に〔安全対策を〕やっていく必要があるというお考えですか。
(答)
それも含めて〔検討しているところです〕。結局,保存なり〔利活用なり〕をどうするかということになると思いますので,今,何棟保存だとか〔決めているというような〕,そういうことではありません。
(中国新聞)
ありがとうございました。
(幹事社:HTV)
その他,〔質問は〕ございますでしょうか。
(読売新聞)
読売新聞の木村と申します。先月,広島地裁が出された黒い雨に関する判決なのですけれども,原告団の方から控訴を断念するように申し出があったと思うのですが,現時点で県の方針で決まっていることがあれば教えてください。
(答)
我々としては,控訴しないという被爆者援護の立場に立って,引き続き〔取り組んでまいりたいと考えています〕。広島市もそういうスタンスだと思うのですけれども,広島市と一緒に,国と協議したいと考えております。
(読売新聞)
今,国・広島市と協議中ということでよろしいですか。
(答)
はい。
(読売新聞)
国や広島市が控訴断念を表明されたら,県もそれに準じてという形になるのでしょうか。
(答)
ですから,我々としては,県としては,控訴したくないと考えているということなので,控訴したいと思っているかもしれないのは,国の方でありまして,国が控訴しないとなれば,当然〔控訴は〕しないという〔ことです〕。
(読売新聞)
わかりました。ありがとうございます。
(NHK)
NHKの五十嵐です。被服支廠の方に戻るのですけれども,議連の国会議員の方々が,加藤厚〔生〕労〔働〕大臣が8〔月〕6〔日〕の日に被服支廠を式典後に現地視察することで調整しているという発言があったんですが,まず,これについて厚労省から県に連絡がきているかどうかと,仮に実現する場合に厚労大臣の現地視察に対してどういったことを期待されているか,お願いします。
(答)
これについては,我々が聞いていますのは,今日3時から総理〔大臣の〕日程の発表があるということで,そこであわせて厚労大臣の〔日程も発表されて,厚労大臣が〕どうされるかということについても,お話があると聞いています。
(NHK)
仮に加藤厚労大臣が被服支廠を現地視察される場合,知事としてどういったことを期待されますか。
(答)
やはり,今,検討を進めているところでありますので,今後それを,具体的に,具体的にというか最終的に,方向性を打ち出していくためには,やはり国が4棟目の所有者である。4棟目というか,4号棟の所有者でありますので,また被爆者援護法に基づく平和を祈念するという事業の主体でもあるということでありますので,それを所管する厚労省にも責任ある立場で検討に加わっていただきたいということをお願いしたいと思っておりますし,まずは実際に視察いただければ,建物の現状であるとか,あるいはその価値,いろいろな議論があるわけですけれども,それについて,大臣なりにご認識いただける機会になるのではないかということを期待しているということです。
(朝日新聞)
朝日新聞の北村です。また,話が戻って大変恐縮なのですけれども,黒い雨の訴訟の件で,ちょっとお伺いしたいのですけれども,控訴断念を県の方としては,考えていらっしゃるということなのですけれども,その先で,例えば,今回,線引きと言うか,〔被爆者健康〕手帳交付の線引きのところで1号〔直接被爆者〕だったら距離だとか,2号〔入市者〕だったら期間とか,今回の3号〔身体に放射能の影響を受けるような状況下にあった方〕については,〔被爆者健康手帳の〕交付のときにある程度の線引きというか,ガイドラインを今後,社会的には示さなくてはならなくなるのではないかと思うのですけれども,その辺りの考え方については,現時点でどのように考えていらっしゃるでしょうか。
(答)
まず,実際に原爆症と認定される症状があるかどうかというところも課題になっていると思うのですけれども,そういったことであるとか,あるいは今回の黒い雨に関して言うと,線引きをそもそも明確にすることができるのか,雨の範囲,雨というのは自然現象ですから,こことここと1メートル違ったら,どう違うのかというように,これは科学的に差があるわけではないと思うのですけれども,そういったことをどのように処理するのかとか,そういったことを考えていかなければいけないのではないかと思っています。
(朝日新聞)
その辺りの考え方というか,国に対しての働きかけというか,これまでの基準と替わるようなものをどうお考えですか。
(答)
今,国が言っているのは,どちらかと言うと被爆者の方に〔被爆したという〕証明責任を負わせているような状況なのです。〔それ〕で,これについては,まずもってこれだけ多くの方の証言というのが〔あり〕,それなりに信ぴょう性があると裁判所でも判断されていますし,そもそも国が決めた範囲というものが,黒い雨の降雨範囲というものが,そもそもが限定的な調査の上に成り立っているもので,なおかつ,そんな物理現象でくっきりと線引きができるはずがないものが,あたかも科学的根拠みたいな形で言われているということ自体が判断のベースとして行きすぎなのではないかと思うので,現に原爆症ではないかと疑われるような症状がある。〔それ〕で,黒い雨を浴びたということが,それなりに一定程度矛盾しないような場合には,幅広く認めていくというのが,被爆者がこれだけ高齢化した中で,しかも,今も〔認定されずに〕残っていらっしゃる方というのは,ほとんど〔が被爆した当時〕子どもだったわけです。小さい頃です。そういう状況の中で,被爆者が〔被爆したことを〕証明するというよりは,幅広に,矛盾しないのであれば,認めていくというような方向にしていただきたい。それはまさに政治判断なのではないかと思います。
(中国新聞)
中国新聞の岡田です。黒い雨の関連で〔伺います〕。そもそも,今回の地裁判決について,知事は率直にどう受け止められたのか,その辺を聞かせていただけますか。
(答)
今,申し上げたところと被りますけれども,幅広く〔救済する〕,この被爆から75年ほど経って,それなりの信ぴょう性をもって証言されている皆さま方を,幅広く救済するという,そういう立場に立った判決ではないかと受け止めています。
(中国新聞)
基本的には,最後は,知事も先ほどおっしゃいましたけれども,政治判断で,もう解決するしかないという認識〔でしょうか〕。
(答)
元々,この黒い雨の範囲も,私は政治的な,何と言うか,判断での線引きなのだと思うのです。つまり,雨がどれだけ,どこの範囲に,どれだけ降ったのかというのも科学的に証明することができないのです。その中で,しかも,そもそも例えば建物の中にいて,直接〔黒い雨を〕浴びていません,というような方々もいらっしゃるのですけれども,いらっしゃるかもしれないのですけれども,そういう方々も含めて,今の範囲内であれば,現に原爆症と思われるものを発症している場合には,対象にしているわけです。だから,そこはまさに,別に科学的判断とかではなくて,政治的判断でそうなっているという要素が非常に強いのだと思うのです。元々です。〔それ〕で,それを,どこまで広げるのかということで,問題になっているのだと私は理解していますので,そもそもだから,科学的に証明することが非常に難しいですし,政府も科学的に証明して対象にしているとは言い難いので,ちょっと繰り返しになりますけれども,なので,そこは政治的に考えていくという〔ことだと思います〕。今の被爆者の年齢であるとか,もう75年も経ってきたという〔事実があります〕。被爆25年とかであれば,まだ,いろんな方策があったかもしれませんけれども,75年も経って,非常にいろんなことを証明したりとかということが難しくなっているというところで,厳しい証明責任を被爆者に求めるのは酷だなと思います。ですから,現にやはりそういう原爆症と思われる,というか認定されている,他〔の事例〕でですが,症状がある場合には認めるということではないかと思っています。
(中国新聞)
今回,被告が県と広島市なわけで,考え方によっては,国が控訴しろといっても,県と市として突っぱねることも,考え方としてはあると思うのですけれども,その辺について,もし,国が控訴しろといってきた場合の県の対応はいかがでしょうか。
(答)
これは,法律解釈をどう考えるかですけれども,法定受託〔事務により事務を行う〕義務というものがありますので,これは一般的な委託と受託の関係,委任ということがあるのだと思います。それについては,委託者,委任者の意思がはっきりしているところで,それに反することを行うということが法律的にどうなのかという問題が,やはりあるのだろうと思います。まずです。そこで委託〔と〕受託という関係が成り立っているのだと思いますので,そういったことも勘案していかなければいけないとは思います。だから,ちょっと法律的には微妙なところです。
(中国新聞)
ということは,基本的に,国が控訴しろと言ってきたら従わざるを得ないと,今のところ認識して〔いるということでしょうか〕。
(答)
基本的な枠組みとしては,そういう枠組みの中で,今のようなことが行われているのだとは思います。
(幹事社:HTV)
それでは,時間もまいりましたので,そろそろその他の質問も含めて最後の質問にさせていただきたいと思います。〔質問は〕ありますでしょうか。
(産経新聞)
産経新聞の格清と申します。お盆が迫っておりましてですね。政府の方も帰省に関する方向性とかを示そうとしているんですけれども,県として帰省とかの動きとか,そういうのは,どうお考えなのか教えていただきたいのですけれども。
(答)
これについては,昨日も中国地方知事会でメッセージの発信をさせていただいたと思いますけれども,一律に帰省しないでくださいとか,そういうことは,なかなか難しいかと思っています。ただ,やはり帰省ということなので,どんな方がどこに帰省するのかということも,もちろんあるわけですけれども,高齢のご家族がいらっしゃるということも容易に想定されて,その場合,重症者リスクも高いという,そのような状況もあるので,そういったことも十分に勘案して,よく考えていただきたいというのが,まずあります。 それから,もし帰省された場合には,これもどこから帰省されるのかということで,感染拡大地域から帰省されるような場合には,やはり,そのリスクを十分認識した上で,例えば,皆さんで食事などをされると思うのですけれども,そういった場面は非常にやはり,マスクを外して,声を出すというようなリスクの高いことでもあるので,そういった場面で感染しないように,十分気を付けていただくとか,これは席を離すとか,お家の中で衝立を立てるというのは,なかなかそのために,購入するのは難しいかもしれませんけれども,そういったこともできなくはないので,そういった対策を十分にとっていただきたいと思います。
(産経新聞)
あと,もう1点だけなんですけど,知事は観光に力を入れていると思うんですが,今,結構ままならない状態だと思うんですけど,その点に関してですね,知事が,今,どう観光を力を入れていくと思っているか伺いたいんですけど。
(答)
今,県のスタンスとしては,まず,やはり観光するのであれば,近場で行っていただきたいということでありまして,何と言いますか,今,県の観光の施策も出していますけれども,コロナ〔対策〕の〔施策で〕も出していますけれども,まずは県内,それから,中国地方とか愛媛県とか隣接しているような県での観光,あるいは,そこからのお客さんの受け入れという,それをベースに,対処としては考えた上で,もちろん観光事業者さん,これはもちろんホテルだとか,あるいは,いろんなアクティビティとかやられるところ,提供されるところもあるのですけれども,そういうところでは,予防策を徹底していただきたいということです。〔それ〕で,もちろん旅行される方自身も,〔予防策を〕徹底していただきたいということであります。さらには,そういった旅行に出かける前は,やはりリスクの高いことは控えて,だから感染するリスクを高めた上で行くのではなくて,そこは抑えた上で旅行していただきたいと思います。
(幹事社:HTV)
予定時刻を過ぎましたので,この辺りで終了とさせていただきたいと思います。次回の定例会見は8月18日火曜日午後1時30分からを予定しています。ありがとうございました。
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