レモン品種「イエローベル」のさのうの製造方法
藤井一嘉,大坂隆志,坂井智加子
1 背景
イエローベルは,広島県が育成したレモン品種で,道谷系「ビラフランカ」の自然交雑実生から三倍体を選抜して育成した品種です。道谷系「ビラフランカ」に比べ,果実は大きく,果皮は薄く,種子は少ないことが特徴です。通常のレモンは果肉が柔らかいため,さのうの製造が困難ですが,イエローベルは*さのうの強度が通常のレモンより高いことに着目し,さのうを製造する技術開発を試みました。
*さのうとは,柑橘類の外皮に内包される「じょうのう」に内包される袋
2 方法
果実の外果皮(フラベド)の一部を除去もしくは穿孔し,内果皮(アルベド)及び内皮(じょうのう膜)を酵素で分解し剥皮します。外果皮と内果皮除去し,水中で攪拌することでセグメントを分離し,果肉を50℃以上の水溶液中で分離します。
3 結果
イエローベルのさのう強度は,既存品種のビラフランカより高い値を示しました。
4 食品企業に向けたPR
・飲料だけでなく,菓子や調味料などの加工品に加えることで,手軽にレモンらしさを付与できます。
・生ガキに載せる、刺身のあしらいに用いる,料理にトッピングするなど,レモンの風味を付与できます。
・さのうをシロップ漬けや,冷凍することで,菓子や料理の原料として利用できます。
・本技術の利用には特許許諾が必要です(特許第6677988号)。
さのう入りドリンク
さのう入りゼリー