飼料用水稲「夢あおば」,多肥でも倒れず収量アップ!! 【研究成果情報1】
印刷用ページを表示する掲載日2017年4月24日
背景
飼料用米などの新規需要米生産において所得向上を図るには,多収性品種を用いて,多肥により多収を目指すことが有効です。
そこで,多肥条件下の疎植栽培や鉄コーティング湛水直播栽培(以下,直播栽培)における,多収性品種「夢あおば」の収量性を明らかにしました。
内容
食用品種「あきろまん」を標肥で栽培したときの粗玄米収量を100として,「夢あおば」の粗玄米収量を収量増加率で表すと,図1,図2のようになります。
まず,移植栽培での「夢あおば」の収量増加率は,密植(株間15 cm)にすると,標肥で107%,多肥で121%と高くなります(図1)。
疎植(株間30 cm)では,密植(株間15 cm)に比べて穂数が減るため収量が少なくなります。収量増加率は,標肥では93%ですが,多肥にすると109%と高くなります(図1)。
直播栽培での「夢あおば」の収量増加率は,標肥では100%,多肥では121%となり,倒伏もみられません(図2,写真1)。
留意点
- 多肥による増収の程度や倒伏の発生は,圃場条件により異なるので,施肥量については慣行の1.5倍程度から始めて,様子を見て増施します。
- 多収性品種を多肥栽培すると,登熟にかかる日数が長くなるので,品種の選定には刈取期の遅れを考慮する必要があります。
お問合せ
試験担当: 広島県立総合技術研究所農業施術センター 栽培技術研究部
お問合せ: TEL: 082-429-0522 メールでのお問合せはこちら (技術支援部)
本研究は,農研機構生研センターが実施した「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」により実施しました。