記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。(別ウィンドウで表示されます)
会見日:平成29年1月17日(火曜日)
(幹事社:日本農業新聞)
幹事社の日本農業新聞です。よろしくお願いします。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は,10時30分を予定しています。ご協力をお願いいたします。まず知事から発表がありますのでお願いいたします。
本日は2点,発表項目がございます。1点目は「イノベーションサミット2017」の開催についてでございます。「イノベーションサミット2017」,1月27日にANAクラウンプラザホテル広島で開催いたします。県では広島発のベンチャー企業の成長加速と地域経済のさらなる活性化を目指しまして,昨年7月から,グーグルが主催しています,地域のイノベーションを応援するプログラムであります「イノベーション・ジャパン」に,自治体として,初めて参加しまして,地域でイノベーションを創出する取組を進めています。昨年12月には,グーグルが得意とするデジタルマーケティングや最新の人口知能を活用した機械学習の動向等について学ぶセミナーを開催いたしましたところ,定員を大きく上回る受講の申し込みがありまして,県内で,大変強い関心を持っていただいているところであります。今回は,我が国で,イノベーションを語る第一人者であります,一橋大学の米倉誠一郎先生に基調講演をお願いいたしますほか,私自身も参加するパネルディスカッションや,ベンチャー企業によりますビジネスプランのプレゼンテーション等を行うこととしています。また,当日,会場内には,グーグルが中小企業のデジタル化を後押しする方法などを紹介するブースを設けますほか,バーチャルリアリティなど,最新のデジタル・テクノロジーを直接体験していただけるコーナーも用意しておりまして,多くの方々にぜひ,ご参加をいただきたいと思っております。このイベントがきっかけとなって,県内企業がデジタル技術を導入されたり,さらなるイノベーションに取り組まれることなど,県内企業の成長に向けた起爆剤の役割となることを期待しているところであります。
2点目,「欲張りライフ懇談会」の開催についてでございます。この度,第2回目の「欲張りライフ懇談会」を,2月4日土曜日に「県民文化センターふくやま」で開催いたします。この懇談会は,県が県民の皆さんとともに目指す姿として掲げております「欲張りなライフスタイル」についての理解・共感を図るために実施するものであります。昨年の9月に三次〔市〕で開催いたしました第1回目ですけれども,約400名の方にお越しいただきまして,来場者アンケートでは,「目指す姿に共感した」と答えていただいた方は約93%にのぼったところです。また,新聞やテレビなどでも報道いただきまして,「欲張りなライフスタイル」の浸透に一定の成果が得られたものと思っております。今回の詳細は,お配りした資料に書いてあるとおりでありますけれども,当日は,元広島東洋カープの衣笠祥雄さんにご講演いただきまして,地域で頑張る「よくばりさん」として2名の方に「欲張り自慢」をしていただくこととなっています。また,会場では,備後の特産品やグルメが購入できるブースを出店するなど,「欲張り」なイベントとなっております。当日,是非ご取材いただければと思っております。このイベントを通じて,県の目指す「欲張りなライフスタイル」について,県民の皆さんにお伝えいただければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。私からの発表は以上です。
(幹事社:日本農業新聞)
この件について,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いします。
(中国新聞)
中国新聞の藤村です。このイノベーションサミットのことに関連してお伺いするんですけれども。広島県とグーグルとの連携というかですね,それについては県民も非常にワクワクされている方が多いんじゃないかと思うんですけれども,これまでの連携についてどういうふうに評価というかされているかということと,今後の展望についてまたあらためてちょっとお聞かせ願えたらと思うんですが。
(答)
先ほども少しご紹介したように,これまで行ったイベントではたくさんの方にご参加いただいていまして,そういう意味では,最近の言葉で言うとあれですけど,古い表現で言えば「ホットなトピック」というか,そういうものをきちんと構築して展開していただける。それに関心を持って新しい技術なんかも導入が進むというようなことを期待しておりますけれども。グーグルの調査によりますと,日本の中小企業というのはデジタル技術,いろいろ言い方はありますけれども,デジタル技術が活用できている企業とできていない企業がやっぱりあって,できている企業というのは生産性が高いと。これは数値的にはいろいろあるかもしれませんけれども,グーグルの調査によれば1.5倍ぐらい生産性が高いといったような結果もあるそうでありまして,一方でこの地域ではそういった技術を学ぶ機会も少ないということもあると思っておりまして,そういう意味でグーグルと連携して,そういった技術の紹介ができるというのは,いろんな意味で意義があるかなと思っております。
(中国新聞)
今後の〔展望は〕。
(答)
そういう意味で今後もこういった機会を通じて県内企業,多くの企業にこのデジタルの可能性を認識していただいて,実際にそれが導入に繋がっていくと。特に県内製造業が非常に多いですけれども,今言われているようなIOT〔モノのインターネット〕であるとかAI〔人工知能〕であるとか,我々もものづくりIT融合というのを言っているのですけれども,そういったことが進むように我々も取り組んでいきたいなと思っています。
(中国新聞)
ありがとうございます。
(幹事社:日本農業新聞)
その他いかがでしょうか。では続いて幹事社質問に入ります。
(幹事社:日本農業新聞)
TPP〔環太平洋経済連携協定〕ですとかEPA〔経済連携協定〕など日本の農業を取り巻く状況が不透明となる中,政府は「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂されまして,次の通常国会での農業改革関連法案の成立を目指すなど農業改革を進める考えです。こうした動きに対しまして,JA広島中央会の香川会長は先日行われましたJA常勤役員研修で,自己改革にスピード感を持って取り組むように呼びかけました。また,この研修会で,知事も講演されまして,資源のあるところから農業の再生産に投資しなくては農業者の減少が食い止められないという危機感を訴えられたかと思うのですけれども,あらためまして知事が広島県農業の課題をどのように認識されているのか。また,この解決に向けて,JAグループ広島にどういったことを期待し,県としてどのような支援を行っていくおつもりなのか,お考えをお聞かせください。
(答)
広島県の農業というのは,日本の中で言われているような典型的な競争力の弱い条件がある農業です。決して競争力が弱いとは言わないんですけれども,そういう条件があるということです。それは何かと言うと,生産規模が小さいであるとか,あるいは平地が少ないであるとか,そういった物理的な条件もありますし,実際に所得的にも,他産業と比べてなかなか厳しいものがあります。また,経営力が低いということもあり,世代交代も進んでいないので,非常に高齢化が進んでいると。その結果,農業就業人口も減少しているというような状況です。これは非常にそういう意味で環境としては厳しいものがあると思います。こういったことに対して,早急に,経営力の高い担い手を作っていかなければいけない。そういった担い手が中心となった産地を育成していくことが必要であろうかと思います。そのためには,当然農業ですから,その技術面,栽培技術を向上していく必要がありますし,同時に農業もビジネスでもありますから,販売をどうやっていくのかと,これはルートも含めて行わなければいけませんし,生産手段としての農地,これも計画的に集積をしていかなければいけない。経営力の高い担い手を作っていくためにも,新規就農者の育成も図らなければいけない。その上で,既存の担い手の経営発展も進めていかなければいけない。課題満載なのです。そういったことを踏まえて,県としては,「2020広島県農林水産業チャレンジプラン・アクションプログラム」,〔名称が〕長いのですけど,段階的に作ったのでこういう形になっています。ここで据えているのは「担い手が将来の生活設計を描ける経営を確立」すると。具体的には,1経営体当たり,1経営体と言うか農業に従事している方,経営体があって,その中で給与所得を得る人たちも出てくると思うのですけれども,そういった1人当たりというか,1従業者当たりの所得500万円を目指していくということであります。そのために,いわゆるプロダクト・アウトからマーケット・イン,これは先日も〔JAの研修で〕お話したところですけれども,この転換を進める必要がありますし,収益性の高い品目の導入を集中的に行っていく必要があると。これが,例えばキャベツであったりとか,レモンであったりとか,あるいはその他園芸作物あたり,そういうことが必要であると。それを通じて,本県の農業の経営体質の強化を図っていくということかと思います。こういう中で,JAとの関わりということになるわけですけれども,JA全体の経営を見ますと,信用事業からの収益が非常に大きいわけですけれども,またこの信用事業も含めて,准組合員の方々とのビジネスから上がっている収益というのが大きいわけです。こういった収益を何のためにそもそもJAが存在するのかと言うと,農家のためでありますから,農家がいなくなったらJAは成り立たないわけで,そのために農業関連事業に投資していかなければいけないと思うわけです。それがJA本来の目的であって,それは農業振興ということですけれども,それに力を入れていただく必要があると思いますし,それを実現する上でも,JAとしての必要な経営基盤強化ということも図る,そのための組織改革,これもスピード感を持って実現をしていただきたいなと思っています。 県としては,ここに関わっている主体というのは,もちろん国もありますけれども,地域のことですから,県であるとか市町であるとか,そしてもちろんJA等と一体となって,それぞれ持っている資源がありますので,それを有効に投資していくと,皆で力を合わせて投資をしていくと。それは活用するという意味ですけれども,産地の構造改革をそれによって進めていくと。これは具体的には,例えば事業としては「ひろしま農業創生事業」なんかも展開していますけれども,こういったことで,新規就農者の確保であるとか経営力の高い担い手の育成,これに取り組んでいくと。その結果として農業の再生を図っていくということに繋げていきたいと思っています。
(幹事社:日本農業新聞)
この件について,質問がある社はお願いいたします。
(中国新聞)
今のご発言の中で,経営基盤の強化をJAが図っていくために,組織改革というのをスピード感を持ってやって欲しいということがあったので,昨年まだずっと今も検討が進んでいますけれども,県内の1JAという構想がありまして,一応今先送りということになっているのですけれども,ここを今念頭に置かれた発言であるという理解でよろしいですか。
(答)
はい,そうです。
(中国新聞)
これを知事としてはスピード感を持って実現をしてほしいという。
(答)
そうです。県内で農業生産が多いところというのは,JAとしての経営基盤は,比較的強くないという状況もあります。ですから,コストもかかるわけです,営農指導とかを進めて行こうと思ったら。それはやはり強固な経営基盤を持って,そして上がってくる収益を農業振興のために投入していくということがやはり望ましいというか,求められるというか,だからこそ収益を上げているということだと思うのですけれども,それができるように体制強化を図っていく必要があるのじゃないかということです。
(中国新聞)
繰り返しですが,いろんなところで収益が上がったことなんかを柔軟に県内のいろんなところに投入していくと,そういうメリットがあるということですか。
(答)
そういうことです。もちろん経営基盤が大きくなると経営的にも安定しますので。
(中国新聞)
あとですね,その。
(答)
リスクを取りやすくなるということです,それは。
(中国新聞)
組織としての例えば1JAにすることで,組織の効率化,例えば簡単に言うと重複している部門を削れるとか,そういった面は。
(答)
そういったことももちろんあると思います。
(中国新聞)
分かりました。ありがとうございました。
(答)
ただ,いわゆるコスト削減が一番の目的というよりは,持っている力を合わせて行くということが1番の目的で,すぐにそれでコストが減っていくとか重複しているとか地域別に持っているところもあるので,すぐできるかどうかは分かりませんけれども,それよりも重要なのは,前向きに事業を展開していく上で力を合わせていくということが大事だと思っています。
(中国新聞)
スピード感を持ってということなので,例えば,どれくらいを目途にやっていただきたいとかそういうのはございますか。
(答)
それは,もう本当に実際に統合していくことになるといろんな手続き上の時間もかかりますので,本当にそこは早く意思決定していただきたいなと思っています。
(中国新聞)
今年中とかそういったものは特に〔目途はありますか〕。
(答)
いつまでに期限とかいう立場でもないのであれですけれども,早ければ早いほど良いのじゃないかと思います。
(中国新聞)
はい。ありがとうございます。
(幹事社:日本農業新聞)
その他いかがでしょうか。では,ないようなので,私から関連質問をお願いいたします。先ほど「ひろしま農業創生事業」のお話があったんですけれども,担い手育成に向けてJAグループと一体となって実践に取り組まれていることだと思うんですが,今の進捗状況とですね,また今後どのように推進されていくのかをちょっとお聞かせいただければと思うんですが。
(答)
「ひろしま農業創生事業」は,ちょっとなじみのない皆さんもいらっしゃるかもしれないので,ちょっとだけ解説をすると,県とJAグループが出資しまして共同で,産地での新規就農の研修制度を構築をすると。担い手に対する農地の集積であるとか,JA等によります生産施設,例えばハウスのリースを行います。こういったことを一体的に支援することによって担い手を確保していきましょうという事業なんですけれども。今年度からスタートしていまして,現在のところ,新規就農者の研修用のハウス,これを三次〔市〕と神石高原〔町〕で作っていただいておりまして,あと安芸高田〔市〕で水耕ねぎのリース,施設リースが始まっています。また来年度に向けまして,他の地区でもホウレンソウであるとかトマトの施設整備の準備を今進めていただいているところ,そういった状況にあります。まだそういう意味では全県的に広まっているという状況ではないわけですけれども,今後さらにこれは推進していきたいと思っておりまして,これまで以上に営農指導であるとか販路確保,これはJAと協力しながら進めていただきたいと。こういった事業を通じて新しく農業をやりたいという人が,こうすれば農家になれるんだという「キャリアパス」みたいなのが確立していくということを目指していきたいと思います。この事業はそのためにも新規就農者,非常に施設なんか一千万〔円〕単位のお金もかかったりするので,そのリスク軽減を図るために,今協力してこういうふうにやっているわけですけれども。そういう意味でもJAにもリスクをとっていただきたい。我々ももちろんそれを応援していくという形で進められればなと思っています。
(幹事社:日本農業新聞)
ありがとうございます。その他に質問のある方はお願いいたします。
(中国新聞)
中国新聞の胡子ですけれども,来週のメキシコ〔・オリンピック委員会〕のオリンピック〔事前合宿〕誘致の〔関係者視察の〕件なんですけど,来週,幹部が広島に来られると思うんですけれども,知事としてメキシコ選手団の誘致が広島県にとってどのような効果をもたらすか,期待感をちょっと教えていただきたいんですけれども。
(答)
来られるっていうのは,もう発表したんだっけ〔事務方へ問いかけ〕。
(事務方)
はい。
(答)
メキシコとの関係という意味では,オリンピックに向けてやはり地域でも盛り上がっていきたいと。またそれを通じて県民の皆さんが,東京オリンピックに関わっていくとか,あるいは触発されてスポーツが大変盛んになっていくとかそういうことを期待しているわけでありますけれども,じゃあ相手はどこかといったところで,今本県のメキシコとの関係,グアナファト州との友好提携ということが進みつつある中で,競技としても野球であるとかサッカーであるとか我々になじみの深い競技が強い国でもあり,メキシコがそういう盛り上がりには非常にちょうど良いというか,ちょうど良いって言ったらちょっと失礼な表現だな。なんていうんですかね,素晴らしい相手じゃないかなと思っていまして,それを通じて,もともとの目的のような,皆でオリンピックを盛り上げていくというところに繋がる。オリンピックを盛り上げていくということと,それから我々自身スポーツにもっと関わっていくということができると良いなと思っています。
(中国新聞)
初めて,県職員とかを現地に派遣されたり,かなり精力的に誘致活動をされているわけで,メキシコの方も前向きに捉えているというふうな見方もあると思うんですけれども,そこらへんの知事としての意欲というかですね,23日,来られた時に広島としての受け入れについてどういうふうな形でお伝えしたいとお考えですか。
(答)
我々の今のメキシコとの関係も踏まえて,やはり選手団の皆さまが広島に来ていただければ,温かくお迎えして,もちろんその競技の前にあってはしっかりと競技の準備ができるように全面的にサポートしていきたいと。そしてもちろん事前も事後もあると思うんですけれども,県民の皆さんと交流して,我々の国際的な感覚というのも培っていきたいと思いますけれども。メキシコの皆さんにも同様に広島県民と交流していただいて,日本について深く知っていただきたい。特に被爆の関係のこともあると思いますので,そういったことも含めて理解していただければなと思っています。
(幹事社:日本農業新聞)
その他,質問のある社いかがでしょうか。
(RCC)
すみません,今のオリンピックに関連して。実際今度いらっしゃった時には知事も直接お話になる機会もあるかと思うんですけれども,どんなことを伝えたいかという意気込みと,あと各市町も回って実際に各市町のトップも誘致活動をされるようなんですけれども,そういったところへの期待感も伺いたいんですけど,いかがでしょうか。
(答)
やっぱり一つは,今回は我々のこの熱意をお伝えするというのが一番かなと思っています。それからいろんな競技施設なんかもありますので,そういったところもしっかりと見ていただいて,受け入れ態勢が十分にできるということをご理解いただくということがまず今回の目的であります。今回の結果を踏まえて,また最終的にどうしていくかということをメキシコ側に判断していただく必要があると思いますので,そういう意味では今回我々の「We Love You」が伝わっていければなと思います。
(RCC)
県としての意気込みもわかるんですが,あと各市町の取組への期待感を。
(答)
各市町もとても意気込んで取り組んでいただいていると思っています。そういう意味では〔視察先の〕各市長も対応していただくと思うのですけれども,しっかりと熱意を伝えていただければなと思っています。
(中国新聞)
来年度の当初予算案に関連する話なので,どこまでおっしゃっていただけるかというのはあるのですけれども,一応聞いておきます。旧陸軍の被服支廠について,保存とか活用の検討をするための調査費というのを来年度の当初予算に計上する方針を固められたということだったので,去年の1月の〔知事定例〕記者会見の時は,国の上限3千万という補助制度がちょうどできたというタイミングだったので,知事の発言としても,ちょっと耐震化に非常に大きな金額がかかるということなので,国の制度をすぐ使うというのはちょっとどうなのかという発言があったのですが,今,県として,一歩前に踏み出したという格好だと思うのですが,これを決断された理由というか,知事のお考えを伺えればと思います。
(答)
理由と言いますか,被服支廠の活用というのは,長年の懸念で,それをどうやったら実現できるのかというのが常に検討課題に上がっていたわけです。ところが,一番大きな障害というか,ボトルネックになりますのが,施設の規模が大きいということで,それに伴うさまざまな改修費用が非常に巨大であるということです。これは技術的にどう解決できるのかということがあって,それはやはり近年のいろんな技術的なものの進展によって,新しい可能性が出てきたということです。これまで費用の算出基礎としていました耐震性の調査というのは,20年前にやったものなので,それから基準も建築技術そのものも変わっているということなわけです。そういうことで,ようやく長年の懸案,その間に被爆建物は減っていますし,逆に言うと被服支廠の役割が大きくなっているのもあると思いますし,見学者も増えているというようなこともありますので,そういった環境も踏まえて,今回あらためて建物の耐用性能であるとか,耐震性の調査を実施したいということです。それを踏まえて,いろんなご意見を伺って,具体的にどういう形で保存できるか部分的活用ができるかとか,考えていきたいと思っています。
(中国新聞)
ありがとうございます。今回の調査を踏まえて,今後の見通しなんですけれども。例えば,広島大学の〔旧〕理学部1号館だと,いろんな有識者を交えた会議なんかの検討組織みたいなのがありますが,今〔知事が〕おっしゃったように,20年前の21億〔円〕というのは,調査結果なので,非常にそれが変わってくる可能性があると。それを出された後の話なんですけれども,例えば今知事がおっしゃった,いろんなご意見を伺ってというところでいうと,今後,調査をした上で,有識者の方とかを交えた議論をしてもらうという流れを今想定されているのでしょうか。
(答)
そうです。もちろん調査の結果次第というところもあるのですけれども,今の最新技術で考え得るような内容であれば,そういった流れになっていくのかなと思います。調査した結果,「やっぱり〔費用が〕莫大かかりそうです」ということになれば,振り出しに戻ってしまうということがあるので,すぐにそうならないかもしれませんけれども,一定の「これなら行けそうだ」というのになれば,そういう流れになってくるかと。
(中国新聞)
最後に一つ。知事の思いとして,例えば,あれだけのものですので,一部であっても保存活用していきたい,というところはあるのでしょうか。
(答)
基本的には,そうです。これは皆さんそうだと思うのです。もちろん私もそうですし。ただ,非常に大きな課題があるということで,これまでなかなか着手できなかったということです。
(幹事社:日本農業新聞)
では最後の質問にしたいと思います。
(HOME)
広島ホームテレビの高橋です。被服支廠の話ではないのですが,今朝の新聞に,宮島の観光客が過去最多となったという記事がありまして。要因としては,大型客船の誘致などが進んだ結果となっています。この辺に関して,今後の知事の思い,抱負などをお聞かせ願えませんでしょうか。
(答)
宮島は,私の就任前は,確か250万〔人〕とか260万〔人〕ぐらいだった頃もあったと思うのですが,300万〔人〕になり,そして400万〔人〕を1回ヒットして,再度また昨年は非常に多くのお客さまに来ていただいたということで,嬉しく思っています。宮島というところは,日本三景であり,かつ世界遺産であると,ある意味,日本唯一の観光地であるということから,私としては,もっと多くのお客さまに来ていただきたいと思いますし,日本を代表する観光地としてのさまざまな受け入れの態勢整備ということも進めていかなければいけないと思っています。先般,三重県に行ってきたのです。伊勢神宮は〔年間およそ〕900万〔人〕来られるということでありまして,〔宮島も〕900万〔人〕とは言いませんが,それに匹敵するぐらいのお客さんが来てもおかしくないのかなと思いますので,どうやったらそれが実現できるのかというのは,廿日市市また地元の皆さんとも議論しながら進められればなと思っております。
(HOME)
今後も大型客船の誘致等は,どんどん進めていかれるのでしょうか。
(答)
大型客船というのは,一つの要因ですけれども,それは10万〔人〕単位で変化するものではないので。今増えています海外からのお客さま,これは今,年間,広島は50%,60%という単位で伸びていますから,そういったお客さんにやはり来ていただくと。同時に海外だけではなくて,日本のお客さまにも再評価していただいて,何度でも来たいという場所にしていかなければいけないと思っています。
(幹事社:日本農業新聞)
これで知事定例会見を終わります。次回は1月31日火曜日の10時半からを予定しています。ありがとうございました。
資料1(イノベーションサミット2017の開催について) (PDFファイル)(1.01MB)
資料2(欲張りライフ懇談会の開催について) (PDFファイル)(1.47MB)
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