福山港内港地区底質改善事業について
福山港内港地区底質改善事業について
事業概要
福山市の中心部に位置する福山港内港地区では,下水の影響等により生じたヘドロが海底に堆積し,近年ではスカムと呼ばれるヘドロの浮遊現象や悪臭が生じていたことにより,環境が悪化していました。
このような状況の中,平成22年に福山市の環境改善の要望を受けて,市はもちろん,国,広島県及び広島大学が連携した検討委員会が設立されました。当委員会の下,リサイクル資源を活用した底質改善技術の実証実験が行われ,その効果をもとに平成26 年に海域環境改善に関する提言がまとめられました。
県では,本提言を受けて平成26年度から平成28年度にかけて,底質改善工事を実施し,県,市及び広島大学との連携のもと,改善効果の継続的な調査を行っています。
これまでの経緯
年度 | おもな内容 |
---|---|
平成22~25年度 |
国・県・市及び広島大学からなる海域環境改善方策に係る検討委員会を設置し,リサイクル資材を利用した実証実験を実施 |
平成26~28年度 | 工事の実施 |
平成29~令和1年度 | 県・市による工事後のモニタリング調査の実施 |
令和2年度~ | 県・市による環境監視の実施 |
事業手法
県では,平成26 年度から3年かけて,底泥の悪化が著しかった内港奥部約10ha の範囲において,リサイクル資材を撒き出しを行いました。従来型の浚渫と覆砂による手法と比較しても,2 割弱まで施工費を縮減することができました。
事業効果
本事業では,”スカムの発生及び悪臭苦情の状況を現状以下とし,生態系による自浄作用を高め,持続的な改善効果の発現を目指すこと”を目標としました。令和元年8 月時点のモニタリングにおいて,「スカムの発生」はゼロ,「臭気濃度」は検出下限以下に改善しました。また,無生物状態であった海底にハゼ等の多様な生物が見られるまでに底質環境は改善されました。
今後について
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