記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。(別ウィンドウで表示されます)
会見日:平成29年4月11日(火曜日)
(1)知事の欧州訪問について
(2)県と包括連携協定を締結したカゴメ(株)と就労継続支援事業所との連携について
(3)知事の欧州訪問について
(4)広島空港の経営改革について
(5)日本の将来推計人口について
(6)アメリカ軍によるシリア軍施設の攻撃等について
(7)ふるさと納税に係る返礼品の送付等について
(幹事社:山陽新聞)
これから知事定例会見を始めます。終了時刻は,11時を予定しています。ご協力をお願いいたします。まず知事から発表がありますのでお願いいたします。
本日の発表項目は,2点ございます。1点目は「欧州訪問について」でございます。5月にウィーンで開催される「NPT運用検討会議第1回準備委員会」に私が参加いたしまして,本県の平和の取組などの発信や,核軍縮に向けた働きかけなどを行うことといたしました。また,北欧の主要な研究機関を訪問して,意見交換を行ってまいります。さらに,バチカンを訪問しまして,ローマ法王に一般謁見することとしております。この度の訪問は,5月1日から5月7日までの4泊7日の行程で,国際平和拠点ひろしま構想推進委員会副座長の阿部信泰氏にもご参加いただきまして,ウィーン,バチカン,オスロ,ストックホルムに参ります。ウィーンでは,NPT運用検討会議第1回準備委員会に参加しまして,シンポジウムの開催や個別の面談を通じて,本県の平和の取組の発信や核軍縮の進展に向けた各国への働きかけ等を行うこととしております。また,海外研究機関との連携を強化し,本県の平和のための研究機能の強化を図るため,オスロ及びストックホルムにおいて,平和に関する世界的な研究機関を訪問し,今後の連携の具体化について意見交換を行うこととしております。資料の2枚目をご覧いただきますと,NPT運用検討会議準備委員会における県主催シンポジウムにおきましては,核兵器廃絶に向けたアプローチを巡って核兵器国と非核兵器国の間の溝が深まるなか,核兵器国と非核兵器国が協力して核軍縮に取り組むための方策について意見交換することとしております。パネルディスカッションでは,核軍縮に関して世界的な影響力の強い国連軍縮研究所やストックホルム国際平和研究所から研究者を招聘しまして,「核軍縮を巡る核兵器国と非核兵器国の間の溝を埋める方策」について意見交換します。先月行われた核兵器禁止条約の第1回交渉会議では,核兵器国等が参加しなかったこと,ヘイリー米国国連大使らが条約反対の声明を発表したことなど,核兵器国と非核兵器国との溝がさらに深まったという感もありまして,こうした状況を脱却する必要があると考えております。NPT運用検討会議第1回準備委員会には,核兵器国も参加することから,県としては,国際的な研究機関との連携を進め,主催するシンポジウム等を通じて,核兵器国と非核兵器国の間の溝を埋める方策づくりに向けて,しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
2点目,この度,カゴメ株式会社と県との包括連携の取組の一つといたしまして,カゴメ株式会社から障害のある方が利用する県内の就労継続支援事業所のうち3つの事業所に対しまして,加工用のトマト苗148株が寄贈されることとなりました。今月4月17日に贈呈式が開催され,私が立会をすることとなりました。今回のトマト苗の寄贈については,寄贈された苗を栽培して,消費に繋げるということにとどまらず,カゴメ株式会社と事業所が連携して,複数年かけて新たな加工商品の開発までを行うという,新たな試みとなっています。広島県では,昨年度から農福連携による障害者の就労促進に向けて,事業所に農業の専門家を派遣して,農作物及び農産加工品の生産性の向上や,販路の拡大等に取り組んでいるところでございまして,今度のトマトの栽培・収穫から加工までの支援はこの取組を促進する一助となると考えております。今後,このような取組が県内に広がり,障害のある方々の自立と社会参加に向けた支援につながることを期待したいと考えております。どんな新商品が出来るか私も今から楽しみです。私からは以上です。
(幹事社:山陽新聞)
この件について,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いします。
(中国新聞)
中国新聞の明知と申します。欧州訪問についてお伺いします。この訪問に際して,先日所長が来られましたストックホルムの国際平和研究所とオスロの平和研究所も訪問されますけれども,まず,一つ目ですが,ストックホルム国際平和研究所では,連携に向けた正式な調印のような場が設けられるのかどうかということと,オスロ平和研究所の訪問に際して,例えば,今後の連携についての議論だとかがあるのかどうかということをお聞きしたい。
(答)
2点目の質問をもう一度〔お願いします〕。
(中国新聞)
オスロ平和研究所がありますが,今後,ストックホルムの国際平和研究所の連携関係をオスロとも作るような考え方があるのかお聞きしたい。
(答)
まず,ストックホルムの国際平和研究所,SIPRIのほうですけど,調印式みたいなものは現在調整中ということで,オスロ平和研究所の方もできれば,今後連携できるように意見交換をしていきたいと思っていまして,現段階でどういう形になるかはまだ分かりませんけどいろいろと議論してそういう形にできればいいなと思っています。
(幹事社:山陽新聞)
その他ありますか。
(NHK)
NHKの月岡です。ローマ法王の一般謁見,もうちょっと詳しく内容を,どんなことをするのかを教えてほしい。
(答)
ローマ法王は,定期的に一般謁見されているのだと思いますけれども,先般1月ですか,ギャラガー外務長官が来られた際に,法王の広島訪問の依頼を申し上げたら,「直接行って,直接依頼されてはどうか。」というご提案もありまして。それで,バチカンと調整していたのですが,なかなかスケジュール調整も個別には難しいということで,バチカン側から,一般謁見という形で受けたいというように,ご意向というか,そういう形で調整したいということで,今般そうなったということなのですが,私も直接見ていないので良くわからないのですけれども,〔一般謁見の場では〕たくさん人が並ぶのです。その中で法王に近い席というのを確保していただいて,法王に直接会話ができるというような形の設営になるのではないかと,今,理解しておりまして,これは逆に,皆さんが見ていただく中でお願いができるのかなと,それも一つの方策かなと思っておりまして,そういう形で今,進めるというところであります。
(NHK)
改めて,ローマ法王と,いろんな人がいる中でお会いできてということなのですが,そこでお声掛けというか,改めてどういったことを,お伝えできるとすればどういったことを知事としてお伝えするのでしょうか。
(答)
今,やはり,非常に世界情勢緊迫している中で,平和のメッセージを発信していくというのは非常に重要なことであって,ローマ法王にぜひ,日本訪問を実現していただいて,その際には,広島にお立ち寄りいただいて,広島から平和のメッセージを発信していただきたいということをお願いしたいと思っております。
(NHK)
直接お会いして,日本に来ていただきたい,広島に来ていただきたいということをお伝えできる機会ということなのですが,これを通じて,知事の行動で,どういった変化と言いますか,影響と言いますか,もしかしたらローマ法王が直接,知事の言葉を感じられて,何らかの意図,アクションを示すという可能性もあると思うのですが,それが停滞する核廃絶に向けた,なかなか停滞しているという動きがある中で,どういった影響があってほしいとお考えでしょうか。
(答)
先週の記者会見〔ひろしまレポート2017年版〕の中でも話になりましたけれども,やはり,常にメッセージというか,機運醸成というのは図っていかなければいけないということで,ローマ法王は,カトリックの,何と言いますか,トップの方でありますけれども,カトリック自体,大変多くの信者がいらっしゃるわけですが,それを超えて,非常に権威があるというか,皆さんが耳を傾ける方だと認識していまして,そういった方に改めてメッセージを発信していくというのは,発信していただくというのは,世界的に,やはり,そのメッセージが届いていくということで,皆さんの関心を惹起できる一つのきっかけとなるのではないかなと思います。それはやはり,オバマ〔前米〕大統領がそういったメッセージを発信して,皆さんが,世界の皆さんが核兵器の問題について,もう一度考えるきっかけになったというのと同じだと思います。
(RCC)
中国放送の高島です。私もよくわかりませんが,そもそも一般謁見というのは,ものすごい短い時間だと思いますが,数十秒とか,こちらから一方的に語りかけるだけの可能性もあると思うのですけれども,あらためて,どういったことを今,知事は話しかけようと思ってらっしゃるのか,お聞かせください。
(答)
最終的には,おっしゃるようにどれくらい会話の時間がとれるかということにもよると思うのですけれども,基本のメッセージは,やはり広島を訪問いただいて,広島から平和,そして,できれば,おそらく,そうされるのだろうと思いますけれども,核兵器廃絶を支持するメッセージを発信していただきたいということをお願いするということだと思います。
(中国新聞)
中国新聞の藤村です。5月2日の〔広島〕県主催のシンポジウムのことでお伺いしたいのですけれども,パネリストもまだ調整中ということですけれども,テーマが核兵器国と非核兵器国の溝を埋めるというテーマなので,やはり各国政府関係者というのは,核兵器国,そしてまた非核兵器国,核の傘にある国,ない国,そのような多様な立場の各国政府関係者に知事も出席してもらいたいとお考えなのでしょうか。
(答)
そうです。どこまで参加してもらえるかというのは,まだ調整事項ですけれども,多くの立場の皆さんがいた方が,それぞれの立場の発言もあると思うので,議論が充実すると思うのです。ただ,いろいろな政治的影響とかそういう配慮もあるので,最後どうなるかわかりませんけれども,そういう努力はしていきたいと思います。
(中国新聞)
一つは,核兵器禁止条約ですね,今一番トピックだと思うのですが,これについてもパネルディスカッションの中では何か。
(答)
禁止条約が,対立構造的になりつつある契機の一つなので,当然,それを,そうしないためにはどうするのかということは大きなテーマだと思いますので,そのものがどうあるべきかという議論になるかどうか,ちょっとわかりませんけれども,もちろんそれは議論の対象の一つだと思っています。
(幹事社:山陽新聞)
続いて幹事社質問に入ります。
(幹事社:山陽新聞)
広島空港の経営改革に関連してお伺いします。広島空港の夜間の運用時間を1時間延長し,午後10時半までとする方向で調整に入ったことが一部報道で伝えられました。延長されれば,平成5年の開港以来,初となります。3月29日に東広島市内で地元関係者に延長の方針を説明し,今後,国への申請に必要な地元の合意などの条件が整えば,早ければ10月末にも延長になるということでありますが,その狙いについて知事のお考えをお伺いします。また,〔広島〕県は平成33年ごろに民営化を目指す基本方針を3月末にまとめられました。これを踏まえ,あらためて民営化を選択する狙いや〔広島〕県が重要視する点,民営化を目指す他空港とどのように差別化を図るかについて知事のお考えを伺います。また,今後,国にどのように働き掛けていく予定かもあわせてお聞きします。
(答)
まず,運用時間延長ですけども,単純に言えば選択肢がさまざま増えるということです。具体的には一つは東京便というのが大きなウエイトを占めていますけれども,東京での滞在時間が伸びるということがあるのと,それからもう一つはインバウンドの需要が急伸している中で,LCCなど新規の路線誘致を行っていく時に,時間的な選択肢が増えるということは,可能性が広がるということであります。また,空港経営改革ですけれども,あらためて,民間の力を,これ,さまざまありますけども,投資の力だとかを活用しまして,航空会社あるいは利用者のニーズに対応した迅速な設備投資など,一言で言うと戦略的な運営,利用客の成長に向けた戦略的な運営によって路線数の拡大や旅客の拡大に繋げていくということです。これによって,中四国地方における中枢拠点性を高めていくということが大きな目的であります。それを実現するためには,運営権者,いわゆるコンセッションの引き受け手になりますけれども,パートナーとして〔広島〕県や市町,経済界,従来からの地域の関係者が,これまで以上に緊密に連携しまして,一体的に取り組んでいくことが重要なのかなと思っておりまして,県としてもそのために,積極的に取りまとめというか,取り組んでいきたいと思っております。他空港との差別化については,広島のそもそもの需要というところを考えると,ビジネス需要というのが底堅くあるというのが一つあります。それから,観光的にも,今,非常に拡大していると,広島県もそうですし,瀬戸内でもそういう状況にあるということで,その中でも特に,欧米とかオーストラリアが広島は多いといったようなことがありますので,そういった,この広島の状況,あるいは強みを生かした積極的な提案をしていただいて,広島にある広島空港のポテンシャルを最大限に発揮できるという空港経営改革を実現していければと思っています。これは〔せとうち〕DMOもありますので,そういったところとも連携していくことになると思います。それから,国に対しても今,いろいろ,鋭意進めていますが,道路系のアクセス改善であるとか,あるいは今の運用時間の延長,これが早期に実現できるように働きかけをしていきたいと思いますし,今後,国の空港なので,最終的には国がやるわけですけれども,その中で実施スキームというようなことを策定されるわけですが,これが,これまで〔広島〕県が取りまとめてきた空港経営改革の基本方針に合致したような形になって進んでいくように働きかけをしていきたいなと思っているところであります。
(幹事社:山陽新聞)
この件について質問がある社はお願いします。では幹事社から一つ質問させてください。先ほど知事が言われたように運用時間の延長などの決定権が国にあるのですが,〔広島〕県はどのような立場で国との調整,決定権がない中で,〔広島〕県がどのような立場になるのかということを教えてもらいたいのと,運用時間延長実現の条件として地元の調整などありますが,あらためて,どういう条件が揃えば可能になるのかということを教えてください。
(答)
〔広島〕県としては,もちろん空港が位置する地元として,その利便性を高めていくという立場にありますので,そういった観点から進めているわけですけれども,それにあたって,今のその条件ということと関係していきますけども,一つは地元の住民の皆さまとの調整を完了している,ないしは完了する見込みがあるということが一つの条件ですし,それから,具体的な定期運航の計画があるということが必要なので,そういったこと〔が条件になる〕。それから空〔港〕ビルを含めた関係者との調整が出来ていることというようなことが条件になるので,この条件を整えて我々から国に対して,国土交通省に対して,要望をして,国が決定するというような形になるので,そういう,なんと言うか,要望する立場というか,この条件を整えた上で,国に対して要望するという,そういう立場になるということです。その目的は空港の利便性を向上するということです。
(幹事社:山陽新聞)
ありがとうございます。続いて一般質問に移ります。質問がある社はお願いします。
(中国新聞)
中国新聞の胡子です。昨日,日本の将来人口推計が発表になりまして,今後50年間で3割減少,超高齢化社会。これまで言われてきたとおりかもしれませんけれども,それに対する知事の率直な受け止めと,それから広島県としても,これから「働き方改革」とか「欲張りライフ」に向けて,高齢者をいかに巻き込んだ施策ということも,高齢化率が4割とか迫ってくる中で,そういう労働力人口が減少する中で,高齢者をいかに取り込んでやっていくかということが広島県にとっても大きな課題だと思うのですけれども,その点について知事のお考えをお聞かせ願えたらと思います。
(答)
今般の人口問題研究所の発表自体は,前回の発表とそう変わるものではない,やや緩和するという見方ですけれども,もっと言えば,その前のもあまり変わらないと,我々が未来チャレンジビジョンを策定した時の見方からとみに変わっているわけではない。大きなトレンドとしては,そういう状況かと思います。これは,県も,あるいは今は国全体としても,少子化に対する歯止めだとかいろんな方策を打ち始めていますけれども,非常に大きな話なので,急ハンドルをきっても簡単に方向は変わらないということだと思います。それは今も続いている。ただ少しは良い方向に動いているという現状なのかなと思います。出生率の想定が少し上がったりとか,やはり広島県でも1.6まで上がってきているということとか,そういったことがあるのかなと思います。高齢者の活躍ということは,これはもちろん非常に重要なことで,今,働き方改革を進めていますけれども,これは女性が非常に大きなウエイトを占めるところだとは思いますが,元気な高齢者の方も働けるように多様な働き方を共有していくということは重要なことなので,我々が進めているこの働き方改革の中には高齢者もターゲットに入っているということになります。従来からプラチナ〔世代支援〕とか,地域での活躍ということも視野に置いてやってきましたけれども,もちろんそういった面も重要ですし,ただやはりこの労働力人口が減っていくという中で,さまざまな生産性の向上策を講ずると同時に,働ける人は働ける形で参加ができるようにするという今のような形というのは非常に重要なので,それは継続して続けていきたいと思っています。
(中国新聞)
そのカギを握るというのはやはり働き方改革というのが大きいのではないのかという,そういうお考えですか。
(答)
そうです。多様性を認めていく,そのためのさまざまな仕組み,仕事の仕方とか配分の仕方とかそういうことも関わってくるとは思いますが,それを社会全体で進めていくようにする必要があるのではないかと思います。
(中国新聞)
中国新聞の明知です。アメリカのシリア攻撃について,核兵器廃絶にも関連する問題と思いますので,お聞きします。アメリカはシリアを攻撃して,そのアメリカの高官は北朝鮮への警告でもあるというような発言もありました。この行動に対して日本政府も既に支持を表明しています。一方で当然2大核大国である米・露の緊張も高まっている現状があってというのを踏まえて,知事がまずシリア攻撃をどう受け止められたのかということと,これが核兵器廃絶及び北朝鮮の核開発に与える影響をどのようにお考えかということをお聞かせください。
(答)
私は軍事の専門家でもないですし,それから今のシリア情勢,背景となっているさまざまな情報もわからないので,なかなか正しいというか,そういった情報に基づくコメントというのはできませんけれども,ただ報道されていることが正しいとしたら,正しいと言ったら何かというと,シリア軍がサリン等の科学兵器を使って一般市民を含むシリアの住民の皆さんに対して攻撃をしたということが正しいとしたら,これは非常に由々しき事態なのだろうなと。アメリカはそれに対する報復ということでやったということですが,これが国際法上,どう説明されるのかというのは,アメリカがやはりしっかりと説明をしていただきたいと思いますが,最終的には今回の科学兵器だけではない,おそらく,従来から市民を爆撃しているという状態があるという,一般市民を,自国民を,殺戮をしているというか,難民が非常に多く発生しているといったような状況を,これをどう改善するかということと,今のアサド政権に対する対応というんですか,そのバランスというかそういうことだと思うので,最後は,市民をどうするか,救うかということが必要な観点になってくるのかなとは思いますが,ただそれは私は正確な情報がわからないので,だからこうですとかああですとか言いにくいというのが正直なところです。北朝鮮への影響というのは当然あると思います。私の見方としては,北朝鮮は,やはり何をするかわからないというイメージを作りながら核兵器を保有すると。核兵器は私は簡単に放棄しないと思うのです,今の現状を見ると。まさに,それによって今の体制の延命を図るっていうことだと思いますから,その体制延命が至上命題である以上は簡単に放棄をするわけはないと。従って軍事的緊張が高まるということが,どういうことになるのかというのは非常にこれまた難しい問題ですが,影響はあるだろうと思います。願わくばやはり戦争状態に陥って実際に核兵器が使われるというような事態だけは避けて欲しいなというところです。
(中国新聞)
付随的な質問でもあるのですけど,今おっしゃったような問題を,ウィーンで開かれる県主催のシンポジウムなどでもやっぱり一つのトピックとして俎上に載せていくようなことにはなるのでしょうか。
(答)
北朝鮮問題というのは,もちろん非常に重要なものではありますが,そこに焦点を当てるとなかなか全体の今の核兵器削減というところの議論が充実しないのではないかと思いますので,それはちょっとウィーンで取り上げるということではないかなと思います。触れる人はいるかもしれません。後はラウンドテーブルなどではやはりそういったことが大きなトピックになると思うので,そういった関係者も集まりますし,そういう場では議論をしてみたいなとは思います。
(中国新聞)
シリア攻撃による緊張感の高まりなども同様のお考えでしょうか。個別のトピックとしてそこに俎上として載せるというよりは,そういったラウンドテーブルの場などで。
(答)
シリアは直接のトピックにはならないのではないかと思いますけれども,それが与える影響という形で考えることはあるかもしれません。
(幹事社:山陽新聞)
最後の質問としたいと思います。
(時事通信)
時事通信の蟹沢です。ふるさと納税制度についてお伺いしたいのですけれども。ふるさと納税制度は応援したい自治体に寄付をするという趣旨でスタートしたものですけれども,一部で返礼品の高額さを競うような状況が生まれていまして,制度の趣旨を逸脱するのではないかというような指摘もあります。先ごろ総務省が返礼品の上限は寄付額の3割を上限とするというような考えを示されましたけれども,知事はこの返礼品競争に歯止めをかけるような総務省の考え方をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。それからふるさと納税制度の望ましいやり方について,知事のご所見がございましたら合わせてお聞かせ願いたいと思います。
(答)
まず県の基本的スタンスですけれども,広島県では返礼品は贈っていないということです,基本的には。先般のさとやま〔交流プロジェクト〕でのクラウドファンディングについては,返礼品というよりは,ちょっと名前が残るような形とか若干のものがありましたけれども,基本は我々はやらないという考え方です。何故ならば,制度の趣旨がまさにふるさとを応援するという。ふるさとというのは自分が生まれ育ったところかもしれないし,あるいは関わったところかもしれないし,あるいは何かを応援したいというところだと思うのですけれども,返礼品を得るために寄付をするというのは,これは私はあまり趣旨に合ったことではないと思います。一方でその自治体側,自治体側としてはある意味で言うと,返礼品にお金をかけてもそれが無ければ入ってこない収入があるわけですから,極端な話99.9パーセント還元したとしても0.1パーセントは増えるわけだから,得になります。だからそれはそうしたいという考えが働くのは当然なので,その方が得だし,おそらく合理的です。広島県はそういう意味では「武士は食わねど高楊枝」みたいな,それが県民にとって良いのかというとそれをやってもお金をもらった方が良いのではないかという説もあるかもしれないのです。ただやはりそれは結果としてトータルの税収を落ち込ませてるわけですよね。実質的な,日本全体において。つまり返礼品という形で還付されているわけですから,実質的な税収は落ち込んでいるわけです。地元の産品というのもあるかもしれませんけれども,それは税を使って売っているというのと同じですから,逆に言うと税の使途を指定しているような,一般財源であるにもかかわらずに,そういうような話になっているので,やはりそれはいびつな形になっているのかなと。それを是正するというのは当然のことだと思います。そういうことなので,今般3割というのが適当なのかということはいろいろまたあるかもしれませんけれども,そうしていきたいというか,県内でもそうなるように,県としても助言をしていきたいなと思っています。
(幹事社:山陽新聞)
これで知事定例会見を終わります。次回は4月18日火曜日の10時30分からを予定しています。ありがとうございました。
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