迅速前処理カートリッジ発売
特許「分析試料作成装置,及び分析試料作成装置の使用方法」が製品化
~事故時の環境汚染を迅速に把握し,県民の安全・安心に貢献~
事故等で汚染物質が河川等へ流出した場合,早急に汚染状況を把握することが重要ですが,水質検査には時間がかかることから,検査時間の短縮が課題となっていました。
この課題を解決するため,従来の方法に比べ検査時間を大幅に短縮できる「迅速前処理カートリッジ」を開発し,特許を取得,この度,分析機器メーカーにより製品化・発売され,全国で使用可能となりました。
迅速前処理カートリッジの原理
化学物質には,水よりも有機溶媒に溶けやすい性質(「疎水性が高い」といいます。)の物質が多くあります。「疎水性が高い物質が溶けた水」と「水と混ざらない有機溶媒」を混合すると,疎水性が高い物質は水から有機溶媒中へ移動します。迅速前処理カートリッジは,この性質を利用して少量の有機溶媒で化学物質を濃縮,水を通さない疎水性膜でろ過して分析サンプル(化学物質が濃縮された有機溶媒)を作成します。
迅速前処理カートリッジの特徴
従来4~5時間以上かかっていた前処理を10分以下に短縮でき,操作はイメージ図のように簡単です。水より重い有機溶媒,軽い有機溶媒のどちらでも使うことができます。内部標準物質※を使用すると,水中の化学物質濃度を定量することもできます。環境水の分析では,ほとんどの農薬を水質の基準値,指針値以下の濃度まで測定できます。
緊急時の環境水分析を目的として開発しましたが,水質モニタリングや排水の自主検査などでも活用が期待されます。
※内部標準物質:測定する物質の濃度補正用に添加する化学物質
使用方法
製品情報
販売元 : ジーエルサイエンス株式会社
Cat.No.: 5010-50055
製品情報はこちら (ジーエルサイエンス株式会社のページへ移動します)