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平成26年広島県議会12月定例会(平成26年12月8日)

印刷用ページを表示する掲載日2024年6月7日

知事説明要旨

12月定例県議会の開会に当たり,ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして,当面する県政の課題などについて,御報告申し上げます。

1 当面する県政の課題

まず,8月豪雨災害の対策についてでございます。

今月3日,天皇皇后両陛下が,広島市の被災地を御視察されるとともに,被災した方々をお見舞いされました。

天皇皇后両陛下の御来県を賜ることは,復旧,復興,そして生活の再建に向け,大きな励ましと,希望を与えてくださるものであり,心より感謝を申し上げます。

災害発生から,約3箇月半が経過いたしましたが,依然として,避難所での生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。

また,被災された方々は,降雨時の二次災害や,今後の生活再建に向けて,様々な不安を抱えておられます。

このため,被災地の早期復旧,並びに被災された皆様の一日も早い生活の再建に向け,国・県・市が一体となって,全力で取り組んでいるところでございます。

県では,土砂災害が発生した危険度の高い箇所について,砂防ダムなど,防災施設等の具体的な整備計画を,今月2日に発表したところでございます。

このうち,砂防,治山及び急傾斜地の災害関連緊急事業について,工事発注の手続きに入ったところでございます。

被災者の心身のケアにつきましては,市と協同で,健康調査や相談・支援を行ったところであり,あわせて,「広島県DPAT」や「広島県こども支援チーム」による個別支援も,続けているところでございます。

新たに展開する「広島県『みんなで減災』県民総ぐるみ運動」につきましては,2月の条例制定に向けて,これまでに,検討委員会を2回開催し,現在,パブリックコメントを実施しております。

今後,事業者や防災関係団体等の御意見も踏まえた上で,運動の具体的な取組方策を取りまとめてまいります。

一方,この度の災害を受けて,先月,土砂災害防止法が改正され,あわせて,国会で「概ね5年を目途に基礎調査が完了するよう努めること」という附帯決議がなされました。

県では,これを重く受け止め,

・ 基礎調査を,附帯決議より1年早い,平成30年度までの4年

・ 区域指定を,平成31年度までの5年

で,完了させることを目指し,全力で取組を進めてまいります。

引き続き,国・県・市が協力して,被災された方々の生活再建や,早期の復旧に取り組むとともに,防災・減災対策の推進など,災害に強い広島県の実現に取り組んでまいります。

次に,経済・雇用の情勢と対策についてでございます。

県内の景気は,個人消費などに弱さが見られておりますが,自動車,鉄鋼など,主要製造業が高めの操業を続ける中で,輸出が増加傾向にあり,基調的には緩やかに回復しております。

加えて,7月に,米国アイダホ州ボイシに本拠を置くマイクロン・テクノロジー社を訪問した際に要請をしておりました広島工場への投資について,マイクロンメモリジャパン株式会社が,先月,約1,000億円規模の投資を決定するなど,

新たな動きも出てきております。

また,雇用・労働情勢につきましては,10月の有効求人倍率が1.24倍と,一部に厳しさが残るものの,着実に改善しており,雇用者所得も,着実に持ち直しております。

しかしながら,7月から9月期の国内総生産の速報値では,消費税率引き上げに伴うマインドの低下や,夏の天候不順の影響で,消費が小幅な伸びにとどまったことなどにより,年率換算でマイナスとなり,想定よりも低い成長率となっております。

さらに,日銀の追加金融緩和等を受けた急激な円安進行による原材料高や,人手不足による経営への影響が懸念されることから,引き続き,県内企業の動向等を注視してまいります。

こうした経済・雇用情勢を踏まえ,12月補正予算におきましても,緊急雇用対策基金を活用した未就職卒業者等への就業支援や,職業訓練を実施するなど,引き続き,経済・雇用対策に努めてまいります。

次に,地方創生に向けた取組についてでございます。

先の臨時国会において,「まち・ひと・しごと創生法」など,地方創生関連2法が成立し,今後,地方創生に関する目標や,施策の基本的方向等をまとめた,国の「総合戦略」が示されます。

一方,衆議院の解散により,女性活躍推進関連法案は,廃案となりましたが,このことが,国,地方の政策の先延ばしにつながってはならないと考えております。

我が国が,少子化と人口減少を克服し,持続的に発展していくためには,国全体として,子育て支援を強化・充実し,女性が,働きながら子育てできる社会環境を創ることが重要でございます。

また,地方が,直面している課題を自ら考え,活力に満ち,元気になることが,

国内の多様性を生み出し,国の成長につながっていくものと考えております。

地方創生を実効あるものとするためには,国,地方それぞれの取組が両輪となって進むことが必要でございます。

国に対しては,東京一極集中の是正や,地方分権改革の推進など,構造的課題の解決として国が進めるべき施策を,着実に実施するよう,あらゆる機会を通じて,積極的に働きかけてまいります。

 県におきましても,新たな経済成長に向けたイノベーション立県の実現や,少子化対策など,これまで取り組んできたことを,従来の発想にとらわれることなく,更に促進することで,創意工夫に満ちた,魅力ある地域づくりを進めてまいります。

次に,広島市との連携についてでございます。

先月,広島市長と会談し,

・ 災害に強いまちづくり

・   美しい川づくりを始めとした,広島市都心部の活性化

・   県から市への権限移譲

などについて意見交換を行い,それぞれの事業を連携して進めていくことで合意いたしました。

県では,こうした取組が,中四国の中枢都市としての機能強化や,役割分担によるコスト削減,連携による施策効果の発現につながるものと考えております。

今後も,県・市が緊密に連携し,十分に協力しながら,取り組んでまいります。

次に,鞆地区道路港湾整備事業についてでございます。

鞆の再生・活性化に向けたまちづくりにつきましては,「町中交通の処理方策」や「防災対策」「まちづくり基金」のあり方について,福山市と連携しながら,調査・検討を進めております。

また,昨日は,鞆町内会連絡協議会及び鞆学区まちづくり推進委員会の皆様と,鞆のまちづくりを進めていくために,意見交換を行ったところでございます。

今後も,地元の皆様の意見を集約した上で,出来るだけ速やかに,具体的な事業を進めてまいりたいと考えております。

一方で,県の方針につきましては,引き続き,住民の皆様との様々な話し合いの機会を通じ,丁寧な説明を行う中で,御理解をいただくよう,誠心誠意,努力してまいります。

次に,広島市東部地区連続立体交差事業についてでございます。

海田町とは,10月末に第2回目の協議を開催し,他自治体におけるコスト縮減策の取組事例などについて,説明を行ったところでございます。

引き続き,お互いにしっかりと意見を出し合いながら,当事業の進め方などについて,協議を行うこととしております。

県といたしましては,関係する皆様と十分に協議を行いながら,できるだけ早く見直しの方向性を固め,早期に事業効果が発現できるよう取り組んでまいります。

 

2 平成26年度主要施策の状況

 次に,平成26年度における主要な施策の取組状況について,御報告いたします。

 一点目は,「イノベーションが生まれる最適環境」を創る取組について,御報告いたします。

まずは,企業活動を行う上での土壌となる「事業環境」を整備する取組についてでございます。

「世界と直結するビジネス支援」につきましては,本県と四川省との,友好提携30周年を記念して,県議会をはじめとする関係者の皆様とともに,10月に四川省を訪問し,中国西部国際博覧会や,広島県留学フェア等に参加し,県内企業の販路拡大や,広島の魅力のPRなどを行ってまいりました。

今回の訪問では,中国側の熱い思いを,改めて強く感じたところであり,国レベルでの関係改善の動きが見られる中で,今後,機会を逃さないように,注意深く対応してまいりたいと考えております。

また,メキシコ合衆国グアナファト州との交流を更に広げるため,先月,友好提携を締結いたしました。

メキシコ国民の独立の象徴として,大変重要とされる,グラナディタス地方博物館で調印式が開催されたことについて,同州の期待の高さを感じたところであり,新たな交流が始まったことを,感慨深く受け止めております。

同時に,「広島・グアナファト 友好の懸け橋11653km」展が開催され,本県の自然,文化,産業などを幅広く紹介いただき,今後は,常設展示をしたいとの意向も示されたところでございます。

本県といたしましても,更なる経済交流の促進を図るとともに,文化,教育,観光などの分野などにおいても,具体的な交流を進め,同州との一層強固な関係の構築を進めてまいります。

また,海外ビジネスを支える交通・物流ネットワークの確立に向けた取組といたしましては,来年1月から,台北線が週2便増便するほか,今月から来年10月までに,広島・バンコク間に双方向チャーター便が就航いたします。

この度の増便等により,観光・教育・ビジネスなどで,更なる交流促進が図られるものと期待しており,引き続き,航空ネットワークの拡充に,積極的に取り組んでまいります。

次に,ひろしまイノベーション推進機構の取組状況についてでございます。

先月,第4号の投資案件として,大学の技術シーズなどを活用して,再生医療製品などの研究・開発・販売等を行う企業に対し,最大で約8億円の投資を,段階的に行うことを決定いたしました。

引き続き,投資先企業に対する経営支援を通じて,企業の成長を促進するとともに,新たな投資先の発掘に取り組んでまいります。

次に,「産学連携の推進」に向けた取組についてでございます。

先月,産学連携によるイノベーションを実現するため,企業の研究開発担当者や大学教員など,約100名の方の参加のもと,「広島から始める新しい産学連携」と題したシンポジウムを開催いたしました。

シンポジウムでは,産学連携をより活性化させる,新たなパートナーシップの構築に向けて,企業や大学に求められる改革や,共有すべきビジョンについて,議論されたところでございます。

今後は,産学連携が,社会的コンセンサスになるための環境整備を進めてまいります。

次に,「産業クラスターの形成の促進」に向けた取組についてでございます。

医療関連産業分野につきましては,県内の自動車部品メーカーが,新たに医療機器製造販売業の許可を取得し,10月末から,人工股関節の手術用具の販売を開始したところでございます。

 新たに参入した企業は,取組開始から,10社に増加しており,引き続き,企業の重点支援による,事業化や新規参入を促進し,医療関連産業の振興と集積を図ってまいります。

また,環境浄化産業分野につきましては,県内企業と,ベトナム国ソクチャン省の農村環境衛生浄水センターと,先月,小型浄水器の販売に関する覚書を締結し,今月から,販売が開始されます。

さらに,同省との間では,新たに,養殖池の浄化や,もみ殻の堆肥利用について,

現地での実証実験に合意するなどの動きも出てきております。

引き続き,こうした案件を中心に,県内企業の海外展開を積極的に支援してまいります。

次に,「中山間地域の地域力強化」についてでございます。

昨年,策定いたしました「広島県中山間地域振興条例」を受けて,先般,今後の振興施策の基本的な方向をまとめた「広島県中山間地域振興計画」を策定したところでございます。

今後は,この計画に基づき,多様な主体と連携しつつ,施策を総合的かつ計画的に推進していくことにより,将来に希望を持ち,心豊かに,笑顔で幸せな生活を営むことができる中山間地域の実現を目指してまいります。

次に,「産業として自立できる農林水産業」についてでございます。

「2020広島県農林水産業チャレンジプラン」の目標を,より着実に実現していくため,環境変化への対応や,これまでの取組の検証を踏まえ,「担い手が将来の生活設計を描ける経営の確立」を目指した,3か年のアクションプログラムを策定いたしました。

農業では,次代の担い手の確保・育成のため,経営体モデルを提示した上で,就農から,就農後の経営発展に向けた支援などを進めてまいります。

また,地域農業を牽引する経営力の高い担い手を育成するため,キャベツ産地の育成に向けた年間供給体制の整備や,県産レモンの生産量とシェアの拡大とともに,

大規模農業団地の形成に取り組んでまいります。

さらに,経営力の強化に向けて,農地中間管理事業を活用した農地集積を進めてまいります。

畜産業につきましては,本県固有の血統を有する県産和牛の生産拡大や,「比婆牛」など地域ブランド化の取組を支援してまいります。

林業につきましては,県産材のシェア拡大のため,柱や土台など部材ごとの協定取引の拡大や,持続的な木材生産量の確保に向けた仕組みづくりなど,川上から川下まで一体的に取り組み,競争力のある供給体制の構築を推進してまいります。

水産業につきましては,藻場などの漁場環境の計画的な整備,地域の核となる魚種の資源増大と,ブランド化を進めてまいります。

また,品質の高いかきについて,国内シェアの維持・拡大を図るため,首都圏での販売強化など,ブランド力の向上に取り組んでまいります。

このプログラムを集中的・効果的に実施するため,引き続き,関係団体や事業者,市町と十分に連携し,全力で取組を推進してまいります。

なお,本年は,米価の大幅な低下と作柄の不良により,稲作収入が激減し,来年の農業経営に支障を来すことが懸念されております。

このため,先月,運転資金を融通する県独自制度の創設や,国に対する提案活動を実施したところでございます。

引き続き,意欲ある認定農業者や,大型稲作農家などの経営体が,次年度の経営を円滑に開始できるよう,支援してまいります。

次に,イノベーションが生まれる最適環境を創るために,「事業環境」とともに重要な要素である,イノベーションの担い手となる「人材」を集め,育てる取組についてでございます。

イノベーションの原動力となる,多様な人材の集積を図るため,人を惹きつける優れたリーダーのもと,県内外の人材が参加し,自らのアイデアを実現できるプロジェクトを実施しております。

先月から開始したプロジェクトの第2弾は,県内外から19人のデザイナーに参加いただき,大崎上島を舞台として,地域の魅力向上につながるデザイン素材の掘り起こしなどに取り組んでおります。

引き続き,ウェブの活用をテーマに実施している第1弾とともに,参加者のアイデアの実現を支援し,本県への定着を促進してまいります。

次に,人材集積を後押しするため,住んでいる人にとっても,訪れる人にとっても,魅力ある環境づくりとしての「ファミリー・フレンドリーな魅力創造」に向けた取組についてでございます。

総合的な少子化対策のうち,結婚支援につきましては,8月に開設した「ひろしま出会いサポートセンター」を拠点として,独身者への情報発信や,職場での結婚応援の取組を推進する登録企業の拡大に努めているところでございます。

登録企業は,11月末現在で,41社にまで増加し,今後,これらの企業内サポーターを対象とした研修会や,独身者の交流会を通じて,取組を加速してまいります。

また,子育て支援として,ミルク用のお湯の提供など,子供連れで外出した際に,店舗等で提供する「子育て応援イクちゃんサービス」の中国5県との相互利用について,先般,各県知事と合意いたしました。

今後,来年度からのスタートに向けて,各県との調整を進めてまいります。

 女性の活躍促進につきましては,10月に,「ひろしまイクメンサミット2014」を開催し,企業経営者や人事労務担当者など,100人以上の方の御参加をいただきました。

サミットでは,男性が育児に参加することの重要性や,先進的な取組など,全国的に著名な講師からお話をいただき,イクメンを応援する機運を高めたところでございます。

また,保育ニーズの拡大に伴い,保育士の確保が課題となっていることから,県では,保育士人材バンクを開設し,これまでに,269人の保育士の再就職につなげております。

先月からは,求人求職情報の掘り起こしを行う人材を新たに配置し,マッチングの強化を図っており,潜在保育士の就業を,更に支援してまいります。

 引き続き,国・市町・企業等と連携しながら,総合的な取組を進めてまいります。

政策の基本方向の二点目は,「広島の強みや基盤」を活かして,内外から人が集まり,活力に溢れる広島県を実現するための取組についてでございます。

まず,「瀬戸内 海の道構想」の推進についてでございます。

「瀬戸内しまのわ2014」につきましては,広島県・愛媛県の多くの地域や,企業の皆様の力に支えていただき,去る10月26日をもちまして,約7か月間の会期を終了いたしました。

イベント会期中には,対前年の来場者増加数が,目標を大きく上回る210万人余となるなど,県内外から多くの方々に御来訪いただき,瀬戸内の魅力を十分にお楽しみいただけたものと思っております。

また,フィナーレとして開催した「サイクリングしまなみ」には,国内はもとより,31の国・地域から,約7,300人の方々に御参加をいただきました。

参加者の皆様には,風光明媚な瀬戸内海を眺めながら,高速道路を自転車で走行するという,解放感あふれる大会として,満足していただいたことと思っております。

さらに,しまなみ海道サイクリングコースは,台湾の日月潭サイクリングコースと,10月に,姉妹自転車道協定が締結されました。

これを契機に,「サイクリストの聖地」として,更なる認知度の向上と,交流人口の拡大につながるよう,取り組んでまいります。

今後,“しまのわ”で生まれた,地域の担い手のネットワーク化や,継続的な情報発信など,地域の活動を支援する取組を行うことで,しまのわの成果を,着実に定着させてまいります。

次に,観光振興の取組についてでございます。

先月,県北の自然や伝統文化,食などの観光資源の魅力を紹介するため,ガイドブックを発行し,約10万部を県内の観光案内所,高速道路のサービスエリアなどに配布いたしました。

また,「中国横断自動車道尾道松江線」及び「東広島・呉自動車道」の年度内の全線開通を契機とした,春からの全県的な誘客強化を図ってまいります。

今後は,10月に設立された,尾道松江線開通記念イベント実行委員会が実施するイベントへの支援を行うほか,春からの観光プロモーションの展開や,開通沿線エリアを核とした,年間を通じた誘客企画イベントなどを実施することとし,必要な経費を12月補正予算に計上しております。

引き続き,こうした取組が,更なる誘客につながるよう,広島の旅の魅力をしっかりと発信してまいります。

次に,「ひろしま」ブランドの価値向上へ向けた取組についてでございます。

10月に,パリ市オペラ地区において,日本酒を中心とした食・工芸品・観光等のブランドの確立や,販路拡大等につなげるため,「広島フェア」を開催いたしました。

当フェアには,酒造メーカーなど県内企業28社が出展し,2日間で,目標を大きく上回る3,000人に御来場いただきました。

日本酒をはじめとした広島県産品に対し,来場者から高い関心が寄せられ,出展者からは「今後の販路拡大に期待がもてる」など,テスト・マーケティングの場として,高い評価をいただきました。

あわせて,現地テレビ番組での,広島の物産・観光を紹介する特集番組の放映や,現地メディア8社の取材により,「広島」の認知度の向上も図られたものと考えております。

今後は,この度の取組を契機として,「ひろしま」ブランドの更なる価値向上と,販売チャネルの確立に努めてまいります。

また,「ひろしま」ブランドに対する共通理解の促進や,参加意識の醸成を図る取組の一環として,食の魅力向上事業に取り組んでおります。

先月,全国で活躍している若手料理人を対象とした「料理コンクール」を実施し,43名の応募者の中から,最終的に,3名の成績優秀者が選ばれました。

成績優秀者は,今後,海外のレストランなどでの修業を経て,広島で活躍していただき,広島の食文化の発展と,ブランドイメージの向上に貢献していただきたいと考えております。

次に,県内の医療体制の構築についてでございます。

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため,新たに医療介護総合確保促進法に基づく基金を設置し,必要な経費を,12月補正予算に計上しております。

今後,10月に作成した「広島県計画」に基づき,ICTの活用や,地域包括ケア体制の構築,認知症対策,医師の偏在解消,看護職員等の確保などの取組を,更に推進してまいります。

また,がん対策日本一に向けた取組につきましては,今次定例会に,広島県立広島がん高精度放射線治療センター設置及び管理条例の議案を提出するとともに,指定管理者の選定に必要となる,債務負担行為予算を計上しております。

引き続き,平成27年秋の開業に向けて,着実に準備を進めてまいります。

次に,県有施設の耐震化対策についてでございます。

防災,治安の拠点である警察施設につきましては,耐震化を順次進め,これまでに5警察署の耐震診断と設計業務を完了し,来年2月から,改修工事を行うとともに,現在,新たに,5警察署の耐震診断と設計業務を進めております。

また,県立学校施設につきましても,平成27年度末までの耐震化完了に向けて,着実に工事を進めております。

引き続き,県民の安全・安心を確保するため,計画的な整備に努めてまいります。

 

3 12月補正予算案等の概要

 さて,今回提出いたしました議案について,その概要を御説明申し上げます。

 まず,一般会計補正予算案につきましては,9月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ,必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として,編成したところでございます。

具体的な補正の内容でございますが,8月豪雨災害に係る被災者支援等を引き続き実施するとともに,「ひろしま未来チャレンジビジョン」の原動力となる施策や,「経済・雇用対策」に要する経費などに,予算を計上しております。

また,職員の給与について,去る10月10日に行われました人事委員会の勧告等の趣旨を尊重し,給料月額や勤勉手当を引き上げるなどの措置を講ずることといたします。

さらに,世代間の給与配分の見直しなどを主な内容とする給与制度の総合的見直しを行うこととし,平成27年4月1日から新しい給料表を導入するなどの措置を講ずることとしております。

これらの結果,一般会計の歳入歳出補正予算額は,63億2,788万円の増額となり,本年度予算の累計額は,9,769億3,951万円となります。

その他,特別会計補正予算案につきましては,4会計で557万円の増額,企業会計補正予算案は,4会計で1億3,777万円の増額となっております。

 次に,予算以外の議案といたしましては,職員の給料月額等を改定する条例案など12件,人事案件として,「広島県収用委員会委員及び予備委員の任命の同意について」の1件,その他の議案では,「工事請負契約の締結」など24件を提出しております。

 また,報告事項として,専決処分報告などを提出しております。

 どうぞ,慎重に御審議いただいた上,適切な御議決をいただきますよう,よろしくお願いいたします。

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