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知事記者会見(令和5年1月31日)

印刷用ページを表示する掲載日2023年1月31日

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答をブランド・コミュニケーション戦略チームでとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和5年1月31日(火曜日)

冒頭発言

〔動画〕

(1)新型コロナウイルスの感染状況等について

質問項目

(2)新型コロナウイルスの感染状況等について

発表項目

(3)広島サミットを契機としたGSHIP連携海岸清掃について

質問項目

(4)国の公共交通再編法改正案骨格について

(5)職員の逮捕について

(6)社会福祉法人サンフェニックスについて

(7)盛土の安全対策について

(8)住民基本台帳人口移動報告の公表(総務省)について

会見録

 (幹事社:山陰中央新報)
 幹事社の山陰中央新報です。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は11時を予定しています。ご協力をお願いします。まず,知事から冒頭発言が1件ありますので,お願いします。

新型コロナウイルスの感染状況等について

 それでは,コロナの感染状況,それから「医療非常事態警報」の解除についてご説明したいと思います。まず,お手元の〔資料を〕めくっていただいて1ページ目というか,ページ数で言うと2〔ページ〕です。感染状況ですけれども,年明けに,1日8,000人を超える新規感染者数〔が〕3日連続で確認されまして,1月の3連休前に,県民の皆さまに,感染対策の徹底などをお願いいたしました。その後の感染状況を見ますと,1月中旬から減少傾向に転じまして,直近1週間の新規報告数の前週比も「1」を下回って推移しております。こういったことを踏まえて,現状では,ピークアウトしたものと判断しています。今後の感染状況の推移につきまして,直近の前週比を踏まえたシミュレーション,見通しをいたしますと,スライドの3ページのような状況になります。今回のこのシミュレーションは,1月25日に実施しておりますが,その後の感染者の数は,ほぼ,この緑のライン,〔つまりこの図の〕下の方のライン〔ですが〕,こちらに沿って推移しておりまして,このままこのラインに沿って減少すれば,2月の半ば過ぎには,直近1週間の人口10万人当たりの新規報告者数も200〔人〕を下回るような状況になってまいります。今後,減少傾向が継続する見込みと考えています。それで,〔資料の〕4ページですが,感染状況のシミュレーションを基にしまして,入院患者数のシミュレーションをしたものが,このスライドになりますが,緊急フェーズ2の病床使用率につきまして,1月24日に50パーセントを切りました。そこから安定して50パーセントを下回って推移しているという状況です。入院患者数も,この緑の線に沿って減少しておりまして,このまま緑のラインに沿った入院患者数の減少が続けば,2月の初旬にも,緊急フェーズ2の病床使用率が30パーセントを下回る見込みとなっています。〔資料の〕5ページになりますが,こうした状況を受けまして,今回,一般医療への影響をできるだけ少なく抑えていくために,病床数を1段階下の緊急フェーズ1まで引き下げることといたしまして,準備の整った病院から順次変更してまいります。この病床フェーズの引き下げによりまして,確保病床数は917床から785床になりまして,132床減少します。また,感染レベルにつきましては,感染レベル2を維持いたします。〔資料の〕6ページになりますが,感染状況〔は〕減少傾向が継続しておりまして,ピークアウトしたと判断したと申し上げたところであります。また,病床使用率が50パーセントを切って,医療機関の欠勤者数であるとか,あるいは救急搬送困難事案なども改善の方向で推移しておりますので,医療の負荷も低下してきていると考えております。こういったことを踏まえて,本日1月31日をもちまして,本県独自の「医療非常事態警報」は解除いたします。県民の命と健康を守るために奮闘いただいております,医療,それから介護に関わる皆さま,感染防止対策に取り組んでいただいております全ての県民の皆さまに,あらためて感謝申し上げます。次に,〔資料の〕7ページをご覧いただくと,インフルエンザの状況なのですが,コロナは減ってきているのですが,インフルエンザの方が,3シーズンぶりに流行しています。先週木曜日,1月26日に,県内全域にインフルエンザ注意報を発令しました。過去の流行シーズンの状況と同様に,今シーズンも流行開始から急激に患者数が増加しております。このままインフルエンザの感染拡大が進めば,外来医療のひっ迫も懸念されるところであります。〔資料の〕8ページになりますが,県民の皆さまには,あらためて次のことをお願いしたいと思います。まず,2月以降も,発熱などの症状が出た場合には,これまでと同様に,高齢者などの重症化リスクの高い方が適切に受診できるよう,リスクの低い方は,抗原定性検査キットによるセルフチェックを,まずお願いします。また,医療機関を受診する場合には,必ず事前に連絡していただいた上で,受診するようにお願いいたします。〔資料の〕9ページになります。先日,1月27日に,国の対策本部におきまして,特段の事情がない限り,5月8日から,新型コロナを5類感染症に位置付けるということが決定されました。5類感染症への変更に伴いまして,これまで講じてまいりました各種の政策や措置についても,こちらの表に上げてあるとおり見直されるということとなっています。特に,「1患者等への対応」,それから「2医療提供体制」につきましては,3月上旬を目途に具体的な方針を示すとされておりまして,マスクの取扱いについては,早期に見直しの時期を含めて示されるという見込みとなっています。本県の,5類感染症への移行に伴う今後の対応につきましては,こうした国の整理を踏まえて,できるだけ速やかに検討してまいります。スライド〔の〕10〔ページ〕になりますが,感染拡大がピークアウトして,「医療非常事態警報」を本日解除いたしますけれども,感染水準としては,まだまだ高い状況であって,インフルエンザも同時に流行しております。県民の皆さまには,引き続き,基本的な感染対策や,高齢者などの重症化リスクの高い方を守る行動などに取り組んでいただくようお願いいたします。おじいちゃん,おばあちゃん,それから友人の皆さまにも気兼ねなく会える生活を,一緒に取り戻していきましょう。私からは以上です。

 (幹事社:山陰中央新報)
 この件について,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いします。なお,手話通訳者の方が通訳しやすいよう,質問は,はっきりとおっしゃっていただくよう,お願いします。

 (RCC)
 すみません。中国放送の平田と申します。まず,政府の5類への引き下げの決定につきまして,まず知事の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

 (答)
 新型コロナ感染症の拡大が始まってから,約3年が経過したところでありますけれども,これまで県民の皆さま,そして現場で働いておられる医療従事者,あるいは介護職員といったエッセンシャルワーカーの皆さまのご協力をいただきながら,感染の波を乗り越えてきたというところであります。新型コロナについては,オミクロン株に置き換わったことによりまして,重症化率とか致死率が低くなって,また,国民へのワクチン接種の伸展だとか,あるいは治療薬の開発ということもありまして,「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とされる,いわゆる「新型インフルエンザ等感染症」に該当しないという国の考えは理解できるところであります。ウィズコロナへの移行を進めるに当たりまして,医療体制だとか,あるいは公費支援といった,さまざまな取組について,段階的に移行,それから調整を進めることは,適当であろうと考えております。一方で,今の,オミクロン株の感染力とか,伝播性と言っていますけど,うつりやすいということです。この〔感染力や伝播性の〕高さが問題になっていまして,死亡率だとか重症化率は低いのですけれども,非常に多くの感染者が出るために,結果として,高齢者を中心として,多数の死亡者,あるいは重症者が出ているというような状況であります。〔それ〕で,今後を見通した時に,新型コロナによって,医療機関であるとか,あるいは高齢者施設でクラスターが多発して,救急搬送を含む医療のひっ迫といったことが起きないように,5類移行に向けては十分な準備と対策が必要であろうと考えております。国においては,位置付けの変更に伴う政策だとか,措置の見直しにつきまして,できるだけ速やかに検討を進めて,具体的な内容を示していただきたいと考えているところです。

 (RCC)
 続きまして,マスクの取扱いについては,個人の判断に委ねるということですけれども,これについて知事はどういうふうにお考えでしょうか。

 (答)
 症状がある場合だとか,家庭内に感染者がいるといったような場合,高齢者など重症化リスクの高い方々に感染を広げる可能性があるといったような場合に,マスクというのは引き続き有効だと考えています。それから,新型コロナだけではなくて,やはり,インフル〔エンザ〕などの感染が大きく拡大しているといったような状況の中では,適切なマスクの着用など,基本的な感染対策の徹底が大事であるということは変わらないと思います。このため,マスク着用を個人の判断に委ねるということであれば,その判断を行うための,どう判断すれば良いかといったことについて,やはりしっかりと啓発していくということが重要だろうと考えています。

 (RCC)
 最後に,3月上旬を目途に,医療費の自己負担ですとか,入院調整のあり方について,方針を示すということなのですけれども,特に,入院調整のあり方については,これまでと違って,位置付けが引き下げられるということで,適切な,入院が必要な方が入院できなくなるのではないかといった懸念もあるわけですけれども,この医療費の負担と入院調整について,お考えをお聞かせください。

 (答)
 コロナは,先ほど申し上げたように,インフル〔エンザ〕などと比べて,やはり,非常に伝播性が高い,うつりやすい,感染しやすいということがありますし,高齢者,それから基礎疾患がある方の重症化リスクも高いということがあります。これ〔は〕二つの大きな特性だと思いますが,この対応を,一般の医療機関ができるかどうかということが課題になってくるだろうと思っています。具体的に言いますと,発熱患者と,それから,他の患者の動線の分離だとか,ゾーニングだとか,そういったことが困難な場合,感染対策というのが十分できないと,病院内で高齢者だとか基礎疾患のある患者に感染が拡大してしまうというようなおそれがあると思います。今後,国も,そういった点については考えていくと思いますので,方針を示してくると思います。そういったことも踏まえながら,県としても,幅広い医療機関で,新型コロナの患者さんが受診できる医療体制というものを構築していくということが必要であろうと思いますので,必要になる感染対策であるとか,準備など講じつつ,段階的な移行に取り組んでいきたいと考えているところです。

 (RCC)
 ありがとうございます。

 (中国新聞)
 中国新聞の平田です。今,5類〔移行について〕の話が出たのですけれども,まず,5月8日から〔5類に移行する〕ということで決まったので,それに対する受け止めはどうでしょうか。

 (答)
 それは,先ほど申し上げた〔と思います〕。

 (中国新聞)
 〔5月8日までの期間が〕短いか,長いかということ〔での受け止めをお願いします〕。

 (答)
 期間ということですか。〔移行の〕タイミング〔について〕ですか。タイミングについては,今,申し上げたような医療体制だとか,あるいは公費の負担のあり方といったような,さまざまな取組について,何を,どのように〔するのか〕,段階的にやると言われているわけですけれども,それを,では具体的に,どういうふうに移行したり調整するのかということが,現時点では,具体的な内容が示されていないということがありまして,準備期間が十分かどうかというのは,正直,現時点では判断は難しいなと思っています。国の方では,今,申し上げたような医療体制だとか公費支援といったことについては,3月の上旬に,そこを目途として具体的な方針を示すと言っているのですけれども,そこから準備したというのでは,さすがに間に合わないかもしれないなという,そういう可能性を感じておりまして,国には,できるだけ早く検討を進めて,具体的な方針を示していただきたいと思いますし,我々も,ただ待っているのではなくて,我々自身としては,考えというのは整理しておきたいとは思っています。

 (中国新聞)
 わかりました。第8波〔は〕,今日,ピークアウト〔したと判断している〕ということだったのですが,9月に第7波がピークアウトした時には,「医療非常事態警報」の解除とともに,緊急フェーズ2から2段階引き下げたと思うのです。今回は,1段階の引き下げにとどまっているのですけれども,これはどういった理由から〔でしょうか〕。

 (答)
 それは,今,急速に〔新規感染者が〕減っていますけれども,これまで入院のレベルも高かったということもあったので,これはまさに段階的に〔引き下げを〕行っていくということで,何か,特に何か大きな意味合いがあるということではありません。

 (中国新聞)
 あと,インフル〔エンザ〕が拡大しているということなのですけれども,先ほど〔リスクの低い方には〕セルフチェックを〔お願いしたい〕という話だったのですが,〔検査〕キットの無料配布というのは,当面まだ続ける予定なのでしょうか。

 (答)
 〔検査キットの〕無料配布については,外来ひっ迫の懸念は概ね解消されているのかなと思っているので,今後のインフル〔エンザ〕の動向〔を注視する必要〕はもちろんあるのですけれども,基本的には,終了していこうと考えています。

 (中国新聞)
 それはまだ,〔いつ終了するという〕時期的なものは,目途はないのですか。

 (答)
 これは,受付を明日終了して,薬局での配布終了というのは1週間後ぐらいを,今,考えています。これについては,後ほど,担当から資料提供させていただこうと思います。

 (中国新聞)
 わかりました。ありがとうございます。

 (幹事社:山陰中央新報)
 その他〔質問は〕ございますでしょうか。

 (NHK)
 すみません。NHKの石田です。5類移行に伴って,県のやってきたPCR検査の無料検査であったりだとか,〔ワクチン〕集団接種であったりとか,県の施策,いわゆる,飲食店の認証制度だとか,そういったものについて,現時点で見直す考えとか,そういったものはありますでしょうか。

 (答)
 段階的にどうしていくのかということについては,国の方針もまだ示されていないので,それを踏まえて,具体的に検討していきたいと思いますけれども,PCRセンターの無料検査事業というのは,5類移行の時点では終了するということになろうかと〔思います〕。これは,国がそのように示しているので,そういうことになるかと思っております。その他の取組も含めて,具体的な,いつ,どのタイミングで,何をやるのか,ということについては,先ほど申し上げたように,今後の国の具体的な方針も踏まえながら,検討していきたいと考えています。

 (NHK)
 ありがとうございます。

 (幹事社:山陰中央新報)
 他に〔質問が〕ございますでしょうか。すみません。続いて,次に移ります。次に,知事から発表が1件ありますのでお願いします。

広島サミットを契機としたGSHIP連携海岸清掃について

 今日,発表項目〔は〕1点でございまして,「広島サミットを契機としたGSHIP〔ジーシップ〕連携海岸清掃について」でございます。今日で,広島サミット開催まで,あと108日という日程になってきているのですが,この中で,県では,「GREEN SEA〔グリーンシー〕瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」〔略称〕GSHIP〔ジーシップ〕の参加企業等と連携いたしまして,海岸の一斉清掃を実施いたします。具体的には,サミット開催100日前ウィークの2月12日日曜日に,首脳会議が開催されるグランドプリンスホテルの所在する元宇品,それからサミット開催50日前ウィークの3月25日土曜日に,本県が有する世界遺産の一つであり,多くの観光客が来訪することが見込まれる宮島におきまして,海岸清掃を行います。開催当日は,海岸清掃を実施するだけでなく,参加者による広島サミット開催に向けた応援メッセージの記入であるとか,あるいは海洋ごみ問題についての学習会もあわせて実施する予定です。実施に当たりましては,プラットフォームの参画企業や,県内外の多様な関係者に参加を呼びかけたいと思っています。サミット開催前の節目に,県内外の多様な関係者が参加する本取組を通じまして,サミット開催に向けた歓迎機運の醸成を図るとともに,海洋プラごみ流出ゼロに向けた意識啓発を広く行ってまいりたいと考えております。県におきましては,引き続き,各国の首脳を初めとする多くの来訪者,さらには参加者などをお迎えする市民,そして県民の皆さまにとって,「広島に来てよかった」,「広島で開催されてよかった」と思っていただけるよう,全力で取り組んでまいります。

 (幹事社:山陰中央新報)
 この件について,質問がある社はお願いします。

国の公共交通再編法改正案骨格について

 (幹事社:山陰中央新報)
 〔質問が〕ないようですので,次に進みます。続いて,幹事社質問に入ります。先日,国が,地域公共交通の再編に向け,関連法改正案の骨格をまとめました,地方鉄道の存廃を話し合う「再構築協議会」を,国が主導して設置することが柱になっています。こちらについて,どのように受け止めているか,お願いします。また,広島県内には,議論の対象になる路線が走っておりますが,明日,広島,岡山両県でもって,JR西の方にもヒアリングを行うということですけれども,この件について,県としての現状認識をお願いいたします。

 (答)
 まずは,関連法の改正案につきまして,通常国会に提出予定の法案として,「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の一部を改正する法律案」というのがありまして,その中に,ローカル鉄道の議論に当たって,「再構築協議会」の創設が規定されているということは,これは承知しているところでありますが,この「再構築協議会」の創設は,本県を初めとして,全国知事会で要請をしてまいりました,ローカル鉄道のあり方を,地域の公共交通全体の中で,国も主体的に関与して,協議の場に入って検討を行うことが反映されているという他,財政支援につきましても,協議会での議論の結果,「社会資本整備総合交付金」による施設整備などへの新たな支援が創設されておりまして,こういったことについては一定の評価をしているところであります。一方で,利便性が高く,持続可能な公共交通を実現するというためには,施設整備などへの支援だけではなくて,転換後,仮に転換した場合に,運行経費についても支援が必要だと考えておりますが,今回の法改正においては,運行経費に対する支援は含まれていないと理解しておりますし,鉄道から輸送モードを転換する区間については,JRが転換の運行についての責任を持つべきであると思いますし,そうでないのであれば,国の支援が必要だろうと考えています。本県としては,国鉄改革の経緯も踏まえまして,あらためて,JR分割方法の妥当性であるとか,改革時の鉄道ネットワークの維持の精神などを検証,総括して,現在のJR各社の経営,それから事業構造,また内部補助の考え方などについても踏まえた上で,基幹線区以外の線区も含めた鉄道ネットワークのあり方を整理した上で,法律ができることが望ましいと考えているところであります。そして,芸備線ですけれども,JR西日本は,昨年11月以降,「特定の前提を置かない将来の地域公共交通の姿の議論」について,「備中神代から備後庄原間」を対象として,今後の進め方を国に相談するなど,また,「法制度化を待たずに速やかに任意の形の議論を進めたい」という話がなされているといったようなこと,こういったことは承知はしているところであります。本県は,これまでも,JR西日本の特定線区のみを取り出して,内部補助を含めた事業構造が維持できなくなったという主張について,路線全体で収支を検討する必要があるのではないかということ,それから,国鉄改革の経緯も踏まえて,地域への路線維持の責任があるといったようなこと,といった観点から,沿線地域に対する説明としては不十分ではないかと,つまり,「一部だけ赤字です」ということだけ示して,「これで維持できません」というような説明,これだけだと,やはり不十分だと考えておりまして,「JR西日本管内の全路線の経営状況」,それから「内部補助の考え方も含む経営状況」などについて,詳しい説明を求めてきたところです。こういった中で,明日2月1日に,JR西日本から,「JR西日本管内の全路線の経営状況」,「内部補助の考え方も含む経営状況」などについて説明していただく場を,国,それから沿線市とも相談の上,設けることとなっておりまして,ご説明いただけるものと考えています。現在,国におきまして,新しい協議の場〔である〕「再構築協議会」について,法律面,それから予算面における具体的な検討が進んでいる状況でありまして,基本的には,法案が成立して,その法の制度に沿って,支援制度の内容なども含めて,JR西日本,自治体との協議を経て,国から再構築協議会設置の提案があれば,その協議会で議論が行われることになると考えておりますが,参加するに当たっては,十分納得いただけるような説明をいただきたいと考えているところです。

 (幹事社:山陰中央新報)
 ありがとうございます。この件について質問がある社はお願いします。すみません。〔質問が〕ないようですので,〔それ〕では,一般質問に移ります。他に質問がある社はお願いします。

職員の逮捕について

 (読売新聞)
 すみません。私,読売新聞の広島総局の北瀬と言います。よろしくお願いいたします。最初に〔質問〕なのですけれども,先日,県警の方に,建設産業課の職員〔が〕官製談合防止法違反容疑で逮捕されているのですけれども,そこに対しての県知事としてのご見解,受け止めと,今後,何か再発防止策等考えられていたら,すみません,伺ってもよろしいでしょうか。

 (答)
 今回,県職員が,いわゆる官製談合防止法違反の容疑で逮捕されたということは,県民の信頼を著しく損ねるものだと考えておりまして,誠に遺憾に思っておりますし,県民の皆さまに対して心からお詫びを申し上げる次第であります。こういった事案が発生したことは,もちろん重く受け止めているところでありまして,あらゆる機会を通じて,職員の服務規律の徹底を図って,県民の皆さまの信頼回復に努めていきたいと考えております。再発防止策ということについては,現状,我々も,まだ正確なところを把握できていないという〔状況で〕,今,捜査中なので,事実関係の確認をしているといったような段階でありまして,今〔は〕そういう段階です。ただ,事案〔は〕非常に重大に,我々も受け止めていますので,土木建築局の職員に対しては,綱紀の粛正と不祥事根絶に関する周知徹底を行ったところであります。全職員に対しても,こういった事案が二度と発生しないように,職務執行に際して,県民から,疑惑であるとか不信を招くような行為をしてはいけないということを,当然のことですけれども,公務に対する県民の信頼を確保するということも,あらためて周知しているところです。引き続き,早急に事実関係を調査して,その中で,いろんな課題が判明してくると思いますので,そういったものを精査しながら,組織として見直すべき課題にはしっかりと対応していくなど,再発防止に向けた具体的な対策というのは,講じていきたいと考えております。

社会福祉法人サンフェニックスについて

 (読売新聞)
 すみません,ありがとうございます。もう1点よろしいでしょうか。すみません。先日なのですけど,東京警視庁の方が,県内の社会福祉法人サンフェニックス,現在〔は〕ちょっと名称〔が〕違うのですけれども,そこの前理事長ら2人を逮捕したということで,概要としては,実質的な法人格の売買等が行われていた,実質的には法人格も〔売買〕してはいけないのですけれども,法人格の売買があったのではないかということであるのですけれども,率直に,この件の県知事としてのご見解と,あと,社会福祉法人の場合は,定期的な監査も県として行っていると思うのですが,再発防止策と言いますか,監査の方法も一定〔程度〕考える必要があるのかなと〔思うのですが〕,そこら辺のご見解を,すみません,教えていただけたら幸いです。

 (答)
 まず,ご指摘のように,社会福祉法人というのは売買の対象にならないということで,それはなぜかと言うと,地域における福祉サービスの主たる担い手であって,高い公益性があるということを踏まえたものだと理解しております。そういう意味で,県が所管している社会福祉法人におきまして,こういった不適切な資金流出の事案が発生して,逮捕者まで出たということは,誠に遺憾であると考えています。〔それ〕で,再発防止策というか,我々の監査もあったわけですけれども,この監査体制の充実強化というのを図っているところでありまして,監査に公認会計士だとか,社〔会保険〕労〔務〕士の方に同行していただくのですが,そういった皆さんとの連携を密にして,疑わしい箇所があれば,複数人で集中的に調査するといったようなことにしていると〔いうことがあります〕。それから,弁護士とも新たに顧問契約を結びまして,不正の疑いがあるといったような場合には積極的に相談して,法的裏づけを得て,厳格に法人に対処できるようにしているところであります。やはり,専門家との連携というのが非常に重要だと考えておりまして,この連携をベースに,小さな不正の兆候も見逃さない,そういう強いマインドを持って監査に臨んでいきたいと考えているところです。

 (読売新聞)
 すみません,ありがとうございました。

盛土の安全対策について

 (中国新聞)
 中国新聞の編集委員で東海と言います。広島市安佐南区上安町の盛土についてです。熱海市での土砂災害を受けまして,県が調査して,不適切盛土が20〔か所〕発覚しています。そのうちの一つの上安について,その上に重なる形で広島市が産廃処分場の拡張申請を認めていたことがわかりました。広島市の市長は,先日記者会見で,県と連携して,盛土全体の地盤調査を検討すると発表しています。この件について,2,3点質問です。一つ〔は〕,この事案の背景に,県が盛土の経緯を把握しながら,かつて不問に付していたこと,そして,県と市の情報共有が十分なされていなかったことがあるように思います。県知事としてどのようにお考えでしょうか。そして,質問を先に全部お伝えします。〔2点目の質問は〕県と市の地盤調査について今後どのように進められるのか,費用負担の考え方〔についてお聞かせください〕。そしてもう一つ〔の質問は〕,市の安全審査のあり方についてです。今回,〔市が〕盛土であることを知りながら,盛土の上に〔産業廃棄物処分場を拡張することを〕,盛土の地盤調査を業者に命じないまま認可しています。同じ許可権者のトップとして,こうした安全審査のあり方についてどう思うか,お考えを伺えればと思います。

 (答)
 まず,経緯から申し上げますと,当該盛土,これは,そもそも当時の規制で言いますと,森林開発許可が要るか要らないかというところで〔言うと〕,面積として1ヘクタール以下というところで,法的な規制にはかからない開発であったということがありました。〔それ〕で,そういった,要するに,規制対象外だったので,その際の経緯についても,要するに,許可申請対象外だったので,その時の資料も保存年限を過ぎていたということもあって,〔県から〕市への〔権限〕移譲に際して,〔引き継ぐ〕資料自体も存在していなかったということがございます。〔当該盛土が造成された〕当時は,平成10年ですけれども,この盛土規制が必ずしも十分でなかったと認識しておりまして,それを踏まえてではありませんけれども,平成16年には,これは直接的には東広島の盛土の関係が契機になったと思いますけれども,平成16年に県で土砂条例を作って,1ヘクタール未満も〔規制の〕対象とするということになったわけですが,そこにギャップがあったので,〔当該盛土が造成された当時は〕法の規制対象外だったということであります。〔それ〕で,今後の調査ですけれども,これについては,もちろん,これから,広島市と十分相談しながら進めていくということとしたいと思います。〔それ〕で,現在は,ですから,これ〔当該盛土は〕既に既成のもの,既成というか,既にあるものなので,今の県の土砂条例も対象外になっていますし,それから市も同様に,県よりは小さい盛土等について〔の〕規制が,市の土砂条例があるのですけれども,それの対象外になっているわけなのです。なので,現時点では,規制対象になっていないのですけれども,今後,改正宅〔地〕造〔成〕法,新しい盛土規制法が5月に施行されていきますが,それが施行されると,市が管轄するということになります。そこまでの間があるものですから,今〔は〕ちょっと,規制対象外という状況になっていますので,これは市とよく相談しながら進めていきたいと考えています。いずれにしても,基本的な考え方としては,現に,まず調査するということ,これはどこが費用を持つかということは置いておいて,しっかりと調査しなければいけないと,我々も考えていますし,現にその中で,危険性ということが確認された場合には,今,規制対象外だとしても,現にそこにある危険性をどうするかということについて,我々は適切に対応していきたいと考えているところです。具体的には,これから進めるということになるかと思っています。

 (幹事社:山陰中央新報)
 今,手を挙げられている社で最後としたいと思います。

住民基本台帳人口移動報告の公表(総務省)について

 (中国新聞)
 中国新聞の永山と言います。昨日,総務省が住民基本台帳人口移動報告を発表しました。この中で,広島県の国内の転出入の超過数が9,207人で,転出超過が全国ワースト1位になっています。これが,2年連続ワースト1位ということで,このことについて,知事の受け止めと,要因分析をどのようにされているのか,改善策というのをどのように考えているのか,その3点〔を〕伺えればと思います。

 (答)
 まず,〔この報告については〕国内移動だけなのですけれども,国内移動だけで見た場合に,全国で1番〔転出超過が〕多くなっているのと,昨年からも2,000人強,増えているということで,厳しい結果となったと考えています。ただ,この中で,国内移動なのですけど,外国人の国内移動というのが含まれていまして,そういったことも含めて,少し,ちょっと何と言うのですか,実態を正確に表していないというか,やや歪んでいるというか,そういったようなことがあると思っていまして,外国からの,外国との,国外との出入り,これも含めて見た場合には〔結果が違っており,国外との出入りも含めて〕見ないと,社会動態全体を見ているとは言えないと考えています。〔それ〕で,国外との出入りを含めると,824人の転入超過となっているところです。これは,日本人の出入りもあるし,外国人の出入りもあるのですけれども,国内移動の中でも,外国人の移動というのがあって,そういうことを相対的に考えると,ちょっと,これだけを取り上げるということはどうかなと思っています。ただ,いずれにしても,非常に多い数であるということは間違いないので,それについては,厳しい結果になったと思っています。ちなみに,先ほど824人の転入超過,〔国外との出入りも含めて〕全体で見ると〔824人の転入超過〕になっていると言いましたけれども,これは全国で言うと24位というような状況です。それで,要因については,これはやはり,県の人口移動〔統計〕調査で見た場合で言えることなのですけれども,やはり最大の要因は,20歳から24歳の〔年齢〕バンドです。ここでの「就職」を理由とした大都市圏への転出というのが最大になっているということがあります。「就職」〔を理由とした転出超過は〕,6,399人〔という〕,県の調査上ですけれども,〔6,399人の〕転出超過の中で,2,611人,つまり3分の1以上は,この年齢バンドの「就職」による転出超過となっております。それから,「転勤」に伴って,家族〔の移動〕も含めて,その場合,「転勤」〔という理由〕になるのですけれども,その家族も含めた転出超過というのが,1,126人あって,〔それ〕で,「転業・転職」による転出超過というのが937人となっています。いずれにしても,若年層の就職,それから転勤というのが非常に大きな要素になっております。この背景としては,大都市圏に集中する大手企業が,地方に採用の活動を拡大しているという〔状況があり〕,これまで面接という物理的なハードルがあったのですけど,今やオンラインになって,地方にかなり手を伸ばしているということがありまして,それから大学生についても,そういったことも背景に,大手企業に応募しやすくなっていると,そういったところへの,就職の志向の高まりということが考えられていまして,若い人が,やはり都市機能だとか,あるいは,生活環境〔について〕,大都市の,そういう環境を好むということがあると,それが東京圏に過度に集中していると,そういった環境が〔背景にある〕,そういうところがあると思っています。対策としては,県内外の若い人たちに,やはり早い段階から,県内企業の魅力をしっかりと伝えて,県内への就職意識を醸成していくということ,それから,デジタル系の企業だとか,あるいは本社,あるいは研究開発機能を県内に誘致していくということ,こういったことで,若者にとって魅力のある職場だとか職,これを拡大していくということを,積極的に行っていきたいと考えているところです。

 (読売新聞)
 すみません。読売新聞の大槻です。今の質問に関連してなのですけれども,今回の人口移動報告では,いわゆる首都圏への人口一極集中が,ちょっとコロナ禍で,やや眠っていたのが再び加速するような傾向が出ています。もちろん地方側の努力とか施策も必要かと思うのですけれども,あらためて国の方として,どのような人口施策が必要で,求めていきたいというふうにお考えでしょうか。お願いします。

 (答)
 これはもう長らく,知事会でもずっと提案というか,要望しているところですけれども,やはり,企業などが東京圏に過度に集中しているということは,これは日本社会全体の構造的な問題であると思っておりますし,これは,ただ人口が集中して偏在しているというだけではなくて,イノベーションという観点から見た場合も,イノベーションの源泉というのは,やはり多様性なのですけれども,それが一つの地域に集中するということで,多様性の創出というのも阻害されているのではないかと考えますし,そういう観点から,国全体の競争力低下の要因となるのではないかと考えています。そういう意味では,地方と国が一体となって取り組むべき問題であると思いますし,東京から地方への流れというのを,もっと太くしていくことが必要だと考えます。そういう意味では,移住支援制度だとか,あるいは企業の本社とか,あるいは拠点を移転していくということ,これはもっと積極的な対応を行う必要があると思いますし,地方において,イノベーションを創発していくような,「スタートアップ・エコシステム」を地方において構築していくとか,そういったことを進める必要があると思いますし,地方がそれぞれ,そういうところについて取り組む,地方が挑戦していくことについて,国としてもバックアップしていくといったようなことが必要ではないかと思います。

 (幹事社:山陰中央新報)
 すみません。それでは,これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は3月14日火曜日の10時半からを予定しております。ありがとうございました。

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(資料)新型コロナウイルスの感染状況等について (PDFファイル)(1.39MB)

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