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知事記者会見(令和5年9月12日)

印刷用ページを表示する掲載日2023年9月12日

​ 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和5年9月12日(火曜日)

発言項目

〔動画〕

(1)広島サミットの経済波及効果等について

(2)インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023について

(3)「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について

質問項目

(4)「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について

(5)広島サミットの経済波及効果等について

(6)「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について

(7)広島サミットの経済波及効果等について

(8)芸備線に係る再構築協議会について

(9)広島県内高校寄宿舎における食事供給停止問題について

(10)政治と金を巡る問題について

会見録

(幹事社:HOME)
 幹事社の広島ホームテレビです。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は11時を予定しています。ご協力をお願いいたします。まず、知事から発表が3件ありますので、お願いいたします。

広島サミットの経済波及効果等について

 1点目は、知事の発表と言いますか、広島サミット県民会議の会長として、サミットの開催に伴う広島県への経済波及効果と国内外のメディア露出件数、それから広告換算額の推計結果について発表させていただきたいと思います。まず、広島サミットの直接的な経済効果ですけれども、県内分は約725億円、県外分は約492億円となりました。県内分のうち広島市が約573億円、そして広島市以外の市町が約152億円となっておりまして、開催地であります広島市はもとより、それ以外の地域への波及効果も大きくなっておりまして、経済効果は県内全体に及んだと考えています。次に、広島サミットのメディア露出件数ですが、国内分が約17万件、海外分が約25万件でありまして、合計約42万件となっています。また、広告換算額に換算しますと、国内外合わせて約8,832億円となっております。特に海外メディアにおきまして、メディアの露出件数が大きくなっておりまして、世界に向けて、広島のプレゼンスの向上と魅力の発信につなげることができたのではないかと、国内外で大きなインパクトを残すことができたのではないかと受け止めております。そして、ポストサミットの経済波及効果ですが、これは、サミットによる誘客効果がもたらす総観光客数の増、どれだけ観光客が増えるかということと、それに伴って観光消費額が増えますので、その増加額になるのですが、これを今後5年間の累計、令和5年から令和9年の累計で見ておりますが、こちらが約1,649億円と推計しております。なお、伊勢志摩サミットの際に推計がありました「国際会議の開催件数の増加」については、この観光客増加の数を先ほど出しましたけれども、その中に国際会議への参加者数も含まれるので、特に会議の件数というのは、今回は推計を行っておりません。以上、直接的な経済波及効果、それから広告換算額、ポストサミットの波及効果、三つの項目を合計しますと、約1兆1,600億円となっております。最後に、G7サミット広島開催の決定以降で、広島の認知度や、あるいはブランド力、あるいは平和発信におけるプレゼンスの向上などを目的に、オール広島で開催支援や平和の発信、広島の魅力発信などに取り組んできたところでありますが、その結果が、こういった高い数字として表れたというのは、この数字の上でも、広島サミットの成功を物語っているのではないかと、評価できるものと考えております。今後はこうした成果を、一過性のものにしないということが大事かと思っておりまして、国内外からの誘客の促進はもちろんですけれども、県産品の魅力の発信や、その活用といった、いろんな施策を通じて積極的に展開して、本県のさらなる発展につなげてまいりたいと考えております。

インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023について

 次は発表項目2点目でございます。「インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023」でございます。県においては、多様性が認めあえる共生社会の実現に向けて、障害のある人もない人も、誰もがみんなで、思い思いに楽しめる「インクルーシブ・スポーツ・フェスタ2023」の開催を支援しているところであります。このイベントは、9月30日と10月1日、東広島市運動公園をメイン会場にして、パラリンピック出場選手なども参加いただいて、間近ですばらしいプレーを見学できるほか、一緒に、インクルーシブですから、みんなで楽しもうということで、一緒に各種競技に参加できるイベントとなっています。大会サポーターに就任いただいておりますカープのOBである安部友裕さんにも、様々な体験競技に参加をいただくなど、まさに、みんなで一緒に楽しめるイベントになっています。期間中は陸上競技用の車椅子を使ったパラ陸上や、あるいは車椅子バスケットボール、ブラインドサッカーといった、様々な競技に誰もが参加できるという形になっていまして、私もボッチャを含めた、まだ全部、何〔の競技に参加するか〕というのは決まっていないのですけれども、参加する予定にしています。参加は無料でありまして、申込みは9月18日まで受け付けております。もうあまり〔申込期限まで〕時間もないのですけれど、参加賞として、カープのコラボグッズのプレゼントもありますし、当日参加が可能な競技もありますので、皆さまのご参加をお待ちしております。ぜひ、当日は、一部競技で、メディアの皆さまにも参加いただきたいなと〔思っており、〕そういうこと〔体験〕ができる準備もしておりますので、これもやっぱり、自分でやってみないと、やってみるとよく分かりますし、それ〔体験している様子など〕を報道していただければと思うのですけれども、みんながメディアの皆さんということのみならず、県民の皆さまが、パラスポーツを楽しむきっかけづくりにご協力いただければと思っております。東京パラリンピックの後、去年「2022ハンザクラスワールド」、あるいは「スペシャルリンピックス2022広島」が、広島で開催されまして、パラスポーツへの様々な触れる機会というのは、広島であったと思うのですが、県としてはさらに、県民の皆さまにパラスポーツを実際に体験していただいたり、楽しんでいただいたり、そして、支えていただけるように、〔県パラスポーツ〕協会と連携を図りながら、パラスポーツを通じた共生社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。

「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について

 3点目です。「ちぃともやもやジェンダー川柳コンテスト」の開始についてです。今年度、広島でG7サミットが開催されましたが、ジェンダー平等の実現に向けて一層の努力をするということが、首脳宣言にも明記されているところです。しかしながら、皆さんご承知のとおり、日本のジェンダー格差というのは、サミット参加国の中でも、最下位でありまして、また本県の状況も、全国的な比較において、ジェンダー平等が進んでいるとは、言えない分野もあると考えております。こうした背景には、例えば、「夫は外で働いて、妻は家庭を守る」といったような、男や女だからというような、性別の役割分担に関する固定的な意識、いわゆるバイアスが存在していると考えられます。このため広島県では、皆さんが日頃抱いています、性別役割への“もやもや”した思いや、違和感を川柳で表現していただきたいということで、「ちぃともやもやジェンダー川柳コンテスト」を実施いたします。五・七・五という短い言葉のメッセージですが、同じ思いを持つ方の共感を得るとともに、共感性の高い作品を広く発信をしていただいて、多くの方々の気づきにつながっていくのではないかと〔思います〕。本県から固定観念の解消への機運が広がっていくということを目指したいということであります。募集は9月14日、明後日から10月15日まででございまして、専用の募集サイトなどから応募いただければと思います。こういうことですので、私自身も、川柳を作成したということで、『「えらいね」と言われるうちは道半ば』「男性育休広げたいイクボス知事」、という〔川柳を作成しました。〕これ〔男性育休広げたいイクボス知事〕、何ていうのですかね、俳号〔ですかね〕、長い俳号ですけれど。その心としては、「男性なのに育児して偉いね」ということが、まだ言われると思うのです。だけど、育休〔を〕取った本人からも、男性だけ何かこう特別視されていることや、女性が「育休をとって偉いね」と言われることはないわけです。〔それなのに、〕男性が取ったら「えらいね」と言われるのは、やっぱりどうなのかなという、男性だけ特別視されている気がして“もやもや”するというような違和感があるという声も届いているところであります。私としては男女ともに家事も育児もするということが普通になるということを願って、この句を詠んだということであります。ぜひ皆さまのご参加をお待ちしております。発表項目は以上でございます。

(幹事社:HOME)
 以上この3件につきまして質問がある社は挙手をして、社名を名乗ってからお願いいたします。なお、手話通訳者の方が通訳しやすいよう、質問ははっきりとおっしゃっていただきますようお願いいたします。

「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について

(読売新聞)
 読売新聞広島総局の北瀬と言います。よろしくお願いします。最初に、川柳コンテストのことで伺いたいのですけれど、知事のプライベートなことになるので、言える範囲で結構なのですけど、そもそも知事、お子さん〔は〕何人おられて、どういう形で子育てに関わってこられたか伺ってもよいでしょうか。

(答)
 時代の変遷を感じますね。〔私が育休を取得した際に報道されたため〕かなり基礎情報で、皆さんご存じのことが多いかなと思うのですけれども、〔子供は〕3人おりまして、知事になって1年目に3人目が生まれ〔ました。〕ちょうど商工会議所の女性部会だったかな〔と思いますが〕、商工会議所の女性部会で、男性の育児参加などについて話をしているときに、〔3人目が〕生まれて、残念ながら出産に立ち会えなかったという〔ことがありました。〕上2人はちゃんと立ち会ったのですけれど、3人目は何と、育児参加を話していたために、立ち会えなかったという、残念なことだったのですけれども、それから、育休をとりまし〔た〕。その時は真ん中が娘だったのですけれど、〔子供3人の構成は〕男女男で、真ん中が娘だったのですけれども、娘が〔少し〕離れたところの幼稚園に行っていたので、〔娘の〕送り迎えを私が担当するということで、午前午後に少し抜けて、毎日車を運転して、送り迎え〔を〕したり、長男の時から、「育児をやった」というと「あなたはやってないでしょ」と怒られますけれども、「いや、俺もやったよ」、「いや、あなたはやってないです」と典型的かもしれませんけど、それでも、夜中に、子供が特に長男の時は、みんな、妻も含めて、育児に慣れていないものですから、夜中に泣いたりすると、マンションで夜中に泣かれると気になるところもあるので、〔当時、少し〕古いマンション〔に住んでいましたので〕、子供を連れ出して、車の中に連れて、車の中は気密性が高い〔ので〕、そこで寝るまで、寝かしつけたり、自分ができることをやっておりました。そういうことで、2番目、3番目もそういう感じだったのですけれど、夜寝かしつけをしたり、ふとんに入ってお話をする、「昔々・・・」など、〔子供にとても〕うけてね、そういう時にお父さんの株が上がるのですけれど、翌朝には忘れられているみたい〔でした〕。〔そんな感じで育児を〕やっておりました。

広島サミットの経済波及効果等について

(山陽新聞)
 山陽新聞の平田です。広島サミットの経済波及効果についてなのですけれども、成功したことが数字にもあらわれているということで、先ほど知事おっしゃっていたと思うのですが、どういった点が要因でこういった数字が出てきたのかと思っていらっしゃるのかということを含めて、受け止めをお願いいたします。

(答)
 一つは、国に対して、我々も、要望していたことがあって、それはもちろん国としてもやるということでやっていただいたのですけれども、G7の首脳の皆さんに、被爆の実相に触れていただくということです。被爆者との対話や、資料館〔の訪問など〕、いろんなご批判もあろうかと思いますけれども、あるいは実際にそういうことが起きて、首脳の皆さんに大きなインパクトを残していった、あるいは、平和のメッセージを発信していく、あるいは若者の参画や、広島の産品の活用について、随分働きかけて、かなり採用していただいたなど、またもちろん、県民会議としても、メディアセンターなどで、いろんなアピールをしていったということもあると思っております。そういったことが、やっぱり報道につながっていますし、お客様が増えるといったようなことにもつながっているかなと思っております。

(RCC)
 RCCの平田です。広島サミットの経済、直接的な経済波及効果について、前回2016年の伊勢志摩サミットの数字、1,070億円という数字なのですけれども、これをおよそ200億上回ったという試算推計になっているわけですが、理由について、分かる範囲で教えていただけますでしょうか。

(答)
 上回った理由でしょうか。直接効果のところは、特にやはり都市開催であったということで、様々な準備についても、規模が大きくなったり、そういったようなことがあったのではないかと思いますし、警備も手厚くなっていますので、そういったところが、経済効果としてもあらわれているというところがあるかと思います。直接効果については〔そういうことです。〕

(RCC)
 ありがとうございます。

「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について​

(中国新聞)
 中国新聞の加納と申します。今日はありがとうございます、川柳のことでお聞きしたいのですけれども、知事〔は〕2010年に、第3子のご誕生で、育休をとられたということは、非常に当時注目を浴びました。この13年間振り返られて、今の課題というのがあれば、また、この13年間で進んできた成果みたいな部分があれば、お聞かせください。

(答)
 成果としては、かなり社会的な意識の変化というのは進んできたと思います。特に若い人の間で男性の家事、育児に参画するという意識は、かなり一般的になってきているかなと思います。一方で、今回、川柳コンテストをやる理由でもあるのですけれども、そうは言ってもバイアス的な部分というのは、まだまだ残っているところもありますし、特に年代が上の方は、強く残っているのかなと思っています。実際問題として、男性の育児休暇、育児休業も、高まってきたとはいえ、県内でも2割など、そういうレベルですので、女性と比べてやはり非常に低いということで、こういったこと〔男性と女性の関わり度合〕がやはり〔男性と女性とで〕変わらないように、女性・男性〔の関わり度合〕が変わらないようにやっていかなければいけないと思いますし、その中で、ほかの意識が変わっていても、時々やっぱり話としてあるのが、なんちゃって育児みたいな、育休は取っているのだけれど、家で夫が寝ています、そういうことでは意味がないですし、そういったことを社会的に基盤として支えていく、働き方改革みたいなことも、まだまだ道半ばだと思いますので、本当の意味で、社会全体で、子育てをしていくと、その下の小さな単位は、家庭で、夫婦だったりするのですけれども、そこから始まって、本当の意味で、みんなが一緒にできるように、支え合うように、こうなるところまで頑張っていかなければいけないのではないかなと思っています。

広島サミットの経済波及効果等について

(毎日新聞)
 毎日新聞の中村です。〔経済〕波及効果ですけれども、1ページ目のサミット直後の観光客増などのプラス要因を推計したと〔ありますが、〕これはどういう数字使ったのか、教えていただき〔たいと思い〕ますが、〔まず、〕観光客増のところ〔について、どうでしょうか。〕

(答)
 どういう数字というのは〔どういうことでしょうか。〕

(毎日新聞)
 どれぐらい増えたか前提にして計算しているのかという〔ことです。〕

(答)
 ごめんなさい、直接効果の中の話ですか。

(毎日新聞)
 推計方法の(1)です。1ページ目です。

(答)
 直接効果のところですか。これはちょっと具体的に、どの数字を使ったかというのは、今すぐに手元にないので、〔後程、事務局から回答します。〕

(毎日新聞)
 例えば、この夏どれぐらい、去年と比べて観光客の方が増えているのか、もしあれば、教えていただきたいなと〔思います。〕

(答)
 わかりました。減っている部分もちなみにあって、それも勘案しています。サミットの期間中など、減ったりしているので、それも含めて、試算をしています。

(毎日新聞)
 ちなみにメディアの露出というのは、海外も含めて、新聞、雑誌、テレビ、ウェブなど、どうカウントするのですか。

(答)
 調査会社にお願いして、調べています。我々も、国内のメディア露出というのは、常に把握していますけれども、これは調査会社にお願いをして、露出されている部分を計算しているということです。

(毎日新聞)
 〔計算には〕AIを使うのですか。

(答)
 AIまで使っているかどうかわかりませんけれど、世界的に〔露出を〕見る〔ことは〕結構大変な作業だと思います。国内でも結構大変なのですけれど。

(幹事社:HOME)
 そのほか、いかがでしょうか。

(時事通信)
 時事通信岸本と申します。そもそも論ですが、経済波及効果なのですけれども、この1兆1,698億円という数字に対して、知事が満足されている数字なのか、それとも、もうちょっとこうしておけば、もっと大きくなったなという少し課題を残している数字なのかという率直な受け止めをお伺いできますでしょうか。

(答)
 率直に申し上げて、非常に大きな数字だと思っています。直接効果も、それから、今後の波及効果についても、伊勢志摩サミットよりも、大きくなっていますし、今後の波及効果は観光を中心に推計しているのですけれども、やはりメディアの露出というところが、そういうところに大きく影響してくるだろうということで、メディア露出も非常に大きかったと考えています。これはもちろんゼレンスキー大統領が来たり、そういったこともあるのですけれども、それだけではなくて、例えばスナク首相のお好み焼、カープソックスの話というのも、イギリスなどでも報道されていたり、あるいは広島の美しさなど、そういうのもあわせて報道されているというのは、たくさんありますので、県民会議として様々な努力をしてきた結果が、そこに結びついていると、プレスツアーも含めて、そう考えています。そういう意味では、非常に、広島のプレゼンスも向上し、広島の魅力も伝わっていたのではないかなと思っていまして、大きな効果があったと受け止めております。

芸備線に係る再構築協議会について

(幹事社:HOME)
 そのほかございませんでしょうか。では続いて幹事社質問に入ります。芸備線についてです。JR西日本は芸備線について、10月にスタートする再構築協議会設置を要請する意向を表明しています。要請された場合、県としては、再構築協議会に参画されるのでしょうか。現在の見解を教えてください。

(答)
 JR西日本のご意向については、承知しているところですけれども、再構築協議会の設置は、設置の要請は国がまず〔要請を〕受けて、関係自治体の意見を聞いた上で、JR〔西日本〕と自治体のこれまでの議論も踏まえて、話されるということになっておりまして、本県として、法の施行後に、仮に、国から再構築への参加の要請があれば、国からの意見聴取や、協議会の趣旨や、協議会で検討すべき内容といったようなことを踏まえて、改めて沿線市と協議して、対応、検討していきたいと考えているところです。なお、広島県は、これまでも強く主張してきているところですけれども、持続可能な地域の公共交通を考える際には、特に中山間地域における公共交通というのは、運行に継続的な赤字が発生するので、それに対する補助といったようなものが必要になること〔です〕。これは、誰がやっても、どんなにやっても発生するということです。それから、少子高齢化による慢性的な人手不足というのもあって、地方公共団体、地元交通事業者にとっては非常に大きな負担になっていること。〔これらを〕考慮する必要があると思っておりまして、改正地域交通法の基本方針というのは発表されていますけれども、仮にモード転換した場合に、JR各社の責任について、その持続的な運行と利便性の確保に向けて、JR各社が十分な協力を行うべきであると基本方針に定められています。具体例としては、「グループ会社による運行」や「地元企業への運行委託」、「代替交通への共同出資」ということが明記されているのですが、一方で、あくまでも協力について努めるべきとされていまして、本県としては、JR〔西日本〕さんがしっかりと協力するという規定が担保されるように、今後も国に対して求めていきたいと思っておりますし、それができない場合も、地方への負担転嫁とならないような制度設計について、早期に方向性を示していただいて、財源確保についても配慮すべきだと考えているところであります。また、再構築協議会は、大量輸送機関として特性がないとされる一部の線区のみを対象とした枠組みになっていまして、JR各社の事業構造を踏まえた「維持可能かどうか」という観点ではないです。「大量輸送がどうか、維持ができても、大量輸送ではなかったら、もうやめていいですよ」みたいなことになっているので、JRの全国的な鉄道ネットワークをどうするのかといった方向性については議論されないまま進んでいると受け止めていまして、こういった課題も含めて、再構築協議会での議論が地方への負担転嫁とならないような制度設計について、繰り返しになりますけれども、国が早期に方向性を示して、財源確保について配慮すべきだと考えているところです。

(幹事社:HOME)
 ありがとうございます。この件につきまして、各社いかがでしょうか。

(読売新聞)
 何度もすみません、読売新聞広島総局の北瀬と言います。先般、JR西〔日本〕と広島・岡山両県で、会合も3度か数度持たれている中で、なかなかJR西〔日本〕で、大阪首都圏の収支構造が全く公表されない状況が続いていて、その一方で、JR西〔日本〕としては、再構築協議会に申し出て、最終的にはもしかしたら廃線という形にもなるかもしれないと思うのですけれども、率直に、JR〔西日本の〕今の対応について、どうお考えでしょうか。所感を伺ってもよいでしょうか。

(答)
 特に中山間地域における公共交通というのは非常に重要なものでありまして、これまでJR西日本さんが、大きく担っていただいてきていると〔ころです〕。あるいは、その地域の活性化についても、JR西日本さんは、非常に関与したいということで、いろいろ表明されて、いろんな協力もしていただいています。それは我々も非常に評価しているところでありまして、今後も、それを継続してほしいというのが我々の受け止めです。これは一つには、JRの民営化の際のいろいろな経緯があって、もちろん何でも永遠に継続しますということになっているわけではありませんけれども、一つは、赤字ないし負債を大きく切り離して、そこに税を投入して、税を投入するというのは全国民が投入しているということになるわけですけれども、JR〔西日本〕がスタートできるようになったと〔いうことです〕。その一方で、様々な資産を継承したJRは、その資産を活用して、様々なビジネスも行っていると〔ころです〕。それはある意味でいうと、国民の税金によって補填される形で、資産活用しているわけですけれども、そういう中で、地方路線を維持していくという大きな方向性も負って、進んできたわけです。それが、このコロナを機に、「維持できない」と、「単独では維持できない」ということが出てきて、そういうご意見が出てきて、確かに、「長期的に見ると維持が厳しい」、「赤字負担というのは、民営会社でもあるので厳しい」ということになって、それ自体は理解できることなのですが、一方で、コロナが回復していくようになって、その収支が改善してくると、今は維持できないからではなくて、大量輸送になってないからと、やや理由がシフトしていると言い〔ます〕か、転換しているような、それだけ見ると、維持できなかったというのは、みんなで考えないといけないということなのですけれど、大量輸送になっていないからということになると、大量輸送になっていないところ、〔例えば〕1,000人以下となると1,000人以下の路線全部をやめることができるわけです。それは、主張として、大きくずれてきていると思いますし、そういうことであれば、JR〔西日本〕の責任というのは本当に一体何なのかということが、非常に大きく考えるべきことであって、そもそも維持できるのかどうかということは、やはり引き続き、大きな課題なのでしょうから、そこはやっぱり議論すべきことだと思いますし、大量輸送になっていないからということだけで、本当にやめていいのかと〔思います〕。一度やめると、もう復活できないというのは相当に大変であるというのは、可部線でも、実例としてあるわけですけれども、そういうことをしっかりと議論をするべきじゃないかと〔思います〕。それ〔議論〕なしに、今、JR〔西日本〕さんは、いろいろ進めたいというご意向があるようなのですけれども、やはり1度、そういう非常に大きな、何て〔言います〕か、今、岐路にあるわけです。もう全国的に、まさに大量輸送になってない部分を見直そうと、法律までつくってやっているわけですから、そういう大きな見直しをやるのであれば、そもそもやっぱりJR〔西日本〕の役割やあるべき姿や、鉄道の在り方などということを議論した上でやるべきではないかと考えています。すみません、長々と、ありがとうございます。

(幹事社:HOME)
 そのほか、〔質問はいかがでしょうか。〕

(山陽新聞)
 山陽新聞の平田です。先ほど再構築協議会をもし要請されたら、沿線自治体と協議の上で〔参加する〕ということをおっしゃったと思うのですが、前向きに受けることを検討されていると、とらえてよろしいのでしょうかと、従来から全路線の収支開示を求めてらっしゃると思うのですけれど、そのお気持ちは今も変わりないでしょうか。

(答)
 我々としては、そもそも論であったところの、単独では維持できないということがどういう意味なのかということを、しっかりと理解するべきだし、議論するべきだと思っていますし、再構築協議会自体については、法律で、こういう協議会を開くということになっているので、やたら拒否はできないと思うのです。「最初から拒否ありき」などというようなことはないと思っていますので、そこはしっかりと、今回正式にあるとしたらその、なぜか、どの区間かなど、いろんなことが、あわせてあると思うので、そういったことも踏まえて、皆さんのご意見もお聞きして、決定していきたいと考えています。

(幹事社:HOME)
 その他いかがでしょうか。では、一般質問に移ります。ほかに質問がある社はお願いいたします。

​広島県内高校寄宿舎における食事供給停止問題について

(NHK)
 NHKの石田です。時間が押しているので、手短にしていきます。先週、いろいろ全国で騒がれたと思うのですけれど、ホーユーという給食事業者、食堂や県議会の食堂もやられていたかと思うのですけれど、事業者の側から、先週の教育長会見でも、ちらっと言及もあったのですけれど、補助はあるけれど、微々たるもので、かなり経営が厳しい、入札方式でやることということで、かなり価格を業者同士で下げてしまって、材料費や工事、資材の高騰を価格転嫁出できないことで、事業者全体苦しんでいるということで〔した。〕ホーユーさんの場合は理由が違うのもあると思うのですけれど、県として何か、知事として、この問題をどう受け止められているかと、何か事業者に対して、今後施策等を通じて、こういった問題について対応する意向など何か計画があるかというのを、伺えればと思います。

(答)
 今回の業務というのは、県との関係では、主に県立学校の寄宿舎の生徒に給食を提供するというもので、非常に大きな影響が出ていまして、事前の連絡もなく、履行が急に停止されたということは、非常に遺憾だと考えています。今、地域住民の皆さまや、企業の皆さまから、温かいご支援をいただいていまして、これは本当に、この場をお借りして感謝申し上げたいと思〔いますが〕、何と言いますか、今の入札制度がおかしいということではないと思うのです。それも踏まえて、もちろん入札をしていただいているわけであって、似たような事業というのは、ほかにもたくさんあるわけであります。食事の提供のところだけ何かこう特別扱いするということではないと思うのです。過度な競争になっても、もちろんいけないので、低入札の調査、そういったような仕組みもあるわけでありまして、そういったことが、きちっと運用しながら、継続的に安定的に提供できるように、我々としてはしていきたいと思っています。ちなみに物価高騰など、例えば急激に何か変化があるような場合には、その業務委託契約の中でも、対応を考えるということも、例えばその公園の運営でも、これまでもやっていますし、あるいはその補助金もあるので、そういったことの活用をしていただきたいなと思います。

​政治と金を巡る問題について

(中国新聞)
 中国新聞の永山です。よろしくお願いします。2019年の参院選広島選挙区をめぐる大規模買収事件のことでお伺いします。このたび、河井克行氏の直筆と見られるメモが見つかりました。河井夫妻側に当時の政権幹部から、1億5,000万円とは別に6,700万円の提供〔が〕されていた疑いがあると。この事件で、広島の県政界は大きな影響があったわけですけれども、こうした高額の資金が、政権側から特定の候補に提供される可能性があるということについて、知事としてどのように受け止められているか、お伺いします。

(答)
 これは選挙における政党の戦略なので、特定の地域において、例えば大きな鍵を握るようなところで、候補者を当選させるために、様々な資源をそこに投入するということはありうることだと思いますし、それ自体がおかしなことだとは、私は思わないのですけれども、ただそれが非常に不透明であるなど、そういったことは、政治に対する信頼にも関わることなので、透明性を持って行われるべきことだと思います。

(中国新聞)
 今回については、透明性があったと思われるのか、〔透明性が〕なかったと思われるのか。

(答)
 それ〔透明性〕はないです。それ〔透明性〕は全くなかったということで、1億5,000万については、まさに、きちっと処理されて、公表されるというような性質のものだと思いますけれども、それ以外に、実際にあったのかどうかわかりませんけれども、そうだとすれば、それはもう全く透明性がないものですし、1億5,000万についても、必ずしも、説明責任的なことが果たされているかというと、それもそういうわけでもないと思っています。

(中国新聞)
 この件でもう1点、このメモがあることを検察側は認識していたのですけれども、実際にメモに書かれている当時の政権幹部4人、安倍さん、菅さん、二階さん、甘利さんについての事情聴取はしていないと〔いうことです〕。こういったことについて検察の捜査が不十分ではないかという声もあると思うのですけれども、その点知事はどのように思われてますでしょうか。

(答)
 これは検察当局が判断されたことなので、それについて私がコメントする立場にないのですけれども、ただ、やはり非常に政治に対する信頼に大きな影響を与えるようなことなのだろうと思いますし、フォーカスが、例えば、今の資金提供自体が、法律違反であるというようなことであれば、当然、検察をして、徹底してやっていただくべきことだと思うのですが、そうでないとしたら、そこはいろんな検察の判断があるのだろうと思うのですが、いずれにしても繰り返しになりますけれども、政治に対する信頼に大きな影響があるということは、我々の期待としては、解明してほしいなと思います。

(幹事社:HOME)
 では時間が過ぎましたので、これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は10月3日火曜日、10時30分からを予定しています。ありがとうございました。

ダウンロード​

(資料)広島サミットの経済波及効果等について (PDFファイル)(560KB)

(資料)インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023について (PDFファイル)(904KB)

(資料)「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」の実施について (PDFファイル)(2.19MB)

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