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「広島もみじ酵母」による県産酒の需要拡大の取組み

印刷用ページを表示する掲載日2020年11月5日

食品工業技術センターは,広島県酒造組合と共同で,消費者ニーズの変化に対応する,食事をしながら楽しめる日本酒を造る新しい酵母を開発しました。 

※ 「広島もみじ酵母」及びロゴマークは,広島県の登録商標です。

「広島もみじ酵母」ができるまで

平成20年度から新酵母の開発に着手し,
広島オリジナルのフルーティーな香りを出す酵母「広島吟醸酵母(13BY)」と,
同じく広島オリジナルの優しい味わいで発酵力の強い酵母「広島21号」を掛け合わせることで,
両者の良さをあわせ持った酵母が平成22年に誕生しました。

平成24年には,酒造会社の実用規模試験結果を踏まえて,酵母の有機酸生成能を高め,香りと味のバランスを改良しました。

「広島もみじ酵母」の味のイメージマップ

広島もみじ酵母の開発イメージ

 

「広島もみじ酵母」は,これまで酵母の育種には適用が難しいとされていた「交雑育種法」という高度な技法を,本県で初めて用いて生み出された酵母です。

今までの開発方法は,突然変異を導入し,香りの優れた酵母を選抜していました。
しかし,この方法では,発酵力に関与する部分にも変異が導入され,香りは優れていますが,発酵力が弱まった酵母が多く,目的の酵母を選抜することは困難でした。

交雑育種法は,性質(遺伝子)の異なる酵母を人為的に交配して新しい品種を育成する方法で,香りの優れた酵母と発酵力の優れた酵母の両方の長所を1つの個体に合わせることができます。

開発方法

「なめらか,軽快,フルーティー」

「広島もみじ酵母」によって醸造した清酒は,メーカー,原料米を問わず,「なめらか,軽快,フルーティー」な香味になります。
これにより,消費者の方々が香りや味をイメージしやすい日本酒を造ることが可能となりました。

広島県酒造組合は,「広島もみじ酵母」の特徴を活かした一定以上の酒質になっているかを審査する品質保証審査を実施しており,平成26年8月までに,15社24商品が合格しています。
審査合格品には,消費者が商品を選ぶ際の目印として,ロゴマーク入りのネッカーラベルがつけられています。

また,流通業者の協力を得ることで,商品が消費者に届くまでの品質保持に努めています。

審査合格品に添付するロゴマーク
広島もみじ酵母ロゴマーク

もみじは広島県の木及び花として,親しみ深く,広島の風土に欠かせない存在であり,ロゴマークは,大人の女性がお酒を嗜むイメージや新酵母の持つなめらかさ,フルーティーという特性を表現しています。酵母の球体を表すシンボルマークは,下部の酵母「もみじ」が上部のお酒に変化し,揺れている様子を表しています。

広島と酒造り

灘,伏見と並ぶ三大銘醸地の一つである西条のある広島県において,酒造りの歴史の中で大きな転機となったのが,“軟水醸造法”の開発と吟醸酒の誕生です。

広島の水はミネラルが少ない軟水で,当時,日本酒造りに適さないと言われてきました。
しかし,明治31年(1898年),醸造家の三浦仙三郎が,麹の力を最大限発揮させることで軟水の負の特徴を個性へと変える画期的な技術“軟水醸造法”を開発しました。
この方法によって,ふくよかでキメが細かいという広島の酒の特徴が形作られました。

また,吟醸酒造りは,安芸津杜氏によって成された傑作品です。
米の外側の雑味となる部分を削り取り,磨き上げた酒米を使い,低温でゆっくりと醸すことで,芳香を有しきれいな味の日本酒となります。

食品工業技術センターの前身である西条清酒醸造場が昭和3年に現在の東広島市に設置されて以降,今日に至るまで,酒造会社の杜氏や技術者と共に,日本酒業界の発展のために,研究開発を行っています。

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