高齢者のための住宅改修ポイント【ポイント4】
ポイント4 安心で快適な浴室・脱衣室
安心で快適な浴室・脱衣室についてご紹介しています。
滑らない・つまずかない・転ばない《建築士からのメッセージ》
入浴は心身を清潔にしかもリラックスさせてくれますが、転倒事故などによるケガの危険が潜んでいます。
滑らない、つまずかない、転ばない浴室づくりが大切です。
安心快適な浴室のポイント
- お尻をおいて回転できる移乗台が置けるスペースを設ける。
(将来的には介助スペースとなる) - 緊急通報ボタンの設置も考えておく
- 水に濡れても滑りにくい床材とする
- 浴槽の底も滑りにくくする
- 入浴時などの姿勢保持のための手すりを設置する
- シングルレバーとし,可能ならサーモスタット付きとする
- 手すり兼スライド式シャワーフック
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浴室と脱衣室の床面段差解消
一段下がった洗い場にスノコ板を用いて床面を同一にして出入りをしやすくする。
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手すりがあると動作が安定
浴槽の出入り動作は不安定で危険です。手すりを取り付ける。
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浴室のタイルは滑りにくい床材
従来の上面ツルツルタイルでの石けん使用は滑り易く危険。
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浴室リモコン操作盤は見やすいものを
単純で文字が大きく見やすいものが使いやすい。
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もし浴室で倒れたら‐緊急事態
ドアとくらべて引き戸が救出し易い。
- 安心してリラックス
- 浴室工事で多いもの
風呂に入るのは楽しいけど、こんな事に困っている
お困りの声をまとめてみますと、こんなにも多くの問題があることがわかりました。
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出入り口の段差が大きすぎる
古い住宅では水ハケを防ぐために段差が大きい。
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蛇口が使いにくい
水栓金具のつまみが小さい、取付位置が不便。
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浴槽のまたぎ高さが高すぎる/浴槽底が深すぎる
浴槽への出入りの際に不安定な姿勢となる。
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手すりを取り付ける広さや壁の強度がない
古い壁に手すりを取り付けようとしたら壁が落ちてきた。
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浴室や浴槽の床が滑りやすい
タイル上面がツルツルで足元をとられる。
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暗いために足元や手元が見えにくい
古い照明器具なので見えにくい。
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居室に比べ寒い。浴室と脱衣室の温度差が大きい
常時居ないので暖房をしていない。
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ドアに割れやすいガラスなどの危険な材質が使われている
浴室ドアのガラスが薄いので物が当たったら恐い。
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気分が悪くなったとき知らせるベルなどがない
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浴室内のマットやスノコなどがずれやすい
転倒しないかと不安。
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衣服を脱ぎ変えるときによろけそうになる
倒れたらケガをする心配。
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脱いだ衣服を置く棚が高すぎる
年を取ると高いところに手が届きにくい。
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フロからあがった時に腰掛けて休むところがない
脱衣室が狭くて腰掛けが置けない。
- センサー付自動水栓
- 衣服の着脱よろけやすい
- バスグリップ
- 移乗台、マット
- 転倒
- 浴場と浴槽高さは
400~450mm
浴室・脱衣室のチェックポイント
心身をリラックスさせてくれる入浴ですが、裸になって入る浴室は、高齢者の事故によるケガも多いところです。
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転倒防止の配慮
浴槽をまたぐ、立つ座る、横に移るなどの動作に合わせた手すりを付ける。
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浴槽への出入り動作を安全に
入浴動作を助けてくれる補助用具を利用。エプロン付き浴槽、移乗台、フロ用イスなど。
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浴室は畳2枚の広さが必要
入浴を介助したり、シャワーチェアーが置けるスペースが必要です。
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入浴中での安全性を確保
浴槽グリップ、浴槽底に滑り止めマット。
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操作機器は安全で操作しやすい
浴室リモコンは大きめの文字でわかりやすいもの、シャワーは手元スイッチで操作しやすいもの。
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脱衣室と浴室との移動を容易に
段差を解消して床面をフラットにする。スノコ板は木製、樹脂加工ユニットがある。
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脱衣室と浴室との温度差を少なくする
暖房機具の設置や、床暖房で全体を暖める。
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脱衣室の衣類着脱を安全にし易く
腰掛けられるような台やイスを置く、手すりをつける脱衣室は広めの空間にする。
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緊急時に備えて通報設備をしておく
同居家族に知らせる工夫。
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万一のことを考えて
浴室出入り口は救出できるようにしておく。引き戸が救出し易いですが、内開きドアの場合は救出口を考えておく。
- 手すりは,使いやすい位置・高さに
- 非常用ブザー
- シャワーは必ずつけましょう
- 操作のしやすい水栓。手の届く位置に
- 鏡は座って見られる位置に
- 床は滑りにくいあたたかみのある材質に
建築士からのアドバイス
浴室と脱衣室の床面段差を解消するには
浴室の床面を洗面・脱衣室側に合わせるか、洗い場の全面にスノコなどを敷き段差を解消する方法などがあります。
なお,段差解消に伴う水仕舞いについては、個別性がありますので別途検討する必要があります
床面段差の解消
- 脱衣と洗い場の床面
- 手すりと兼用
- まさかのことが起こったとき
事例紹介
Nさんの浴室
安心して入浴を楽しみたい
広島市佐伯区にお住まいのNさん(76歳・女性)は夫婦2人暮らしで、要介護度1です。食事をしようとして食卓イスに腰掛けようとしたときに転んで、大腿骨を骨折し入院しました。自宅で暮らすようになって浴室を改修しました。
【改修のポイント】 滑らない・転ばない・座って洗う
改修するに当たっての要望
- 介助を考えて広めの浴室にしたい
- ユニットバスにして床面の水はけを良くしたい
- 腰掛けて身体を洗えるようにフロ用イスを置く
- 浴室内を明るく見えやすくしたい
- ハンドル水栓を,スイッチを押すだけで操作できるものにしたい
- 手すりを付けて立ち座りを楽にしたい