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高齢者のための住宅改修ポイント【ポイント5】

印刷用ページを表示する掲載日2024年9月23日

ポイント5 居心地の良い寝室・居間とは

居心地の良い寝室・居間についてご紹介しています。

生活の意欲を向上させる《建築士からのメッセージ》

寝室・居間は日常生活の最も大切な場です。使いやすくて居心地の良い居室にすると健康にも良い影響を与え、生活する意欲の向上にもつながります。自分流の生活に合わせた居場所を考えてみませんか。

安心快適な浴室のポイント

こんなに良くなった日常生活

寝室・居間を改修して、具体的にどのようなことが良くなったのでしょうか。
住宅改修事例の調査結果から特に効果のあったとする感想です。
〈寝室等には住宅用火災警報器の設置が義務づけられています。〉

  • 寝たり起きたりする動作が楽になった

    今まで畳に布団を敷いていたのをベッドに替えて楽になった。

  • 住宅内を安心して動けるようになった

    出入り口に手すりを付けたり床を板張り(フローリング)にしたので車イスでも安心。

  • 室の出入り口の段差を解消した

    自由に出入りができるようになった。

  • 建具の操作が楽になった

    ドアを引き戸にし取っ手を握りやすいものにした。

こんなに良くなった日常生活

  • 居間寝室改修工事で多いもの

    居間寝室改修工事で多いもののグラフ

どのようなことを解決したいですか〈寝室・居間を改修する前に〉

お困りの声をまとめてみますとこんなにも多くの問題があることがわかりました。

  • 寝たり起きたりする動作をもっと楽にしたい

    低めのベッドにすると足腰の負担が少なくなって寝起きするのが楽になります。

  • 室内で移動するのに不安がある

    何かに掴まって移動すると身体が安定して安全です。

  • 部屋が狭いのでもっと広くしたい

    ベッドやポータブルトイレなどを置くようになると広い空間が必要です。

  • トイレを寝室の近くに持ってきたい

    押し入れや隣接廊下などにトイレを設置する事例も良く見られます。

  • 冷暖房の設備が欲しい

    エネルギー効率を考えると、魔法瓶のような住宅構造にしておくと省エネになります。

  • 出入り口などに段差があって不安

    小段差であれば斜材で簡単に解消しますが、足元灯があると助かります。

  • 家具などの配置や使い勝手が悪い

    できるだけ室内は広く家具は最小限にして、日常動作に合わせた配置にする。

  • もっと収納し易いようにしたい

    収納の中身が見えるような前面にする、棚を低くする。

  • 地震や火事などの緊急避難が不安

    寝室から直接外に出られるように考えておく必要があります。

  • 緊急通報システムを設置したい

    家族や地域と連携していざという時の備えが必要です。

  • ドアや窓などの操作が難しい

    建具の取っ手をレバー式、ドアを引き戸などにする。

  • 採光や,通風を良くしたい

    通風を良くするには風の通路を考えて2箇所に窓を設けると良いです。

  • 昼間の生活が楽なようにソファを置きたい

    腰掛けた時、足が床に届くなど立ち座りが楽なソファにする。

  • 外部からの防犯対策をしたい

    開口部の二重ロック、ドアに防犯ベル、センサーライトなどが有効です。

  • 畳敷きを板張りしたい

    廊下などの床の高さと同一面にする。床板は汚れが目立たなく、傷の付きにくいものにする。

  • ベッドで楽になった

    ベッドで楽になったの図

  • 出入り口は段差なくタテ手すり

    出入り口は段差なく、タテ手すりの図

  • 手すりと足元灯

    手すりと足元灯の図

  • 中味が見える収納

    中味が見える収納の図

  • まさかのことが起こったら

    まさかのことが起こったらの図

  • 明るく風通しが良い

    明るく風通しが良いの図

  • 座り心地の良いソファ

    座り心地の良いソファの図

住宅改修の時期ときっかけ

年齢や健康状態は常に変化しますし、今までの住まいも古くなったり、使い勝手が悪くなって日常生活もつらいところが出てきます。このままにしておきますと高齢による身体機能の衰えから、最悪、転倒してケガをする危険が増してきます。
主な住宅改修のきっかけをあげてみました。

  • 病院から退院した

    病気などによる手足のマヒや室内で転倒して骨折し、入院していたが退院して自宅で生活できるようにするため。

  • 日常生活に介助が必要になった

    身体状況が日常生活に支障をきたし要介護と認定されたため。

  • 将来の身体機能低下を考えた

    加齢による身体機能の低下に先行き不安を感じたため。

寝室・居間のチェックポイント

  • 寝室の位置は便所・洗面の近くが良い

  • 広さは12平方メートル程度(約7.5畳)以上必要

  • 日常使用する収納は手の届く範囲で出し入れがしやすい

  • 出入り口の有効幅員は750mm以上確保

  • できるだけ安全に避難できるように配慮

  • 滑りにくい床材,出入り口や他室との段差を設けない

収納の高さ

収納の高さの図

  • ケガをする前に住宅改修

    ケガをする前に住宅改修の図

事例紹介

Nさんの寝室・居間

ひとり暮らしで自立の対応

広島市南区にお住まいのKさん(75歳・女性)は現在要介護度1です。便所で立ち上がろうとして左肋骨を骨折し、1年あまり入院しました。退院に当たり、古い木造家屋を改造してひとり暮らしができるように寝室・居間を改造しました。

【改修のポイント】
バス・トイレ付きホテルのように

  • 床をフローリングにして車いすで動きやすく
  • 居室空間は大きく一つにして見通しを良く
  • トイレ,浴室、洗面などをまとめて寝室と隣接く
  • 天井レールで建具は引き戸にして床面をフラット
  • 郵便物は玄関ホールの床に直接受ける

改造図面の図

 
 
 
 

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